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承認欲求モンスターの最期!? 誰彼かまわずマウンティングしまくるママ友の、暴走から破滅までを描いた濃厚コメディ【書評】

  • 2026.4.16

【漫画】本編を読む

『マウンティングママ友が、全てを失った話』(まどな:原作、ameno*:漫画/KADOKAWA)は、タイトルどおり行き過ぎたマウンティングによって、あるママが破滅していく姿を描くコミックエッセイだ。

ただし、この作品はありきたりな「ママ友トラブルあるある」の話ではない。円城寺さんという強烈な人物造形で読者の情緒を根こそぎ揺らしてくるコメディだ。物語の起点は確かにごく普通の保育園の人間関係。主人公・まどなが、同じ園のママ友・円城寺さんと連絡先を交換するところから始まる。ところがこの円城寺さん、SNSの自撮り炸裂、セレブで夫や子どもにも恵まれていることを滲ませる自慢投稿連発のキャラ濃いめなマウンティング体質。とにかく円城寺さんが強烈なのだ。

円城寺さんの厄介さは枚挙にいとまがない。例えば、まどなのマンションのパーティールームを借りた子どもの誕生日会では、マンション価格がわかるサイトを使って会場を案内したり、まどなが保育園の懇親会の幹事として生演奏会を企画するとなぜか円城寺さんが食いつき、いつの間にか幹事を乗っ取ったり。極めつきはSNSというマウンティング増幅装置だ。自慢を連発し、ママ友どころかSNS上の見えない相手と張り合い、次々衝撃の投稿をアップする流れは、ムカつきながらもページをめくる手が止まらない。

そして本作の魅力は、円城寺さんをただの「イヤな女」で終わらせない点だ。彼女は確かに周囲のメンタルを削る。だがSNSでの傍若無人な振る舞いや、承認欲求と見栄と妄想、彼女を陥れたい人物などによって、結果的に全てを失う方向へ暴走してしまう。それは全て自業自得なのだけど、なぜか切り捨てられず「復活」を期待してしまう自分がいるから不思議だ。

ママ友関係に疲れた人にこそ、軽い気持ちで手に取ってみてほしい。円城寺さんの現実離れした「濃さ」はとにかく笑える。笑った直後に訪れる、背中が少し冷える展開も巧みだ。そして最後の最後まで、円城寺さんは円城寺さんなので、ラスト1コマまで逃さず読んでほしい。

文=馬風亭ゑりん

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