1. トップ
  2. 『全知的な読者の視点から』「社内お見合い」『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』ジヌ役まで…架空の世界と現実をつなぐ俳優アン・ヒョソプの歩み

『全知的な読者の視点から』「社内お見合い」『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』ジヌ役まで…架空の世界と現実をつなぐ俳優アン・ヒョソプの歩み

  • 2026.4.4

実力ある俳優たちが集まる「浪漫ドクター キム・サブ」シリーズで注目され、その後も時代劇「ホン・チョンギ」、ラブコメディ「社内お見合い」など、多彩なジャンルの作品で魅力を発揮してきた俳優アン・ヒョソプ。大ブームを巻き起こしたアニメーション『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』(25)ではボイスキャストを務めるなど、活躍が続く彼の初の主演映画『全知的な読者の視点から』が公開中だ。昨年、デビュー10周年を迎えたアン・ヒョソプの歩みを振り返っていきたい。

【写真を見る】『全知的な読者の視点から』で実写映画初主演を務めたアン・ヒョソプのこれまでをプレイバック!

【写真を見る】『全知的な読者の視点から』で実写映画初主演を務めたアン・ヒョソプのこれまでをプレイバック! [c]2025 LOTTE ENTERTAINMENT, SMILEGATE, REALIES All Rights Reserved.
【写真を見る】『全知的な読者の視点から』で実写映画初主演を務めたアン・ヒョソプのこれまでをプレイバック! [c]2025 LOTTE ENTERTAINMENT, SMILEGATE, REALIES All Rights Reserved.

2015年のデビューから、順調にキャリアを積み上げていく

幼い頃に家族と共にカナダに移住。17歳で韓国に戻り、アイドルの練習生としてレッスンに励んだ経験もあるアン・ヒョソプ。その後、2015年にドラマ「ポンダンポンダン 王様の恋」で俳優としてデビューし、順調にキャリアを積んでいく。そんな彼が俳優として大きくステップアップしたのが、韓国映画&ドラマ界を代表する演技派ハン・ソッキュが主人公を務める「浪漫ドクター キム・サブ」シリーズのシーズン2だった。腕はいいが型破りな医者と彼に魅了された周囲の人々とのチームワークで見せるこの医療ドラマでアン・ヒョソプは、心に絶望を抱える若き医師ウジンに扮した。ある理由から大学病院で働けなくなった彼は、天才医師キム・サブことプ・ヨンジュの務めるトルダム病院に引き抜かれ、救急医療の現場で働くうちに、医師としての生きがいに気づいていく。また、忙しい日々のなかで、大学時代からの友人で手術恐怖症に悩むウンジェと少しずつ距離を縮めていく姿も微笑ましい。シーズン3では、キム・サブの右腕に成長したウジンが、後輩たちを育てる姿が描かれている。

「太陽を抱く月」の作家が手掛けた人気小説を映像化した「ホン・チョンギ」では、時代劇に初挑戦。架空の王朝を舞台にしたファンタジー要素の強い作品でアン・ヒョソプは、人間たちに害をもたらす魔王を体内に封印された盲目の役人ハ・ラムに扮した。家族を殺された相手への復讐心を隠しながら、王にも信頼されている役人として穏やかに働くという複雑な人物を涼しげに見せている。「太陽を抱く月」のキム・ユジョン演じる女性絵師とのせつない恋の行方も見どころ。CGを駆使したアクションシーンも多く、俳優として新たな境地を開く作品となった。

漫画原作の実写化やアニメ声優にも挑戦!

容姿端麗な大手食品会社社長に扮し話題を集めた「社内お見合い」 [c]Everett Collection/AFLO
容姿端麗な大手食品会社社長に扮し話題を集めた「社内お見合い」 [c]Everett Collection/AFLO

原作のウェブトゥーンから飛びだしてきたような、大企業の若き社長テムに扮したのが、ラブコメディ「社内お見合い」。祖父である会長からの命令で出かけたお見合いの席で、友人の代わりに出てきたハリ(キム・セジョン)と出会うところから物語は始まる。その後、ハリが自社の社員であることに気づかぬまま、契約恋愛を始めたテムはいつしか彼女に惹かれていく。すべての面において完璧で自信満々の社長が、正直なハリから「始祖鳥に似ている」「セリフがキザ」などと言われ、本気で怒る姿が愛らしい。2人が恋人同士になってからの甘いやりとりも必見。公私に渡って彼を支える秘書や、厳しい言葉をかけながらもテムを愛する祖父とのコンビネーションも楽しい。

死神コンセプトのボーイズグループのメンバー、ジヌの声優を担当した『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』 [c]Everett Collection/AFLO
死神コンセプトのボーイズグループのメンバー、ジヌの声優を担当した『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』 [c]Everett Collection/AFLO

韓国系カナダ人のマギー・カンが、クリス・アペルハンスと共同監督を務めた『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』(25)。人気ガールズグループのメンバー3人が悪霊たちと戦うこの作品は3月に発表された第98回アカデミー賞でも、長編アニメーション賞と歌曲賞を受賞。アメリカ映画ではあるが、主人公たちが世界中のファンを魅了しているK-POPスターであるという設定や、伝統的な意匠が使われたキャラクター、さらにソウルの風景やおなじみの食べ物が次々と登場することから、“K-カルチャー”の集大成として韓国内でも熱狂的に受け入れられた。アン・ヒョソプは、悪霊の意を受け、人間たちの心を掴むため登場するボーイズグループのリーダー、ジヌ役のオリジナル・ボイスキャストとして参加。英語での演技は初めてだったというが、葛藤を抱え、主人公ルミ(声:アーデン・チョ)との対話のシーンも多い役柄を、低く心に響く声で演じた。アカデミー賞授賞式のレッドカーペットに登場したことも話題を集めた。

大好きな小説の結末を書き換えるため奮闘する主人公を演じる『全知的な読者の視点から』

ウェブ小説、ウェブトゥーンとして人気を集めていた同名原作の実写版として、早くから期待の声が上がっていた『全知的な読者の視点から』では、愛読していた小説の“中の世界”へ入り込んでしまうドクシャ役を演じている。学生時代のトラウマを抱え、都会の群衆のなかに隠れるように生きてきた彼が、怪物たちが次々と襲いかかる、ゲームのような設定の世界で仲間たちと出会い、覚醒していく姿を力強く演じ、新たなヒーロー像を見せている。「ホン・チョンギ」「社内お見合い」など、これまでも原作のある作品に出演してきたアン・ヒョソプは、原作を参考にしつつ「目の前にあるものに集中して」撮影に臨んできたとのこと。「初めての映画」というプレッシャーをエネルギーに変えて演じたという彼の、力強い演技が印象的だ。架空の世界と現実をつなぐ力を持つ俳優であることを改めて証明した。

4月22日(水)から、完璧主義の農夫を演じるラブロマンス「今日も完売しました」がNetflixで配信がスタートするほか、韓国最高の料理人を選ぶ大会のために集まってきたシェフたちの人間模様と華やかな料理が見どころの「ファイナル・テーブル(原題:파이널 테이블)」も、今年中には放送予定だ。「浪漫ドクター キム・サブ」で主人公が口にした「人々は運命を奇跡だと信じる。しかし、私はそれが人間の意志だと考えている」という言葉が好きだというアン・ヒョソプ。これからも彼自身の意思で、俳優としての道を切り開いていくことだろう。

文/佐藤結

元記事で読む
の記事をもっとみる