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ようやく授かったふたりめの赤ちゃんが染色体異常。死産という決断を下す母親の苦悩と葛藤、そして命への向き合い方を描いた実録コミック【書評】

  • 2026.4.2

【漫画】本編を読む

我が子が無事に生まれてきてくれることは、親にとって何者にも代えがたい喜びをくれる。しかし残念ながらその喜びを得ることができない場合があるのも現実だ。『わたしが選んだ死産の話』(桜井きぬ:著、医療法人財団順和会 山王病院 病院長・藤井知行:監修/KADOKAWA)は、著者が経験した我が子との別れを綴ったコミックエッセイである。

一度流産し、その後に長男を出産した著者。親や周りからふたりめの予定を聞かれたり、さらにママ友たちからも妊娠の報告を聞いたりしたことで真剣にふたりめを考えるようになる。そしてついに判定薬に陽性の反応が。しかし念願の妊娠に大喜びしたのも束の間、病院で赤ちゃんの様子を見てもらうと、医師から衝撃的な事実を伝えられる。おなかの子には染色体異常の可能性があるというのだ。染色体異常とはダウン症などの発生頻度が高く、発達障害や心疾患などの合併症が起きやすい状態とのこと。より詳しい症状を知るために羊水検査を受けると、その結果は「18トリソミー」という疾患だった。詳細は本書で確認いただきたいが、医師によると、おなかの子はいつ亡くなってもおかしくないという。著者は苦悩と葛藤の末に死産を選ぶのだった。

どんな状態であろうとおなかの子を生んで育てたいという著者の気持ちは当然で、その覚悟も本物だったはずだ。それゆえにこの選択をせざるを得なかった著者の心中は、経験したことのない人にとっては決して推し量れるものではない。「自分が我が子を殺した」という罪悪感や後悔に苦しみ、押しつぶされそうになる姿は深く胸に刺さる。

やがて著者は、死産の経験を背負いながらも前へ進めるようになる。同じような経験をして今立ち上がることができない人は、本作を通してその向き合い方や考え方に触れてみてほしい。

文=nobuo

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