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2040年の日本を描き、社会を動かす―「夜明け会議」が提示した共創のロードマップ

  • 2026.3.31

不確実性が増す現代において、2040年の日本社会はあるべき姿を保てているでしょうか。この巨大な問いに対し、世代や業種の垣根を超えて本気で挑むプロジェクトが「夜明け会議」です。

出典:シティリビングWeb

デロイト トーマツ グループが主催するこの取り組みは、単なる未来予測の場ではありません。「夜明け会議」は、経営や組織の意思決定を担うX世代、社会や企業の中核を担うY世代、そして日本社会の未来を担うZ世代の3世代が、年代や業界の垣根を越えて新たな意見形成をする場です。

今回、半年間にわたるワークショップの集大成として開催されたフォーラムの模様から、これからの日本が進むべき道筋を探ります。

不確実性を「つかみにいく」意志。主催者が掲げる社会実装

フォーラムの冒頭、デロイト トーマツ グループCEO兼CGOの木村研一さんは、「リスクとは単なる危機ではなく、不確実性そのもの」と定義しました。

出典:シティリビングWeb

不確実な時代においては、多様な視点を持ち寄り、複数の未来シナリオを描くことの重要性を説くと同時に、会議名に込められた「夜明け」という言葉には、未来を待つのではなく自ら手繰り寄せるという強い意志が込められていると語ります。この宣言は、会場に集まった約300人の企業関係者や大学生に対し、議論を構想に留めず「社会実装」へとつなげる覚悟を促すものとなりました。

「既存の壁」を突破する、シナリオプランニングが導く未来像

第1部では、半年間にわたり「食卓」「健康」「旅行」の3テーマでサントリー、西武ホールディングス、がん研究会の社員と学生によって共同で議論が行われた未来シナリオが発表されました。手法として採用されたのは、単一の予測に頼らない「シナリオプランニング」。不確実性の高い時代において、単一の未来を予測するのではなく、複数の可能性を前提に未来を描くアプローチです。

特徴的だったのは、理想論ではなく「現実に起こりうる変化の延長線上」に未来を置いている点です。参加者は膨大な未来予測データをもとに議論を重ね、2040年の社会像を具体的に描き出しました。

出典:シティリビングWeb

食卓のテーマでは、「食料価格の高騰」「テクノロジーによる効率化」「食文化の多様化」といった複数の要素をもとに議論が展開されました。輸入食品の価格上昇や原材料高といったリスクがある一方で、スマート化の進展によるコスト低下の可能性もあり、「人々が望む食事にどこまでアクセスできるのか」という点が大きな論点に。また、議論を通じて浮かび上がったのは、単なる“食べ物”としての食ではなく、「誰と、どのように食べるか」という価値の重要性でした。

出典:シティリビングWeb

健康のテーマでは、医療やテクノロジーの進化だけでなく、価値観の変化も含めた未来像が検討されました。AIやデータ活用によって個々に最適化された健康管理が進む一方で、単なる身体的な健康だけでなく、「心の健康」や「人とのつながり」がより重要になるという視点が提示されました。効率化が進む社会だからこそ、ストレスや孤独への対応といった“見えにくい健康課題”へのアプローチが求められる—そんな未来像が共有されました。

出典:シティリビングWeb

旅行のテーマでは、観光のあり方そのものが大きく変化する可能性が議論されました。サステナビリティや地域との共生、多様な文化への対応といった観点に加え、「なぜ旅をするのか」という価値そのものが問い直されています。単なる移動や消費ではなく、「学びや自己成長」「他者との交流」「社会課題への関与」といった“体験の質”が、これからの旅行の中心になるという見方が印象的でした。

世代間の対話が可視化した「人間的価値」

第2部のパネルディスカッションには、Mizkan Holdings、第一三共ヘルスケア、JTBの経営層と学生が登壇し、ステージ上で議論を交わしました。

出典:シティリビングWeb

ここで注目されたのは、効率性(タイパ・コスパ)を超えた「ウェルパ(心地よさ・幸福)」という新たな価値軸。AIやデータ活用が加速する未来において、「人とのつながり」や「人間的な内省」といったアナログな価値の重要性が高まるという指摘は、世代を超えた共通認識となりました。

出典:シティリビングWeb

また、学生側から出た「効率化が進むほど、人との関係性の価値が高まるのではないか」という視点も印象的でした。企業側も強く共感を示し、世代間の対話が新たな示唆を生む場となっていました。

「Value」から「Worth」へ。社会構造の変容を促す提言

社会実装に向けた具体的なアクションが議論された第3部では、西武ホールディングス、やる気スイッチグループ、ロイヤルホールディングスのリーダーたちが登壇。

出典:シティリビングWeb

議論の核心となったのは、比較による価値である「Value」から、そのもの自体が持つ本質的な価値「Worth」への転換です。デフレ型の価格競争から脱却し、地域や個人が持つ独自の価値を制度設計や他業種連携によって守り抜く。企業単体では解決し得ない課題に対し、業界の枠を超えた「横のつながり」で挑む姿勢こそが、2040年への突破口になると強調されました。

出典:シティリビングWeb

大人が挑戦し続ける背中を次世代に示すこと。それこそが、社会変革の原動力になるという言葉には、強い説得力が宿っていました。

2026年へ向けて加速する「夜明け」のムーブメント

本イベントを通じて見えてきたのは、「未来は一部の専門家が決めるものではない」という考え方。企業、学生、そして多様な立場の人々が意見を持ち寄り、議論し、共通の未来像を描く。そのプロセス自体が、これからの社会に必要なアクションであるということです。

“夜明け”は自然に訪れるものではなく、準備し、動いた人にこそ見えるもの。この会議は、その第一歩を象徴する場となったようです。

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