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「NHKよくぞ作った」「とんでもない名作」放送から9年 “異彩を放つ存在感”…「人生で1番のドラマ」“驚異の完成度”に称賛の嵐

  • 2026.5.15

歴史を彩る壮大な絵巻から、日々の暮らしに寄り添う温かな人間ドラマまで。NHKのドラマでは、卓越した制作技術と心に深く響く脚本によって、世代を超えて語り継がれる傑作がこれまでも数多く誕生してきました。今回は、そんな“NHKの名作ドラマ”5選をセレクトしました。

本記事では第5弾として、ドラマ『この声をきみに』(NHK総合)をご紹介します。偏屈な数学講師が「朗読教室」で言葉の力に触れ、閉ざしていた心を開いていく再生の物語とは―。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“NHKの名作ドラマ”『この声をきみに』

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新CM発表会に参加した麻生久美子(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『この声をきみに』(NHK総合)
  • 放送期間:2017年9月15日~11月17日放送

あらすじ

穂波孝(竹野内豊)は、数学を専門とする大学の准教授ですが、非常に偏屈な性格で言葉によるコミュニケーションを苦手としています。その不器用さゆえに学生たちからの支持も得られず、私生活では愛想を尽かした妻の穂波奈緒(ミムラ ※現:美村里江が、子供を連れて家を出て行ってしまいました。さらに、高校生を対象とした公開授業でも退屈な内容だと批判を浴びたことで、大学側から話し方教室へ通うよう命じられてしまいます。

訪れた教室で孝は、講師を務める江崎京子(麻生久美子)と些細なことから激しい口論になりますが、京子の上司である佐久良宗親(柴田恭兵)の仲裁によってその場は収められました。最悪の出会いとなった孝でしたが、数日後、京子と思いがけない場所で再び顔を合わせることになります―。

不器用な大人たちの再生と最高の愛の告白※ネタバレあり

2017年に放送されたNHKドラマ『この声をきみに』。家族に愛想を尽かされ、孤独に打ちひしがれていた46歳の数学准教授・穂波孝(竹野内豊)が、ふとしたきっかけで訪れた朗読教室を通じて、言葉の持つ力と人生の美しさを取り戻していく物語です。偏屈で論理ばかりを優先していた男が、ミステリアスな朗読講師・江崎京子(麻生久美子)や個性豊かな教室の仲間たちと触れ合い、少しずつ心を開いていく姿は、多くの大人の視聴者に深い癒やしと勇気を与えました。放送から数年経った今なお、SNS上では「今でも何度も観てる」「定期的に観すぎてセリフ覚えた」「人生で1番のドラマ」「NHKよくぞ作った」「とんでもない名作」といった、人生に寄り添う一作として熱烈な支持を受け続けています。

そんな本作のラストシーンで、教会を訪れた孝と京子のやり取りは、ドラマ史に残る名場面となりました。孝は意を決して京子の年齢を聞こうとしますが、彼女ははぐらかして教えてはくれません。代わりに、京子は小さなヒントとして、今日が自分の誕生日であることを伝えます。あいにくプレゼントなど用意していなかった孝は困惑の表情を浮かべますが、「何も要らない」と微笑む京子。すると、孝は数学者らしい表現で、京子に最高の愛の告白を贈るのでした。

数学は朗読とどこか似ているんだ。数学は数字で森羅万象を追い求め、朗読は言葉で追い求める。なら、仕方がない…この声をきみに出典:ドラマ『この声をきみに』第8話(2017年11月17日放送)

数学で世界の真理を探求してきた孝が、ついにたどり着いた答えが“目の前の大切な人に声を届けること”という美しい結末。孝の成長と二人の愛が育まれた瞬間が見事に表現されたタイトル回収に、SNS上では「最高すぎてゾクゾクした」「ドキッとした」「ラストの台詞にキュンとした」「タイトルがあんな素敵に使われるとは」といった興奮と感動の声で溢れました。声や言葉の大切さを説く本作に、相応しいと言わざるを得ないラストでした。

「震えが止まらない」麻生久美子の名演

本作でヒロインの朗読講師・江崎京子役を務めたのは、実力派俳優の麻生久美子さんです。映画『カンゾー先生』で「第22回日本アカデミー賞」最優秀助演女優賞を受賞して以来、ドラマ『時効警察』でのコメディエンヌぶりや、映画『モテキ』での振り幅のある表現力など、常に高い評価を得てきました。そんな麻生さんは、本作で言葉の力を伝える難しい役柄を演じるにあたって、その裏側にあるアプローチについて次のように明かしています。

ドラマの中では朗読だけでなく、話し方教室で滑舌の指導をする場面もあります。そこは完全に技術的な要素なので、指導してくださった先生の口角の上げ方などを完全にコピーするような気持ちで演じていました出典:『麻生久美子 ドラマ10 この声をきみに(2017)』NHKアーカイブス(2023年4月7日配信)

プロの講師としての説得力を持たせるため、徹底的に先生の技術を模倣し、己のものにするプロフェッショナルな姿勢が、キャラクターに深いリアリティを与えていたのです。こうした妥協のない役作りによって生み出された麻生さんの演技に対し、視聴者からは驚きと感動の声が絶えません。SNSでは「声も顔も演技も大好き」「演技の上手さが神」「演技が凄すぎて震えが止まらない」といった、その表現の深さに圧倒されるファンが続出しました。麻生さんの持ち前の高い演技力と妥協のない役作りが、本作を唯一無二の名作へと押し上げたのです。

ドラマ『この声をきみに』を観たことがない方、また本記事を読んで興味を持っていただけた方は、“言葉で再生していく不器用な男の愛の物語”をぜひご覧ください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です

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