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60代女性『きのう何食べた?』を読んで感じたこと。「親の気持ちもわかるけど、息子の気持ちもわかる」

  • 2026.3.28

60代女性『きのう何食べた?』を読んで感じたこと。「親の気持ちもわかるけど、息子の気持ちもわかる」

ゆうゆうフレンドたちの「あるある!」なおしゃべりが大好評の連載。今回はマンガや雑誌が大好きな3人が「好き」を語り合います。

【今月のお題】人生を変えたマンガ&雑誌

【右から】草間まきさん(58歳)、江藤セツ子さん(64歳)、角坂博子さん(64歳)

50代で久々にマンガを読んで同世代主人公の物語に共感しました

ストーリーの奥にあるメッセージに心震える

江藤 私は中学生くらいからマンガを読まなくなったんだけど、50代になった頃かな、義理の両親の闘病を支えていた私の心に静かに入ってきたのが、よしながふみさんの『きのう何食べた?』。
角坂 ドラマにもなってたよね、ゲイのカップルの話。
江藤 ドラマもよかったけれど、原作も素敵よ。改めて読み返すと、主人公2人の関係だけでなく、親子関係にもグッとくるの。主人公のシロさんの母は、息子がゲイだってことが認められなくて、宗教にハマった経験もある人なのね。でも時間をかけて少しずつ恋人のケンジを受けいれる過程が心にしみるのよ。親の気持ちもわかるけど、息子の気持ちもわかる。20年近く連載が続く中で読者の私も変化してきたから。
草間 私、BL(ボーイズラブ)が苦手で避けてたの。
江藤 大丈夫、ラブシーンはないから(笑)。登場人物も私たちと一緒に年をとってくれるのもいいのよね。第1話で43歳だったシロさんが、今はもう還暦。髪が薄くなるのを心配したり、親が病気で倒れたり。この先も年齢を重ねていく2人に、ずっと寄り添っていきたい気持ちになるのよ。
草間 マンガって、ストーリーを追うのも楽しいけれど、その中に哲学や思想みたいなものがあって、それを感じると心が震えるよね。子ども時代、それを感じたのがスヌーピーの本だった。幼いながらに「深いな」って。
江藤 4コマの絵とセリフの中にギュッと凝縮されたメッセージがあるんだよね。大人になって読み返したんだけど、子ども時代とは別の感動が生まれた。
角坂 犬つながりなんだけど、こんな本があるの知ってる? 『ドッグ・ギャラリー』。古代から現代までの犬の絵を集めた画集なの。これを見て、「日本人のキャラクターづくりの原点なんだな」って思ったの。表紙の絵は、江戸時代の家の戸に書かれていた杉戸絵。
草間 めちゃくちゃかわいい! これが江戸時代の絵なの?
角坂 そう。日本人って、当時から魅力的なキャラクターを愛でる文化があるのよね。私は最近、インスタグラムで人気の「もちにゃみ」っていう小太りの猫のキャラにハマってて、毎日見るのがやめられない(笑)。

My Favorite Book

江藤セツ子さん(64歳)

テレビドラマでは、西島秀俊さんと内野聖陽さんがシロさんとケンジを演じ映画化もされた『きのう何食べた?』。毎回、時短で作れる栄養バランスのいい料理が出てきて、マネしたくなるのも魅力。私が料理を作るモチベーションアップにもつながっています。

日本人は江戸の頃から動物のキャラ化が得意だったのかもね

本屋も雑誌も減ったけどやっぱり私たちは紙が好き

江藤 最近はスマホやタブレットでマンガや雑誌を読むことも増えたよね。私は「dマガジン」に登録して、女性誌だけでなく男性誌や週刊誌も読みまくってる。
角坂 雑誌はいいよね。ネットの記事だとピンポイントで必要な情報は手に入るけど、雑誌は一冊の中に多彩な物語や情報が詰まっているから、ページをめくると思いがけない発見や気づきがあって、自分の世界が広がっていくのがうれしい。最近読んでよかったのは『60代からの小さくて自由な暮らし』というムック本。誰もがいろんな環境の中で、自分らしく人生を楽しむ姿が素敵。雑誌のインタビューって、親しい人とおしゃべりしているみたいで、自分の内面まで磨かれる感じがする。
草間 私も雑誌が好きだけど、絶対に紙派。子どもの頃から紙の本が大好きで、捨てられない雑誌が何千冊もあるのよ。
江藤 実は私も紙派なの。スマホで読んで「これは!」と思ったら購入しちゃう。書店も雑誌も減っているけど、出版文化が失われないように私たちも読み続けたい。
草間 実は私、何十年かぶりにまたマンガを描き始めているの。これまでの経験をコミックエッセイにできたらな、って。
角坂 本当に? すごいね!
江藤 まだまだ若いんだもん、夢をかなえよう。応援する!

My Favorite Book

角坂博子さん(64歳)

よく書店に行き、本との出合いを楽しんでいます。古代から現代までの犬の絵を掲載した『ドッグ・ギャラリー』(右)もたまたま手に取った本。表紙の犬の絵を模したぬいぐるみは、東京・山種美術館のミュージアムショップで買いました。

まとめ/神 素子
撮影/廣江雅美

※この記事は「ゆうゆう」2026年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

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