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部下に慕われる人はやっている…「褒められても全くうれしくない上司、感動する上司」の決定的な違い

  • 2026.3.27

どうすれば「褒め上手」になれるか。『できるリーダーはどこを「ほめる」のか? チームが自然と動き出す「戦略的ほめ方」』(朝日新聞出版)を出した山本渉さんは「褒め上手な人には、実は『褒める前にしていること』がある」という――。

ポジティブな視点を得られる“メガネ”

「褒めたほうがいいのはわかるけど、何を褒めればいいのかわからない」

そんな声をよく聞きます。本稿では、褒める前にしておきたいこと、そして「褒めポイント」が見つけやすくなるスキルをお伝えしていきます。

たとえば、ある新人が獲得した契約数が平均の半分だったとします。「半分だけか……」と否定的に捉えることもあれば、「経験が浅い中で半分も成果を出せた! まだまだ伸びそう」と前向きに評価することもできます。

同じ出来事でも、視点によって受け取り方はまったく変わります。このように、ポジティブな見方への切り替えを助けてくれるのが「褒ほメガネ」です。

【図版1】褒メガネをつけよう
イラスト=福士陽香
「あたりまえ」を「いいね!」に変えるスキル

「褒メガネ」は、物事をただポジティブに見ようとする道具ではありません。日常の「ふつう」として見逃していた努力や姿勢にピントを合わせてくれるのです。

・いつも黙って議事録を取ってくれるメンバー
・納期をきっちり守ってくれる後輩
・目立たないけど、周囲のサポートをしてくれているアシスタント

褒メガネをかけると、まるで視力が上がったように、こうした「見えづらい貢献」がはっきりと見えてきます。感謝や称賛の対象が広がっていくのです。

「あたりまえ」の中にある「ありがたさ」が見えてくると、褒めるハードルが自然と下がり、より多彩な承認の言葉が生まれるようになります。

プライベートでも同じです。

・部屋がいつもきれい
・嫌な顔せずにいつも愚痴を聞いてくれる
・トイレットペーパーが切れないようにストックが補充されている

これらはあたりまえのようで、実は継続するには努力や配慮が必要です。「褒メガネ」をかけて、今までスルーしていた「あたりまえ」の中に褒めポイントを見出していきましょう。

「褒メガネ」を曇らせる3つの深層心理

この「褒メガネ」は、世界を明るくして、相手のモチベーションを高める大切な道具となります。

しかし、ふつうのメガネと同じで、曇って視界が悪くなることがあります。曇りの原因となるのが、「先入観」「比較」「完璧主義」です。

①先入観

たとえば、「彼は粘り強さがないから」「彼女には大きな仕事は向かないから」といった決めつけは、今を正しく見て褒める目を曇らせます。過去の印象や噂にとらわれず、「その人の今」を素直な目で見ることが大切です。

②比較

「同期の○○さんと比べてまだまだ」「同じ年の他の子はもっとうまくできてるのに」……このように他者と比較してしまうのも、曇りの原因となります。さらに、マネージャーがよく陥るのが、自分(の若い頃)と比べてしまい、相手を認めることができなくなるパターンです。その人なりの成長に目を向けるようにしましょう(本書の10節で詳しく解説します)。

③完璧主義

「一つのミスも許せない」「常に期待以上でないといけない」と完璧を求めるのも、わずかな進歩を見逃す原因になります。今100点じゃなくても、100点に近づけるために褒める。この考えを持つことが大切です。

メガネは、曇ったままでは役に立ちません。自分の視点が曇っていないか、ときどきレンズをふいてみましょう。そうすれば、もっと多くの「いいね!」が、あなたの周りに見えてくるはずです。

ポイント➡「褒メガネ」をかけて、見逃していた「あたりまえ」の中に承認ポイントを見つけよう。

褒め上手が褒める前にしていること

褒め上手な人には、実は「褒める前にしていること」があるのです。

山本渉『できるリーダーはどこを「ほめる」のか? チームが自然と動き出す「戦略的ほめ方」』(朝日新聞出版)
山本渉『できるリーダーはどこを「ほめる」のか? チームが自然と動き出す「戦略的ほめ方」』(朝日新聞出版)

「褒メガネ」が実際に売っていたら、きっと多くの人が欲しがるでしょう。ですが、残念ながら物理的には存在しません。では、どうすればこのメガネをかけられるようになるか。

その答えが「関心」と「観察」です。

褒めるという行為は、単に「すごい」「えらい」と言えば済むものではありません。むしろ、そうした言葉だけでは、かえって表面的に感じられてしまうこともあります。

反対に、「この人、私のことをちゃんと見てくれてる」と思えるような具体的な褒め言葉は、相手の心にしっかり届きます。その違いを生み出しているのが「関心」と「観察」なのです。

褒められても寂しいのはなぜか

わたしには、褒められたのにまったく嬉しくなかった経験があります。

若手時代、休日返上で資料を作ったことがありました。取引先の歴史や社長のインタビュー記事なども読み込んで、相手に届くように工夫した渾身の資料でした。

上司からの言葉は、「昨日の資料、よかったよ、おつかれ」でした。褒められているのに、なぜか寂しさを感じたのを覚えています。

今考えると、褒められたんだからいいじゃないか、という気もしますが、当時は「もっと関心を持って見てほしかった」と感じました。ただ評価されたいのではなく、「どうしてそんな工夫をしたのか」「何を考えて取り組んでいたのか」といった背景に目を向けてほしかったのです。欲しがりすぎですね。

そこに「関心」があるかないかで、残念な褒め言葉になるか、心に届く褒め言葉になるかの違いが生まれます。

「関心」と「観察」で見えてくる褒めポイント

次に、「観察」について考えてみましょう。AとBの褒め言葉、どちらが言われて嬉しいでしょうか?


A「ノルマ達成、すごい!」
B「顧客情報を念入りに調べて営業したから成果が出たね。すごい!」

A「社長賞受賞、かっこいいね」
B「家事も育児もこなしながら、仕事でも結果出すの、かっこいいね」

多くの人が、Bのほうが心に響くと感じるのではないでしょうか。それは、より具体的に褒めているということもありますが、相手の行動の背景に対する「観察」があるからです。

「観察」とは、目の前に見えている成果や結果だけでなく、その奥にある過程や意図にも光を当てることです。

たとえば、「仕事が遅い人」をよく観察してみると、ミスを減らすために細部まで丁寧に確認しているのかもしれません。プロジェクトが時間通りに進んだとき、それは綿密な準備の賜物たまものかもしれません。

このように、「関心」と「観察」を持つことではじめて見えてくる「褒めポイント」があります。

【図版2】「関心」と「観察」が大事
イラスト=福士陽香

また、言葉は単なる結果への称賛ではなく、その人の努力や工夫といった過程に向かいます。それが「しっかり自分を見てくれている」という感覚につながり、深い褒め言葉になるのです。

これは特別な能力を持っていないとできないことではありません。普段から意識し続けることで、前節で触れた「褒メガネ」は自然と手に入るのです。

ポイント➡「関心」と「観察」が、深く伝わる褒めを生み出す。

山本 渉(やまもと・わたる)
マーケティング会社統括ディレクター
引きこもりを経験し、高校を中退後アメリカに留学。大学でマーケティングとエンターテインメントを学び卒業。帰国後、国内最大手のマーケティング会社に入社。現在はジェネラルマネージャー。部長を束ねる統括ディレクターも兼ね、年間100近いプロジェクトをメンバーに依頼している。著書『任せるコツ 自分も相手もラクになる正しい“丸投げ”』(すばる舎)はベストセラーに

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