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「髙羽が羨ましい」TVアニメ『呪術廻戦』髙羽史彦の魅力を通じて見えた生きる道とは?【声優・鶴岡 聡インタビュー】

  • 2026.3.26
【写真・画像】「髙羽が羨ましい」TVアニメ『呪術廻戦』髙羽史彦の魅力を通じて見えた生きる道とは?【声優・鶴岡 聡インタビュー】 1枚目
ABEMA TIMES

2026年1月から放送中の『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」。主人公・虎杖悠仁たちが呪術を持つ者たちによる殺し合い「死滅回游」に身を投じていく様が、非常に重厚な映像表現で描かれていることも話題を集めている。

【映像】明らかにヤバい爆発→元気に登場の髙羽(16分39秒ごろ~)

「死滅回游」に参加する非常に個性的な術師たちも数多く登場しているが、中でも売れないお笑い芸人というバックボーンを持つ髙羽史彦の存在は、注目を集めるだろう。髙羽を演じた声優の鶴岡 聡は「元気いっぱい演じる」というコンセプトを持って役に向き合ったという。

髙羽に非常に共感しているという鶴岡に話を伺ったインタビューでは、髙羽という存在を通じて、自ら選んだ道を進む者全員が共感できる話題に至った。

——取材前に原作を読み直したのですが、改めて髙羽っていい奴だなって感じたんです。非常に人間味あふれる魅力があるキャラクターだと思うのですが、鶴岡さんは髙羽の魅力とは、どのようなところにあると感じていますか?

鶴岡:やっぱりどんな状況になっても、ステージに上がり続けるという気持ちですよね。僕も誰かにお願いされて役者になったわけではないですし、平たく言ってしまうとちょっと高いところに立って何かをやるだけでも、十分その人にとってのステージになると思うんです。

でも売れてメジャーになりたいと思った瞬間、ただ人を笑わせたかったというような初心を上塗りする欲望が出てきて、売れたいという気持ちだけになってしまうと辛くなってしまう。それは僕もまったく一緒なんです。

——何かを志して続けている人にとって、非常に共感性が高い部分ですよね。

鶴岡:僕もただ人前で芝居を見てもらって、見た人がいろいろな感情を受け取って気持ちが動いていくことが嬉しいと思っていたのですが、声優ってプロとしてお金をいただいてなんぼの部分が側面としてはあるわけです。なかなか売れなくて、何がダメなんだろうと思ってくると(ウケなかった髙羽に)ケンさんが投げかけてくれる言葉が響いてきて。

——「ずっと売れ続ける奴には二種類おんねん ずっとおもろい奴と ずっと自分のことおもろいと勘違いできる奴や」という。

鶴岡:僕は自分のことを後者だと決めつけて、僕の芝居はイケてるんだという念をかけて振り切ってみようと思っていたので、そこがすごく髙羽と似ているんです。髙羽と一緒にご飯を食べて、いろいろ話し合ってみたいと思うくらい大好きな男ですね(笑)。それでも腐らずやってこられた不屈さ、それでもステージに立ち続けるというピュアさが魅力だと思っています。

——35歳という芸人として決して若い年齢ではない髙羽ですが、だからこそ受け手側にも刺さると言いますか。

鶴岡:たとえばこういうことがやりたかったという作品と自分が巡り会ったときって、幸せなことじゃないですか。彼は「死滅回游」のプレイヤーになることで自分だけのステージを作り上げて、自分で世界観を作って自分で演じるという究極の自作自演に辿り着くんですよね。やっと幸せになりはじめたのかなって思いますよね。

——本当に真っ直ぐでピュアなところが人を惹きつけますよね。

鶴岡:ピュアだから傷ついてしまうことも含めて、いい男だなって思います。

——ケンさんの前に髙羽に辛辣なことを言っていた先輩芸人もいますよね。芸人さんはもちろん、役者の方も表舞台に立つのでいろいろなことを言われる機会も多いのではないかなと。

鶴岡:僕は何を言われても、全部受ける覚悟はできています。アニメを作る上で監督が目指している世界観があって、監督における『呪術廻戦』の髙羽はこうでいいというOKテイクをいただいたのであれば、一緒に作っているチームの一員になれたので。役をいただいた以上、それくらいの気持ちと覚悟はありますね。

——非常に力強いです。鶴岡さんのキャリアにおいて、その覚悟はいつ頃から抱けるようになったのかお聞きしてもいいですか。

鶴岡:声優としてぼちぼち30年目になるのですが、その間にオーディションをいただく中で落ちている数のほうが当然多いわけです。最初のうちは落ちちゃったと思うだけでも、それが重なってくると、僕は役の席をめぐる椅子取りゲームに負けたと思ってくる。

数百人以上が取り合っているわけなので、「負けて当然だろ」と思う自分もいれば、「それでも取るんだ!」という自分が(自分の中で)戦うわけですよ。それでも負けていくと、自分の芝居ってイケていないんだって残念な気持ちになりますし、辛くもなってきますよね。

——ライターも媒体ごとに枠がある程度決まっているので、非常にお気持ち理解できます。

鶴岡:それも重なってくると、開き直ってくるんですよ。負けている自分をしょうがないなって許せるようになったとき、少し気持ちが軽くなったんですよね。じゃあやりたいようにやらないと損じゃんと思えるようになってきて。世の中の流行り廃りというものを一切捨てた部分もあって、僕はこういうふうに思ったからこうやりたいですって開き直れるようになったのは、10年くらい前でしょうか。

——開き直って自分がやりたいと思えることをぶつけているからこそ、誰に何を言われても気にすることはないという。

鶴岡:だから20年くらい経ってから、やっと自分の中だけでの殴り合いというか自問自答が終わって、「何のために芝居・声優をやりたかったんだっけ?」という問いに対して、僕は役を解釈してやりたいように演じるために始めたのだから「それでいいじゃない」と思えたんです。負けを重ねて自分をちょっと許してやれたことで、そうなれたのかなと思いますね。

——何らかの道を歩んでいると、うまくいかないときって辛い。でも進みたい先と進む動機は誰もが持っている。そのことを改めて髙羽史彦という存在を通じて自問自答できたと。

鶴岡:そうですよね。だから、自分で進んでいく理由を見つけて困難があっても歩んでいくこと、それ自体が生きていくということだと思うんですよ。

誰かにあっちの道よりこっちの道が楽だよって言われたとしても、自分が歩みたい道でなければ、自分は自分の道を行く。道がないのだったら草を刈ってでも道を作ってしまえばいいというような気持ちがあれば、たぶん生きていけるだろうと思うんです。だから髙羽が羨ましいですよ(笑)。彼はもう困難を抜けて進んで行っているので!

【写真・画像】「髙羽が羨ましい」TVアニメ『呪術廻戦』髙羽史彦の魅力を通じて見えた生きる道とは?【声優・鶴岡 聡インタビュー】 2枚目
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覚悟を持った鶴岡がどのように髙羽史彦という存在を演じていったのか。注目して『呪術廻戦』「死滅回游 前編」を楽しんでほしい。

取材・テキスト/kato
(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

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