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アントナン・トロンによる新生バルマン。エレガンスの再構築で魅せる2026-27年秋冬コレクション。

  • 2026.3.27

昨年11月、14年間バルマンのクリエイティブ・ディレクターを務めていたオリヴィエ・ルスタンが退任した。それから10日後、Antonin Tron(アントナン・トロン)が後継することが発表された。それにより彼は2016/17年秋冬コレクションでデビューした自己のブランドAtlein(アトライン)の10年目を祝うコレクションではなく、バルマンの2026/27年の秋冬コレクションを今回のパリ・ファッションウィークで発表することになったのだ。

アビエイター・ジャケットにインスパイアされたジャケットはファーストルック(左)から、素材やディテールを変えて登場。

サテン、ベルベット、ジャカード・ブロック、レザー、レースなどのラグジュアリーな素材使い。

バルマンは日本から撤退しているため、ブランドの情報が伝わっていないかもしれないが、このいささか電撃的な交代劇はパリのモード界では関心を呼ぶものだった。確固たるテクニック、時代のニーズに応えるスタイルとアイデアをアトラインで証明済みの彼。とりわけジャージーの扱いで彼は高い評価を得ているデザイナーだ。今度はその才能をバルマンで発揮! モダニティとエレガンスをシャープにまとめ、アントナンによるバルマンのファーストコレクションは大きな拍手を持ってモード界に迎えられた。

夜のイメージの黒を基調にしたコレクションに、ニュアンスのある自然な色彩を加えて。

"ミニマルな豪奢"と彼が表現したファーストコレクション。それはメゾンのルーツを土台にしたクリエイションだった。ピエール・バルマンが1945年にメゾンを創立したのは、戦後、社会と文化に大きな変化があった時代だ。アーカイブに彼が見出したのは、女性の体を美しく見せる建築的な視線、ダイナミズム、官能性、抑制の効いたモダンなラグジュアリーである。手仕事を多く取り入れ、高級素材を用い、バルマンというメゾンの起源がクチュール・メゾンであることをマニフェスト。もちろん彼ならではのドレープ使いのアイテムも少なくない。

ファーストルックは、羊革のソフトなアビエイター・ジャケットだ。これはエア・フランスの初の女性パイロットだったダニエル・デキュレのために、ピエール・バルマンが特別なユニフォームをデザインしたというエピソードにインスパイアされたものだという。1940年代のフィルム・ノワールの官能的でダークなエレガンスを放つ力強い女性、それに1980年代の次世代フィルム・ノワールの女性たちのイメージを重ね、ショーは映画的な演出で行われた。会場に選ばれたのはモンパルナスの廃工場。会場構成を任されたのは、最近ヴェネツィアの建築ビエンナーレで金獅子賞を得た建築家Andrea Faragunaだ。以前は見て楽しむ服という印象が強かったバルマンだが、この2026/27年秋冬コレクションによってアントナンは着てみたいバルマンへと変貌させてメゾンの新章を開いた。

アニマル・モチーフはプリントではなく、職人技により驚くほどの時間をかけて制作された。

Balmain44, rue François 1er75008 Paris営)11:00~19:00(月~土)、13:00~19:00(日)https://jp.balmain.com/ja@balmain

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