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核戦争を生き残る島国はどこか?「2つの国」が候補に挙がる

  • 2026.3.25
核戦争で生き残る島国とは? / Credit:Canva

世界中で戦争や紛争が絶えず、核戦争へと発展するリスクは常にあります。

もし最悪の事態が現実になったとき、人類はどこで生き延びる可能性が高いのでしょうか。

ニュージーランドの研究機関Adapt Researchの研究チームは、核戦争による「核の冬」が起きた場合でも、比較的持ちこたえやすい島国はどこかを分析しました。

その結果、複数の候補国の中でも、特にオーストラリア(正確には大陸国家)とニュージーランドが有力と考えられることが示されています。

この研究は2022年12月4日付の『Risk Analysis』で発表されています。

目次

  • 核戦争の本当の脅威は「爆発の後」にある
  • 38の島国を分析、「核戦争を生き残る」とされた2つの国

核戦争の本当の脅威は「爆発の後」にある

核戦争と聞くと、多くの人は巨大な爆発や放射線被害を思い浮かべるでしょう。

しかし近年の研究が繰り返し示しているのは、本当に恐ろしいのはその後に訪れる「核の冬」だという点です。

核兵器が都市に落とされると、大規模な火災が発生します。

その火災で生じた大量のすすが成層圏まで上がると、太陽光が弱まり、地球全体が急激に冷え込むかもしれないのです。

2025年の研究では、全面核戦争の後には、一部の中緯度地域で何年にもわたって氷点下の状態が続く可能性があると指摘されています。

こうなると農業は深刻な打撃を受けます。

しかも人類が普段持っている食料備蓄は数か月分ほどしかなく、農業の混乱が長引けば、問題はすぐに世界規模の飢餓へと広がります。

重要なのは、この被害が戦場の中だけで終わらないことです。

同研究では、核攻撃を受けた国そのものよりも、むしろ遠く離れた国々で、飢えによってさらに多くの人が命を落とす可能性が示されています。

また2022年に『Nature Food』に掲載された研究も、こうした見方を強く裏づけています。

この研究では、核戦争によって成層圏に入るすすが5テラグラム(Tg)を超えると、ほぼ世界中で深刻な食料不足が起きると推定されました。

しかも不足するのは穀物だけではありません。

家畜は飼料に依存しており、漁業もまた気候変化の影響を受けるため、畜産や水産物だけで穴埋めするのは難しいとされています。

実際、この研究では、インドとパキスタンの核戦争でも20億人超、米国とロシアの全面戦争では50億人超が飢餓で死亡する可能性があると試算されました。

海も安全地帯ではありません。

2022年の海洋研究では、核戦争後の海はただ少し冷えるだけではなく、海氷の拡大や海洋循環の変化によって、植物プランクトンの生産量や種類の構成そのものが大きく変わると示されました。

つまり海は単純に「不漁になる」のではなく、海の生態系そのものが別の状態へ移ってしまうおそれがあるのです。

要するに核戦争とは、爆発による破壊だけではありません。

太陽光を弱め、陸と海の食料生産を同時に傷つけ、地球全体の食料システムを深刻に壊してしまう出来事なのです。

では、こうした核戦争が生じても生き残る可能性があるのはどんな国でしょうか。

38の島国を分析、「核戦争を生き残る」とされた2つの国

『Risk Analysis』の2022年の研究では、38の島国を比較し、核戦争を生き残るかどうかを分析しました。

島国だけを対象にしたのは、核の冬のあとに世界の物流や貿易が途絶えた場合でも、外部から切り離された状態で社会を維持できるかを見極めるためです。

島国は地理的に区切られているため、「孤立したまま自国の食料やインフラで回せるか」を比較しやすい対象でした。

その結果、オーストラリア(正確には大陸国家)とニュージーランドが有力候補として浮かび上がりました。

理由の1つ目は、地理です。

核戦争の主な標的は北半球に集中すると考えられるため、すすの発生源も北半球に偏ります。

影響は地球全体に広がるものの、南半球のほうが比較的軽く済む可能性があります。

しかもオーストラリアとニュージーランドは海に囲まれており、海は熱を蓄えるため、内陸の大陸地域ほど極端には冷え込みにくいと考えられます。

2つ目は、食料の余力です。

この研究では、最悪級の150 Tgシナリオでも、1人あたり1日2200キロカロリー以上の食料供給を維持できる可能性がある5つの島国が示されました。

その中にオーストラリアとニュージーランドが入っています。

特にニュージーランドは、平時には農産物の大半を輸出しているため、輸出分を国内に回せれば、収穫量が大きく減ってもなお国民を養える可能性があります。

オーストラリアもまた、非常に大きな食料余剰を持つ国です。

3つ目は、社会基盤です。

研究では、食料だけでなく、エネルギー、通信、インフラ、教育、保健、政治的安定性なども比較されています。

その総合評価で、オーストラリアは最上位、ニュージーランドもそれに続く高い位置にありました。

単に食べ物があるだけでなく、それを国内で運び、配り、社会を維持する力も比較的強いと見られているのです。

もちろん、この結果だけでは安心できません。

研究者らは、食料が残ることと、社会が安定して続くことは別問題だと強調しています。

ニュージーランドでさえ、燃料や肥料、交換部品の不足、貿易の停止、社会不安が重なれば、農業や物流が止まり、社会機能が大きく損なわれるおそれがあります。

つまり、この2国は「無傷で助かる国」ではなく、世界の中では比較的持ちこたえやすい国なのです。

核戦争で人類を追い詰めるのは、爆発そのものよりも、その後に訪れる長い飢餓の時代です。

その中で生き残れる場所があるとしても、それは「安全な楽園」ではなく、崩れゆく世界の中で、かろうじて踏みとどまれるかもしれない場所なのかもしれません。

参考文献

Scientists Say These Two Island Nations Are Your Best Bet for Surviving a Nuclear War
https://www.zmescience.com/science/news-science/scientists-say-these-two-island-nations-are-your-best-bet-for-surviving-a-nuclear-war/

元論文

Island refuges for surviving nuclear winter and other abrupt sunlight-reducing catastrophes
https://doi.org/10.1111/risa.14072

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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