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「事故」の約5.5倍!?GWの高速道路で発生するトラブル第1位は、どんな車にも潜む“意外な落とし穴”だった

  • 2026.5.2
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

ゴールデンウィークの車移動というと、まず頭に浮かぶのは「長時間の渋滞」や「事故」への不安かもしれません。せっかくの連休を台無しにしないよう、安全運転を心がけるのは素晴らしいことです。しかし、2024年のJAFのデータに目を向けると、高速道路で車が止まってしまう原因のトップは「事故」ではないことがわかります。

実は、誰の車にでも起こり得るごく身近なトラブルが圧倒的に多いのです。本記事ではその実態と原因、そして出発前にできる簡単な対策について解説します。

GWの高速で実際に多いトラブルとは

ゴールデンウィーク期間中、全国各地の高速道路で長い渋滞が発生するのは、もはや毎年恒例のことと言えるでしょう。そうした混雑の中で一番避けたいのは、やはり運転中のトラブルではないでしょうか。自分自身が気をつけて安全運転を心がけることは当然ですが、どれだけ気をつけていても、予期せぬトラブルで車が動かなくなってしまうことがあります。

ここで、JAF(日本自動車連盟)が発表している2024年ゴールデンウィーク(4月27日〜5月7日)のロードサービス出動データを確認してみましょう。まず一般道での出動理由を見てみますと、過放電バッテリーが35.82%で1位となっており、次いでタイヤのパンクなどが続きます。しかし、舞台を高速道路に限定すると、そのランキングは驚くべき変化を見せます。

なんと、高速道路における出動理由の第1位はタイヤのパンクやバースト、空気圧不足などのトラブルであり、その割合は37.38%にも上ります。一方で、第2位の燃料切れは9.92%、第3位の事故は6.80%にとどまっています。つまり、高速道路で車が止まってしまう原因は、事故やガス欠を大きく引き離して、タイヤの不具合なのです。事故に気をつけるだけでは、ゴールデンウィークの高速道路を安全に走り切るための準備としては不十分であるということが、この数字から見て取れます。

なぜ高速ではタイヤトラブルが多いのか

それでは、なぜ一般道に比べて高速道路ではこれほどまでにタイヤのトラブルが突出して増えるのでしょうか。そこには、普段の車の使い方に潜む見えないダメージと、長距離ドライブ当日の過酷な条件という、二つの要因が重なっていると考えられます。

まず意識したいのが、タイヤの状態は一朝一夕で悪くなるものではないということです。多くの場合、普段の買い物や近所への移動で使っているうちに、経年劣化によるゴムの硬化や、縁石に軽く接触した際などの小さなダメージが少しずつ蓄積されています。しかし日常生活の中では走行距離も短く速度も低いため、メンテナンスをしていなくてもその不調に気づくことはほとんどありません。つまり、気づかないうちに、タイヤは悲鳴を上げる一歩手前の状態になっている可能性があるのです。

そこに、ゴールデンウィーク特有の負荷が加わります。家族や友人が同乗し、トランクに荷物が山積みされた車は、普段より数百キロも重くなることもあります。その状態で、高速道路の高い速度域を何時間も走り続けることになるのです。

車全体が重くなると、当然ながらタイヤにかかる負荷は増します。もしこの状態でタイヤの空気が少しでも不足していると、どうなるでしょうか。このような状況で引き起こされやすいのが、スタンディングウェーブ現象と呼ばれるものです。

これは、空気圧が低いタイヤで高速走行を続けた際、タイヤの接地面の後方が波打つように連続して変形してしまう現象を指します。重い荷物を積んだまま高回転で走り続けることで、この変形がさらに激しくなるのです。この状態が続くとタイヤが異常な熱を持ち、最終的には走行中に突然破裂してしまうバーストという、極めて危険な事態につながりかねません。つまり、普段の無頓着な積み重ねが、ゴールデンウィークの高速道路という過酷な舞台で一気にトラブルとして噴出してしまうというわけです。

バッテリー上がりや燃料切れも他人事ではない

高速道路ではタイヤへの警戒が欠かせませんが、一方で総合データで1位となっているバッテリー上がりや、高速道路特有の燃料切れについても忘れてはいけません。これらもまた、ゴールデンウィークならではの状況や、ついやってしまいがちなうっかりミスが引き金となって発生します。

バッテリー上がりというと、渋滞中のエアコン使用やスマートフォンの充電による電力消費をイメージする方も多いかもしれません。確かにそれらも要因の一つですが、実はJAFのデータによると、より多いケースとしてライト類の消し忘れや、半ドアによる室内灯の点灯といった、ドライバーの不注意による過放電が挙げられています。特に慣れない旅先の駐車場や、急いで荷物を積み降ろしした際など、いつもと違うリズムがうっかりミスを誘発しやすくなります。せっかくの旅行先で、さあ出発という時にエンジンがかからないのは、精神的にも大きなダメージとなります。

また、高速道路で約10%を占める燃料切れも、心理的な落とし穴が原因となります。連休中のサービスエリアは、駐車場に入るだけで大行列ができていることが珍しくありません。そのため、ガソリンの残量が気になり始めても、並ぶのが億劫だから次の空いている場所で入れようと、判断を先延ばしにしがちです。しかし、次のサービスエリアが想像以上に遠かったり、そこでもさらなる大渋滞が発生していたりすれば、いよいよ身動きが取れなくなります。高速道路上でのガス欠は、後続車との事故を誘発する恐れもある危険なトラブルであることを、再認識しておきたいところです。

出発前に見直したい点検ポイント

ゴールデンウィークの高速道路で起きるトラブルの多くは、事前の少しの関心と準備で防げる可能性が高いものばかりです。とはいえ、出発当日の慌ただしい中で専門的な点検を行うのは難しいものです。そこで、誰でも実践できるポイントを整理しました。

1.タイヤのセルフチェック

まず最も重要なのは、タイヤのセルフチェックです。わざわざ時間を取るのではなく、出発前やガソリンスタンドでの給油ついでに確認しましょう。ガソリンスタンドの空気入れを使って適正値まで補充するだけで、スタンディングウェーブ現象を防ぐための最も効果的な対策となります。

その際、タイヤの側面に深いひび割れがないか、釘などが刺さっていないかをぐるりと見回しておきましょう。

さらに、タイヤへの負担を減らすために、不要なものはなるべく車から降ろして車体を軽くしておくことも有効です。

2.バッテリーの健康状態

次に、バッテリーの健康状態にも目を向けましょう。エンジンをかけるときの音が以前より弱々しく感じたり、前回の交換から3年以上が経過していたりする場合は、点検を検討するサインです。

また、降車時にはライトが消えているか、ドアが確実に閉まっているかを指差し確認するだけでも、トラブルのリスクは大きく下がります。

3.燃料の管理

そして、燃料の管理については、できるだけ余裕を持って給油しておくことをおすすめします。一つの目安として、燃料計が半分になったら給油するという自分なりのルールを持っておくと、不測の渋滞に巻き込まれた際でも燃料切れの心配をせずにエアコンを使って過ごすことができます。

こうした精神的な余裕こそが、安全運転を支える土台となります。

出発前のひと手間が、家族との安心ドライブを守る

ゴールデンウィークのドライブを成功させる鍵は、ルートの確認や渋滞予測のチェックだけではありません。それらと同じくらい、あるいはそれ以上に、車そのものが健康な状態で安全に走り続けられることが不可欠です。

高速道路で起きてしまうトラブルの多くは、普段のメンテナンス不足や、当日の過酷な使用条件、そして移動の疲れによる小さな不注意が重なることで発生します。しかし、出発前のちょっとした空気圧の確認や、降車時の消灯確認といったひと手間で、そのリスクは大幅に下げることができます。

せっかくの休暇、目的地で最高の思い出を作るためにも、まずは愛車の足元を一度見つめてみませんか。その数分間の配慮が、同乗する大切な家族や友人との安心できる時間を守ることにつながります。ぜひ万全の準備を整えて、安全で楽しいドライブをお楽しみください。


参考:JAFロードサービス 主な出動理由TOP10 2024年 ゴールデンウィーク「四輪・二輪合計」(JAF)



ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。


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