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1000万円高級車が100万円台のはずが…憧れのプレミアムカーを中古で買った直後に襲いかかる落とし穴

  • 2026.5.5
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。輸入車ディーラー営業、カーディティーリングスタッフ、自動車部品メーカーの海外営業を経て、現在は中古車買取店のオーナーを務めております、岡本です。

中古車市場を見ていると、新車時には1,000万円近くしたプレミアムクラスの車両が、100万円台、あるいはそれ以下の価格で販売されているのを目にすることがあります。

「この価格なら手が届く」

心が躍る瞬間ですが、ここでひとつ冷静に考えておきたいのが「維持費」です。

車両の購入価格は市場の需給バランスによって大きく下がりますが、その車を構成するパーツの価格や整備工賃は、あくまで「新車時の車格」に準じるのが一般的です。憧れのプレミアムカーを「手頃な相棒」として迎え入れるために、知っておきたいランニングコストの現実を紐解いていきましょう。

「走りの質」を支えるパーツには、それ相応のコストがかかる

プレミアムクラスの車両が提供する圧倒的な静粛性や走行安定性は、高度なテクノロジーと高品質な消耗品によって支えられています。一般的な車両と比較して、とくにコストの差が出やすいポイントを整理してみましょう。

・大径ホイールと専用タイヤのコスト:
迫力ある大径ホイールには、低偏平で高性能なタイヤが装着されていることが多いです。一般的なサイズと比較して1本あたりの単価が数倍になるケースも珍しくありません。また、重い車体を支え、高いグリップ力を発揮させるために、摩耗の進行が比較的早い傾向にあることも考慮しておく必要があります。

・高度な電装系を支える大容量バッテリー:
近年のプレミアムカーは、無数のセンサーや電子制御システムを搭載しています。これらを安定して駆動させるためには、アイドリングストップ対応のAGMバッテリーなどの大容量かつ高性能なモデルが必要となります。汎用品が使えないケースが多いだけでなく、交換時に車両側への「レジストレーション」という専用のプログラミング作業が必要になるなど、工賃を含めたコストは高くなる傾向にあります。

・指定油脂類のコスト:
高性能エンジンや高度なトランスミッションの性能を維持するには、メーカーが指定する高精度な純正オイルが求められます。とくに大型車両の場合、一度に必要となるオイルの量そのものが多いため、定期的なメンテナンス費用もそれ相応のボリュームになりがちです。

プロが教える「納車直後の数十万円」を避けるチェック術

プレミアムカーを賢く選ぶプロは、現車確認の際に「外装の傷」よりも「消耗品」を注視します。納車直後の大きな出費を避けるために、以下のポイントを確認することをおすすめします。

タイヤの残溝チェックはもちろんですが、それ以上にブレーキローターの摩耗に注目してください。ヨーロッパのプレミアムカーなどは、パッドと一緒にローターも削りながら制動力を得ています。ローターの縁(ふち)を指でなぞってみて、段差が大きくついている場合は、近いうちにローターとパッドのセットで交換が必要になるサインです。これだけで、部品代と工賃を合わせて10万〜20万円クラスの予算が必要になるケースも考えられます。

こうした消耗品の摩耗具合を確認するのは、販売店との値引き交渉のためではありません。あくまで「購入後の1〜2年以内に、どれくらいの追加予算が必要になるか」を予測し、トータルでの資金計画を立てるための重要な指標なのです。

「数年先」を見据えた、余裕のあるカーライフを

プレミアムクラスの中古車を選ぶことは、決して「背伸び」ではありません。

大切なのは、購入価格にすべての予算を投じず、「維持費のためのバッファ」を常に持っておくことです。

  • タイヤやブレーキの交換時期はいつか
  • 次の車検で必要となる油脂類はどれくらいか

これらを事前にシミュレーションし、計画的にメンテナンスを楽しむ。

そんな余裕こそが、プレミアムカーを本当の意味で乗りこなすための、最大の秘訣といえるかもしれません。まずは、気になる一台の「足回り」と「記録簿」をじっくり眺めることからはじめましょう。


筆者:岡本 修
自動車業界の川上から川下までを網羅するカーライフアドバイザー。輸入車ディーラーの営業職としてキャリアをスタートし、接客の最前線を経験。その後、カーディティーリング会社にて車両美装の技術を習得し、自動車部品メーカーの海外営業としてグローバルな流通機構にも携わる。現在はこれら「販売・施工・製造・輸出入」の多角的な経歴を活かし、中古車買取店のオーナーとして独立。業界の裏表を知り尽くしたプロの視点から、中古車の本質や市場動向、メンテナンスの重要性など、ユーザーに寄り添った信頼性の高い情報発信を行っている。


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