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「深い悩みがある時ほど、ママ友とは話せない」深い孤立の中にある母にどうやって手をさしのべていけるのか【著者インタビュー】

  • 2026.3.24

【漫画】本編を読む

「お母さんと2人でお父さんから逃げてきてん」。小学生の時、複雑な環境で育つ同級生・ナルミと仲良くなったカヨコ。しかしナルミは突然いなくなってしまう。大人になり、民生委員という地域を見守るボランティアとして活動するカヨコの前に、18歳の母親・アカネが現れる。アカネはナルミに瓜二つ。カヨコはアカネにナルミを重ね、民生委員の仕事範囲以上に彼女を助けようと奮闘する――。

自身も民生委員、そして子育て世代に特化した支援を行う主任児童委員として活動するきむらかずよさんが描く『その叫びは聞こえていたのに 消えた母子をめぐる物語』(KADOKAWA)。無縁社会に落ちてしまった母と子どもを描いたセミフィクションエッセイだ。孤立した母親が育児困難に陥り、育児放棄・虐待などの事件を起こしてしまう場合もある。本作はそんなきっかけにもなり得てしまう、子育て中特有の孤独や不安に焦点を当てた一冊。本作について、民生委員として見つめてきた社会から孤立した子育てについて、著者であるきむらさんに話を伺った。

※この記事は虐待に関する内容を含みます。ご了承の上、お読みください。

――子育て広場で働く主人公の同僚が「支援が必要なママほどこういう場所には来ないからね…」と言うシーンがありました。

きむらかずよさん(以下、きむら):これは本作を描くにあたってさまざまな方に取材させていただいたのですが、その中で子育て支援をしている人にお話を伺った時におっしゃっていた言葉です。お母さん側にも取材させていただいたのですが、その方たちも「深い悩みがある時、自分の環境や子どもについて他の方と違う部分があるなと思っている時ほど(子育て広場に行くと)その違いを実感してしまうから連れていけない」と。実際、私も子どもが3人いて病気や特性を持っていたのですが、子育て広場には行けなかったです。

――かなり取材をされたんですね。他にはどんな方に取材されたのですか?

きむら:他区の民生委員さんや主任児童委員さんにもお話を伺いました。赤ちゃん訪問に行かれているベテランの民生委員さん、貧困家庭の多い地域で子ども食堂をされている方、母子支援施設のある学区の児童館の館長先生にも取材の機会をいただきました。その方たちは「すでに深く孤立しているお母さんには、そもそも地域の情報が伝わりづらい側面がある」とおっしゃっていましたね。子育て支援のイベントとかにいらっしゃるお母さんはそういう情報に自らアクセスできる、または誰かに教えてもらえるという意味では「恵まれたお母さんたちが多い」とおっしゃっている方もいました。

――情報にアクセスできていないお母さんが地域と繋がりたいと思った場合は、まずどんなところに行けばいいのでしょうか?

きむら:どの地域の行政にも、必ず子育て支援を行う課があると思うんです。そこには子育て相談の窓口が必ずあると思いますので、まずはそこですね。3歳児健診などの定期的な健診の時にはパンフレットをもらえたりしますし、もちろん直接行って「相談したいんですけど」と言っていただいたら必ず繋いでくださると思います。もっと近場で言えば、一番近くの幼稚園や保育園も子育て支援のために外部のお母さんに向けて相談窓口を設けられているところもあります。小児科にそういった取り組みのパンフレットが置いてあったりもします。子育ての専門の方や施設ではなくても、自分が話しやすいなと思った方なら誰でもいいから「こういうところを探しているんですけど」と話すことで、どこかに繋がることもあります。まずは身近な人に相談してみてもらいたいです。

取材・文=原智香

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