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困っているお母さんに声をかける? かけない? 民生委員も悩む介入の難しさ【著者インタビュー】

  • 2026.3.23

【漫画】本編を読む

「お母さんと2人でお父さんから逃げてきてん」。小学生の時、複雑な環境で育つ同級生・ナルミと仲良くなったカヨコ。しかしナルミは突然いなくなってしまう。大人になり、民生委員という地域を見守るボランティアとして活動するカヨコの前に、18歳の母親・アカネが現れる。アカネはナルミに瓜二つ。カヨコはアカネにナルミを重ね、民生委員の仕事範囲以上に彼女を助けようと奮闘する――。

自身も民生委員、そして子育て世代に特化した支援を行う主任児童委員として活動するきむらかずよさんが描く『その叫びは聞こえていたのに 消えた母子をめぐる物語』(KADOKAWA)。無縁社会に落ちてしまった母と子どもを描いたセミフィクションエッセイだ。孤立した母親が育児困難に陥り、育児放棄・虐待などの事件を起こしてしまう場合もある。本作はそんなきっかけにもなり得てしまう、子育て中特有の孤独や不安に焦点を当てた一冊。本作について、民生委員として見つめてきた社会から孤立した子育てについて、著者であるきむらさんに話を伺った。

――きむらさんが現在、民生委員・主任児童委員として活動される中で、ご自身が子どもの頃より子育てに関する地域の繋がりが減っているなと感じることはありますか?

きむらかずよさん(以下、きむら):ありますね。今はSNSなどでたくさん情報を得られますし、そこでお母さん同士の繋がりもありますよね。その分リアルでの繋がりは減ってきているのかなと感じることが多いです。

――主人公・カヨコが小さい頃は地域の人が小さい子を育てるお母さんを助けてくれる描写がありますが、現代ではそういうシーンはあまり見ないなと感じました。

きむら:確かに、私自身が子育てしている時は地域の親の会のような未就園児を子育てしているお母さんが集まる会が頻繁にあったのですが、最近はそういうものも少なくなっている印象ですね。私は同じ悩みを持つ親が集まる会にすごく助けてもらったのですが、今はSNSで情報を集めて繋がる人が多いというのもあると思います。あとは個人個人を大事にする風潮が強いというのも理由のひとつかなと思います。

――確かに。私は子どもが小学生になったのもあって一番大変な時期は過ぎた気がしていて。ひとりで街を歩いている時に小さい子を連れたお母さんが困っているのを見ると何かしてあげたいなと思うのですが、SNSで「勝手に子どもに触れられたくない」という声を見たりすると声をかけるのもためらう時があります。

きむら:そうですね。どこまで介入していいかというのは民生委員としても悩む部分です。民生委員って、おせっかいおばちゃんみたいなところもありますから(笑)。例えばお母さんがお話しされている間にお子さんがひとりで遊んでいるとして、その子と一緒に遊んでもいいものなのか。お子さんが癇癪を起こして落ち着くのを待っているお母さんにも、お声がけしていいものかと迷う時があります。

取材・文=原智香

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