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「魚が可哀想だろ」と妻に飼っている魚の世話を押し付ける夫。だが、妻の言い分で夫の態度が一変【短編小説】

  • 2026.3.19

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

リビングを占拠する水槽

「リビングを癒やしの空間にしたいんだ」

夫がそう言って巨大な海水魚用の水槽を運び込んだのは、三ヶ月前のことでした。青いライトに照らされた熱帯魚は確かに美しかったのですが、現実は想像以上に過酷です。

水を循環させるモーター音が二十四時間、家中を支配しました。テレビの音は聞こえづらく、寝室にまで重低音が響きます。

あんなに張り切っていた夫は、一ヶ月も経つと水換えやガラスのコケ掃除を面倒くさがるようになりました。

水槽は濁り、緑のコケが視界を遮ります。

部屋中が常に生臭い磯の香りに包まれ、洗濯物まで海辺のような匂いがつく始末。

見かねた私が注意すると、夫はソファで寝転びながら信じられない言葉を吐いたのです。

「そんなに文句があるなら、お前が掃除しろよ。魚が可哀想だろ」

自分の趣味を私に押し付け、あろうことか善人ぶる夫。その無責任さに、私の中で何かが弾けました。

私は静かに、はっきりと告げました。

夫へ放った一言

「本当にそうね。このままこの家で、愛情のない飼い主に放置されるのは一番可哀想だわ。だから、プロの業者さんに引き取りの連絡をしておいたわよ。今日の午後に、水槽ごと全部持っていってもらうから」

夫は跳び起きました。

「えっ、勝手に決めるなよ!高かったんだぞ!」

「あら、お金が大事なの?私は『魚の命』を優先したのよ。あなたが言った通り、可哀想だもの。この家にいたら、死んでしまうものね」

夫は顔を真っ赤にして絶句していました。ようやく、自分がどれほど勝手な言い分で私を動かそうとしていたかに気づいたのでしょう。

「……わかった。今から俺が全部やる。だから、業者には断ってくれ」

夫は慌てて掃除道具を取り出し、必死にコケを落とし始めました。

それ以来、リビングに静寂と清潔さが戻りました。今では、夫が必死に水槽を磨く姿こそが、私にとって一番の「癒やしの光景」となっています。

 

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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