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主演ドラマはクライマックスへ。人生に悩む女子必見!【穂志もえか】が語る「自分のペースで生きる」こと

  • 2026.3.17

ヒロイン・三上洛を演じている連続ドラマ『京都人の密かな愉しみ Rouge-継承-』がいよいよクライマックスへ。 さらに、6月には賀来賢人さんがプロデュースを担ったことでも話題を集めている主演映画『Never After Dark/ネバーアフターダーク』の公開も控え、目が離せない活躍ぶりを見せる穂志もえかさん。作品を通じてのインタビューから見えてきたのは、演じることが楽しくて仕方ない少女が大人になる過程、俳優として成功する過程での葛藤。それは決して”芸能人”だからではなく、誰の人生においても悶々と考えさせられるもの。読み終わると、なんだか自分はこれでいいんだと元気づけられる、そんなインタビューをどうぞ。
 
 
 
──穂志さんが連続ドラマで主演を務めるのはこれが初ですね。決まったときの心境からお聞きしたいです。
 
穂志もえかさん(以下穂志) すごいことだと思いました。監督の源孝志さんとは、『TRUE COLORS』(2025年)という作品で初めてご一緒して、これが2作目です。あの作品に取り組んでいるときに感じていた“人と人のつながり”や、“深いコミュニケーション”が、この『京都人の密かな愉しみ』にまで結びついた。そのことを思うと、ただただ嬉しくて。しかも今回は長く続いてきたシリーズものでの主演です。源さんも思い切ったことをされますよね(笑)。そんな心境でした。
 
──タイトルに「継承」とあるように、このシリーズに携わる人々がつないできたバトンを受け取ることになりました。プレッシャーはありませんでしたか?
 
穂志 もちろんありました。これだけ長い時間をかけてシリーズが続いているというのは、この世界観のファンの方々がいる証。常盤貴子さんをはじめとするキャストのみなさんや源さんを信じて、私はただ一生懸命にお芝居をやっていくしかない。そう思っていました。心から信頼できる方々の中に飛び込んでいけたのは、初主演をやるうえでとても幸福なことだと思います。

──これは穂志さんが演じる洛と、常盤さんが演じる義母の三八子の物語を描きつつ、舞台である京都の奥深い魅力を提示する作品ですよね。手にした脚本にどんな印象を抱いたのかが気になります。
 
穂志 「継承」がテーマになっているので、三八子の生家である老舗和菓子屋だけでなく、継承にまつわるさまざまな問題が描かれています。一口に「継承問題」といっても、本当に複雑なんですよね。血縁を重視するものがあれば、職人としての技術を重視するものもある。そして本作はこの複雑さに、いろんな角度から光を当てています。源さんの脚本の力を感じますね。登場する家業も、それを背負うキャラクターたちも、物語を展開させるために存在するわけじゃない。どのキャラクターにも固有の人生というものを感じるし、すべてが本作に登場するべくして登場している。強度と深みのある脚本だと思いました。
 
──しかも、パリのパートも描かれます。
 
穂志 洛は幼少期からパリで育ってきた設定なのですが、「簡単におっしゃるなあ……」と思いましたよ(笑)。実際にパリで撮影をしたのは一部だけですが、洛はずっとあの街で暮らしてきた人物です。台本にはフランス語のセリフも記してあって、これは大きなプレッシャーでした。私自身、英語を学んできたこともあって、言語習得の難しさは痛いほど分かっています。それに、十分に準備をしてから撮影に臨みたいタイプということもあって、この設定には高いハードルを感じていました。
 
──フランス語はどれくらい練習されたのですか。いち視聴者としてはとてもナチュラルだと感じています。
 
穂志 ネイティブレベルになるには、1ヶ月程度の練習ではもちろん到達できません。なので私にできるのは、このある種のハンデを“言語以外の要素”で埋めていくことでした。たとえば、洛が言葉を口にしているときの表情や仕草。フランス語の先生とか、身近なところにいたパリジェンヌなどから、とにかく盗みました。映像を見て研究もしましたね。
 
──こちらが洛のフランス語に感じたリアリティは、言語そのものだけでなく、総合的な情報によるものだったんですね。
 
穂志 そう言っていただけると、ホッとします。これに関しては、源さんもポジティブな言葉をかけてくださいました。洛として存在しているときの印象は堂々としているし、大丈夫だよって。
 
──洛というキャラクターに対する印象にはどんなものがありましたか。
 
穂志 25歳まで何不自由なく暮らしてきた人物だと聞いたとき、私にできるだろうかと不安になりました。というのも、私自身が何不自由なく暮らせたのって、14歳までなんです。だから彼女との距離を感じてしまったのが正直なところで、大学時代の友人たちのことを思い出しながら、どうにかこの距離を埋めていきました。

──演じるうえで何か手がかりになるものはありましたか?
 
穂志 洛が“内省”をする子だということです。彼女は自身の言動の一つひとつを振り返る習慣を持っていると。これは私も同じで、洛との最大の共通点になると思いました。とはいえ、役者の仕事に必要なものの一番は、やはり想像力だと思っています。自分に近いキャラクターであれ遠いキャラクターであれ、特定の人物像を立ち上げるために想像力を働かせるのは、どの作品のどの役でも同じ。このために準備が必要で、私はできるだけ時間がほしいんです。
 
──撮影に臨むにあたって、穂志さんはどのレベルまで準備をしたいと考えているんでしょう。
 
穂志 役が目にしているものや知っていることは、私も知りたい。それは最低限、押さえておくべきもの。洛でいえば、彼女は哲学に関する知識が豊富で、パリや京都の空気を肌で知っています。彼女と同じようなレベルにまで到達するのには、やっぱりそれ相応の時間がかかる。といっても、良くも悪くも切り上げどきが分からないタイプなんですけどね(苦笑)。本作の場合は、京都という土地で撮影をしていることが演技に大きく影響しました。洛のようにじっくりフィールドワークなんてできなかったけれど、この地で日々を営む人々との交流が、洛というキャラクターに反映されていると思います。
 
──なるほど。穂志さんご自身が感じた、“京都人らしさ”みたいなものってありますか?
 
穂志 京都って、独特な雰囲気がありますよね。普段の私が生活している東京と比べると、時間の流れがゆっくりな気がする。かといって、“のんびり”なわけでもなくて。忙しさを感じないというか、気持ちに余裕があるのかな……。私の感覚的なことなので、言語化するのが難しいです。でも強く感じるのは、自分たちのペースで生きているということ。これはもしかすると、京都文化の伝統や歴史が生活の軸にあるからなのかもしれませんね。

──自分のペースで生きる──。これは穂志さんご自身としてはいかがですか。
 
穂志 私も自分のペースは心がけています。この作品でご一緒させていただくなかで、常盤さんも、銀粉蝶さんも、渡辺謙さんも、自身の持つ哲学や信念を貫いてきた方々なのかなと感じていました。芝居に対するスタンスを守り続け仕事を重ねられてきた結果、現在のみなさんの俳優としての独自性が生まれることにもつながったのかなと。自分のペースで生きることを大切にしようと思っている私にとって大きな希望になりました。間違ってないんだって。
 
──マイペースで続けていこうという穂志さんのスタンスは、何かきっかけがあって生まれたのでしょうか。
 
穂志 20代のころ、とくに後半に差し掛かると、焦りとの戦いなんですよね。ほとんどの役者がそうだと思います。みんな売れるために必死で、スケジュールが埋まっていればいるほど、それはよいこととされている印象があります。でも私はそこまでスケジュールが埋まっていないことばかりで、ずっと苦しかった。と同時に、役者としての忙しさを手にした人々が、健全さを失っていくところも目の当たりにしました。
 
──俳優は心を使う職業だと思いますから。
 
穂志 そうなんですよね。そうしたときに私は、これって何なんだろうと思ったんです。売れるのって、いったい誰のためになんだろうって。すでにお話ししたように、私はもともとしっかり準備をして臨みたいタイプだということもありますし、みんなのようにはなれません。何が正解なのか分からないまま、私は私なりに役者としての活動を続け、20代の後半に差し掛かりました。そこで、『SHOGUN 将軍』に出会ったんです。
 
──現在の穂志さんの活動につながる、大きな転換点ですね。
 
穂志 はい。でも、撮影を終えて日本に帰ってきても、依然として私には仕事がない。そんなことを真田広之さんに相談したときに、彼から返ってきた言葉をいまも大切にしています。私がずっとひとりで抱えてきた違和感は、これからも大事にしていくべきもの。真田さんとの会話を通して、やっとそう思えるようになりました。
 
──そうしたときに、それまでの穂志さん自身を認めてあげられたのでしょうか。
 
穂志 役者は一人ひとり、それぞれに考えを持っています。互いにそう簡単に理解し合えるものではないと、私は思っています。だからこそ、真田さんや謙さんたちと言葉を交わし、ひとりの役者として通じ合えたことが、「このままでいいんだ」という自信になったんです。でも、いまでも気持ちが引っ張られることがありますけどね。

──「忙しくあるべき」という考えに?
 
穂志 ええ。でも基本的に私は、私自身が何に幸せを感じるのかばかり考えています。俳優業という仕事ありきの人生や生活じゃなくて、私個人の生活や人生があって、仕事がある。これがいまの私のスタンスです。焦ることなく、日常の一つひとつを大切にして生きていきたいですね。
 
──そんな日々のなかで、今年は主演映画の『Never After Dark』も公開されます。どんな作品なのでしょう。
 
穂志 ジャンルとしてはホラーなのですが、いわゆる“Jホラー”とはテイストの異なる作品です。デイヴ・ボイル監督のルーツにまつわる要素や、彼の美的感覚がふんだんに盛り込まれています。異国的というか、無国籍的というか。絵作りにしろ、物語の展開にしろ、独特で不思議です。素晴らしいキャストやスタッフ陣とともに作り上げた作品で、いまの時代の観客のみなさんにどう届くのか楽しみです。
 
──出演のオファーがきたのは、フリーで活動をされていたときのことだったそうですね。
 
穂志 プロデューサーでもある賀来賢人さんサイドからお話をいただきました。『SHOGUN 将軍』を観てオファーしてくださったそうです。とても印象に残っているのが、顔合わせのときに「この人たちと仕事がしたい」と心から思えたこと。いまも鮮明に覚えています。でも私は、「私じゃ映画館に人を呼べませんが大丈夫ですか?」って聞いたんです。すると、「穂志さんは何も気にしなくていい。面白い企画と役者とスタッフが揃えば、必ず面白いものを作ることができる。それを証明したいんだ」という力強い言葉をいただきました。大好きなチームのみんなと作った映画です。これがまた役者としての私の、ひとつの転機になる気がしています。

プレミアムドラマ「京都人の密かな愉しみ Rouge-継承-」絶賛放送中
[BSP4K][BS] 毎週日曜 夜10:00~10:45 (全9話)、再放送:[BS] 翌土曜 夜11:30~0:15

映画『Never After Dark/ネバーアフターダーク』 2026年6月4日公開

interview:YUSUKE ORITA, photograph:YUKI KUMAGAI. styling:MIKA NAGASAWA, hair:KEIKO TADA[mod’s hair], make-up:MASAYO TSUDA[mod’s hair]

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