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女優・中江有里が書籍発売イベントで明かした「沼にハマり、応援に通い続けた」阪神タイガースとの4年間

  • 2026.3.15

ヒロインを務めたNHK連続テレビ小説『走らんか!』などで知られる女優の中江有里さんが、読書で学んだ言葉を支えに、阪神タイガースを応援し続けた3年間の日々を綴った書籍『日々、タイガース、時々、本。猛虎精読の記録』(徳間書店)の発売を記念したトークイベントを都内で開催。満員の野球ファンの前で、突如として「沼にハマった」野球観戦の魅力や、2026年シーズンに向けた展望について思いを明かした。

強い阪神のことを書き綴らなければ……

画像1: 筆者撮影
筆者撮影

「イベントの開催を決めた当初は不安もありましたけど、こんなに多くの野球ファンの皆さんに集まっていただけたことが本当に嬉しいです」

満員の観客を前にそう挨拶した中江さんは、「阪神タイガースの野球本のように思われますが、書評でもある」と話す新刊が誕生するまでの日々について語った。

中江さんが『好書好日』(朝日新聞社)で連載をすることになったのは、「自分でも信じられないくらい阪神の沼にハマり」、1年ほどが経った2023年に遡る。

「当初は野球と何ら関係のない、エッセイのような形式を想定していた」そうだが、中江さんを担当した編集者も阪神ファンだったことから、会議は野球の話題で盛り上がりを見せた。

「野球の要素を絡めた本の書評ってどうですか?」

中江さんみずから「阪神観戦記と書評」の組み合わせを提案したそうだが、「とは言っても、当初はどんなものができるのか、自分でも全く想像がつかなかった」という。

何となく「面白そうだ」と感じて、書き進めていくうちに、阪神は圧倒的な強さを見せつけ、1985年以来の日本一を手にした。その戦いを見守りながら、中江さんの阪神愛は日に日に強くなっていった。

当初は『中江有里の「開け! 本の扉。ときどき野球も」』で始められた連載のタイトルは、優勝に向けてひた走るチームの勢いに押されて、書籍化のタイトルは『日々、タイガース、時々、本。猛虎精読の記録』に。

「2023年の阪神は本当に強くて、気付いた時には優勝しているような感覚で、この時の思いを書き綴らないといけないと感じた」と振り返る中江さんの思いを反映したものに変更されたそう。連載終了の危機を乗り越え、3年越しで発売にこぎつけた日々を感慨深げに噛み締めながら、中江さんのトークは進行する。

インドアな私が、まさか野球沼にハマることになろうとは

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筆者撮影

自身のことを「2022年から野球を観るようになり、そこから沼に落ちた新参者です」と謙遜気味に話す中江さんだが、彼女と同世代の阪神ファンにとって忘れることのできない記憶の一つが、球団が初の日本一を成し遂げた1985年の歓喜だろう。

「私が“新参者”だと知らない方にお目にかかると、(初の日本一を手にした)『1985年はどうされていましたか?』と尋ねられるんですけど、実はあまり印象に残っていないんですよ(苦笑)」と本音を明かすと、当時のエピソードについてこう続けた。

「前回の日本一は、私は大阪に住む小学校6年生でした。 多くのファンが道頓堀に飛び込むほど盛り上がりを見せたことは知っていますし、たしかに“社会現象”のような盛り上がりはありましたけど、その時はまだ野球の魅力に気づくことができなくて。阪神の日本一を記念したテレホンカードをたまたまいただける機会があって、貴重なものを手に出来たことに喜んだことを覚えています」

最初の日本一を知らないことへの引け目を感じたり、虎党が歓喜する姿を傍目に見ながら、同じように喜びを分かち合うことができなかったことに、「残念さはある」としつつも、至って前向きな中江さんは、「ずっと“インドア派”で半世紀ほど生きてきた私が、突然阪神タイガースにハマり、日々汗まみれになりながら球場に駆けつけている。このような形で生活そのものがひっくり返る形になろうとは、思いもしませんでした。人生がどのくらい続くかわかりませんが、これからも自分なりの野球の楽しみ方を探し求めていきたいです」と、決意を新たにした。

セ・リーグ3試合を同時に観ることも

画像3: 筆者撮影
筆者撮影

阪神ファン目線で情報発信を続ける中江さんは、2025年からは中京エリアで放送されている『あさドレ♪』(中京テレビ)でドラゴンズ応援コーナー「あさドラ」のコメンテーターを務めていた。

同番組には中日ドラゴンズの話題を紹介する『あさドラ』のコーナーがあり、野球に対する思いを発信する機会も増えたそうだが……。

「番組で野球のコメントを求められるので、昨季は『ドラゴンズのことも勉強しないと…』と思い立ち、バンテリンドームの阪神戦にも足を運んだのですが、昨年はリーグ優勝を手にできたものの、中日に対しては唯一負け越していて(12勝13敗)。試合のない月曜日に出演することが多いので、週末戦の中日に敗れてしまった時は、悶絶するほどの悔しさを一旦落ち着けてから、翌日の番組に向けたさまざまなコメントを考えて、スタジオに向かうようにしていたんです」

「でも、阪神が中日に負けてしまった翌日のゲストで呼ばれた際に、『中江さんのコメントが本当に素晴らしかったので、もっと中日のことをたくさん褒めてください』と番組のスタッフさんに言われまして…(苦笑)。最近は阪神の応援をメインにしつつ、セ・リーグの3試合を同時に見る時間も増えてきています」と、より深い“野球沼”にハマりつつことを明かした。

「忘れられないテルのホームラン」

画像: 今季も阪神やWBCでの活躍が期待される佐藤輝明選手 Getty Images
今季も阪神やWBCでの活躍が期待される佐藤輝明選手 Getty Images

中江さんのハマり具合に、笑い声の絶えない中で進行するイベントの中盤には、「毎試合簡単な日記を書くようにしていた」と話す中江さんに、参加されたファンの方から、昨季の印象に残っているシーンについての質問が……。

すると中江さんは、佐藤輝明選手の本塁打が飛び出すも、抜きつ抜かれつの大接戦の末、延長11回に近本選手の本塁打が飛び出して勝利を収めた対ヤクルト戦(2025年4月17日・神宮球場)を挙げた。

「改めて読み返すと、その時の面白さや感動を思い出すことも多い。(書籍には)『忘れられないテルのホームラン』と書いてあるのに、実際にはそのことしか覚えていなくて。読むたびに記憶が蘇ります」

会場を笑いの渦に包みながら、中江さんは思い出の名シーンを感慨深げに振り返った。

セ・リーグ連覇と日本一奪還を目指す2026年の展望

試合が行われないシーズンオフは、「YouTubeで昔の試合を振り返ったり、観ているだけで勇気がもらえる本塁打の動画を見て過ごしていた」と話す中江さん。その話題は、今年プロ野球界でスタートを切る、ルーキーたちへと及んだ。

競合の末に、ドラフト1位で加入した立石正広選手(創価大→阪神)については、「抽選で取れたのは本当に大きいと思いつつ、入団当初の森下選手もそうだったように、『プレッシャーで不調に陥ったり、本来のパフォーマンスが出せなくなってしまったらどうしよう?』と不安を感じたりしますけど、それでも期待したい」と中江さんはエールを贈ると、「立石選手が取れなかったら、1位で指名されるのではないかと思っていた」と高評価の谷端将伍選手(日本大)や、3位の岡城快生選手(筑波大)らの名前を挙げて、縦縞のユニフォームでの活躍に期待を寄せた。

みんなに活躍のチャンスがある。それだけで嬉しい

画像4: 筆者撮影
筆者撮影

熱の籠ったトークで会場を盛り上げる中江さんは、坂本誠志郎選手、佐藤輝明選手、森下翔太選手の3名が代表に選出(石井大智投手は負傷により代表を辞退)され、3月5日に幕を開けたWBCについても言及。

「現地で観戦することは叶いませんが、3月に行われる練習試合や本戦の日程は、しっかりスケジュールに書き込んでいて、リアルタイムで声援を送るつもりです」と気合十分の中江さんは、「代表に選ばれる嬉しさはありつつ、怪我や不調に陥ることが心配」と、ファンらしい親心も覗かせた。

そして、トークショーの終盤には2026年の戦力分析の話題に。

「島本浩也投手をトレードに出してしまった不安はありつつも、捕手陣に伏見寅威選手が加わって、オリックス時代にバッテリーを組んだ『西勇輝投手を復活に導いてくれるかもしれない』という期待感や、『もし、(WBCに選出の)坂本選手が出遅れてしまった場合は、チームの穴を埋めてくれるのかも?』という思いもありますし、坂本選手の活躍や梅ちゃん(梅野隆太郎選手)の奮起にも期待したいところもある。皆さんに活躍のチャンスがあることが、私は本当に嬉しいんですよ」

今年は書籍を出版したおかげで、自身の心の叫びを聞いてもらえたり、たくさんの方と野球の話が出来たりして、充実していると話す中江さん。その熱すぎる思いは2026年シーズンもとどまることがなさそうだ。

取材:JUN.S

画像: みんなに活躍のチャンスがある。それだけで嬉しい

日々、タイガース、時々、本。 猛虎精読の記録

著:中江有里 出版:徳間書店
出版年月日:2025/11/25 ISBN:9784198661298
判型・ページ数:四六・224ページ
定価 :1,870円(税込)

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