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「資格の勉強で256万円」「退職日をズラすと手取り20万円増」届け出や工夫をするだけでもらえるお金大全【書評】

  • 2026.3.9
東大卒のファイナンシャル・プランナーが教える 届け出だけでもらえるお金大全 服部貞昭/自由国民社
東大卒のファイナンシャル・プランナーが教える 届け出だけでもらえるお金大全 服部貞昭/自由国民社

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世界でもトップクラスの社会保障制度が整えられた日本には、お金をもらえる制度がたくさんある。だが、その恩恵を受けるには、自分で届け出をすることが必要だ。申請するだけでお金がもらえるなら利用しない手はない。にもかかわらず、多くの人が制度の存在を知らないまま、せっかくもらえるはずのお金を受け取り損ねている。

そんな得する制度を知りたいならば、手にするべきは『東大卒のファイナンシャル・プランナーが教える 届け出だけでもらえるお金大全』(服部貞昭/自由国民社)。登録者10万人突破のYouTubeチャンネル「お金のSOS」を書籍化したこの本では、人生の場面ごとに、届け出や工夫だけでお金がもらえる制度をわかりやすくまとめている。細かな条件は必要最低限にとどめ、誰がいくらもらえるのか、どこへ届け出ればよいかを明確に示してくれるから、制度の全体像をつかみやすい。そんな本書の中から、特に気になる「お金の制度」をご紹介しよう。

最大約500万円の家賃補助

今、多くの人の家計を圧迫しているのは住まいの費用かもしれない。物価高騰やインバウンドの影響で不動産価格が上昇し、賃貸家賃も緩やかに上がっている。こうした背景から、都市部の一部自治体では賃貸居住者を支援する制度が整備されており、特に、新婚・子育て世帯向けが手厚いようだ。たとえば千代田区の「次世代育成住宅助成」は、最大月8万円を最長8年間支給し、最大合計約500万円を支援する制度。対象は①親が近くに住んでいる世帯と、②区内で転居する世帯。所得要件は世帯人数ごとに定められているが、4人世帯で年収約1,300万円程度まで該当し得る水準だというから見逃せない。

まずは自分の自治体で同様の制度がないか確認してみると、大きな発見があるかもしれない。

学び直しは「出費」だけじゃない。最大256万円の給付

働きながらスキルアップや資格取得を目指したいが、「お金」を理由に諦める人もいるのでは。諦める前に使いたいのが、「教育訓練給付制度」。厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練講座を受講し、ハローワークに届け出を出せば、受講費用の一部が支給されるという制度だ。対象講座は約17,000(2025年11月時点)と幅広く、英会話などのオンライン講座や土日講座も含まれるため、就業と両立しやすい。主な対象は、雇用保険に1年以上加入している人で、パート、アルバイト、派遣労働者も含まれ、失業中でも退職から1年以内であれば対象となる場合があるという。

制度はレベルに応じて3種類に区分され、TOEIC、ITパスポート、簿記検定など一般的な資格を目指すなら「一般教育訓練」で最大10万円の給付がある。さらに、MBAや、看護師、調理師、美容師など、スクールに通って資格取得を目指す「専門実践教育訓練」の場合は、年間で最大64万円、最長4年コースなら最大256万円の給付を受けられる。こんなに手厚い支援があったとは知らなかった。学びたい気持ちがある人たちの背中を押すような制度といえるだろう。

退職日はたった1日で変わる。手取り20万円アップの可能性

仕事を辞める時に会社からもらえる退職金。退職金には「退職所得控除」という大きな非課税枠があるのをご存じだろうか。退職日の工夫次第では、手取りが20万円もアップする可能性があることは知っておきたい。

この退職所得控除額は勤続年数によって異なる。

ここでポイントになるのは、勤続年数の端数は切り上げるということ。勤続年数がちょうど29年の人と、29年+1日で30年とみなされた人とでは、退職所得控除額が70万円も違ってくる。税金が減ることで手取り額が「最大20万円増」となる可能性もあるのだ。退職日が1日変わるだけでこんなにも手取り額が変わるのだから、辞める前に日付と勤続年数を一度確認しておく価値は大きい。

「お金」の不安を解消するために

ページをめくるたびに「こんな制度があるのか」と、驚かされる。もちろん制度には細かな条件があるため、実際の適用は自治体や公的機関の案内で確認する必要はある。だが、それでも、まず存在を知り、届け出先の当たりをつけるだけで、受け取れる支援にぐっと近づける。本書は、いつかのために備える一冊。あなたも、未来の自分のためにお金の制度を学んでみては。

文=アサトーミナミ

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