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フランス宮廷料理のエレガンスを伝える、パリの最新三つ星「ル・ガブリエル」

  • 2026.3.4
Hearst Owned

連載第12回で紹介するのが、美食の都・パリにとって最も新しく、2024年にミシュラン三つ星に輝いた「ル・ガブリエル」。開業直後からフランス最高峰のホテルとしての格付け「パラス」を獲得した「ラ・レゼルヴ・パリ ホテル&スパ」のメインダイニングです。

エレガントな建物は、1854年にナポレオン3世の異父弟、シャルル・ド・モルニー公爵と家族のために建てられたもので、その後、デザイナーのピエール・カルダン氏の邸宅として使われていた時期もあったそう。2015年のホテルの開業に合わせ、あのジャック・ガルシア氏が改装を手がけ、赤を基調としたエレガントな内装になっています。

伝説のシェフたちの美意識と職人技を継承するシェフ

厨房の指揮を取るのは、ジェローム・バンクテルシェフ。ベルナール・パコー氏の「ランブロワジー」で10年、アラン・サンドランス氏の元では8年働き料理長を務めるなど、まさに伝説のシェフたちの美意識と職人技を継承するシェフです。

Julie Limont

フランス北部のブルターニュ出身のバンクテルシェフが、「ル・ガブリエル」で表現するのは、自身のルーツ。ブルターニュの有名な郷土料理といえば、寒冷地でもよく育つ蕎麦を使った「ガレット」であることから、自家製のパン・ド・カンパーニュに蕎麦粉を練り込んだり、ブルターニュ特産の巨大なオマール海老を、季節に合わせた食材と共に提供したりと、故郷の味を表現しています。

Julie Limont

また、海外の食文化にも興味を持ち、例えば日本ならオマール海老の火入れに備長炭を使ったり、鴨肉は塩と蜂蜜、日本酒でマリネしてから焼き上げたり、メキシコのタコス作りのためのテクニックである石灰処理の手法で人参などの野菜をもっちりと仕上げた料理など、新たな挑戦をしながら伝統を革新しています。

「美食を後世に伝える」バンクテルシェフの使命

「王家の野うさぎ(リエーブル・ア・ラ・ロワイヤル)」 Photo:Le Gabriel

そして、得意とするのはクラシックなソース。フランス料理の真髄であるソースを大切にした料理の一つが、秋冬のジビエ料理。「ル・ガブリエル」では、ジビエシーズンにはジビエだけで構成した「狩猟肉コース」もあり、天然物のためにそれぞれの個体の特徴もきっちりと理解して生み出される料理は、まさに季節の味としてフランスの美食家たちに愛されています。

宮廷文化を継承する、国王が愛した至高のジビエ

中でも、フランスのシェフ達がこぞってその腕を競う贅沢な料理が、「太陽王」という別名も持つ、ルイ14世のために作られた料理「王家の野うさぎ(リエーブル・ア・ラ・ロワイヤル)」。バンクテルシェフは、フランスで行われるこの料理の世界コンテストでは審査員を務めるなど、フランスの宮廷文化を受け継いだフランスの美食を後世に伝えることにも力を注いでいます。

■Author's eye

フレンチエレガンスを感じるホテルステイも是非
部屋に用意されていたウェルカムギフトの一部 Photo:Kyoko Nakayama

「そして、バンクテルシェフの世界観を満喫するなら、おすすめはこの「ラ・レゼルヴ」にステイすること。朝食や部屋に届くお菓子などもバンクテルシェフの監修で、小さなスイーツの一つひとつの完成度も抜群。朝食は通常はバーとして使われる館内の「ラ・パゴッド・ドゥ・コス(La Pagode de Cos)」のほか、雰囲気抜群のライブラリーなど、古き良きフランスのエレガンスが感じられる場所で自由にいただくことができ、毎朝場所を変えて楽しみたくなります。

Photo:Le Gabriel

筆者はステイした際に、コンシェルジュから事前に「どのような花がお好きですか?」という質問をいただき、驚きました。到着すると、希望した色の花が飾ってありました。そんな温かくきめ細やかなもてなしも、由緒正しい歴史を持ち「パラス」の認証を受けた、このホテルならではと言えるでしょう」

■Le Gabriel

42 avenue Gabriel, 75008 Paris

【Profile】仲山今日子- KYOKO NAKAYAMA-

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ニュースキャスターとして日本のテレビ局で15年以上勤務した後、シンガポールのテレビ局に転職。並行してシンガポール国営ラジオ局で、DJとして食とアートの番組を担当。『THE BUSINESS TIMES』『TATLER』『日本経済新聞』など、国内外の新聞、雑誌で執筆を行う。『WORLD RESTAURANT AWARDS』では、シンガポール代表の審査員を務める。その他、実名・匿名で国内外の多くのレストランの審査を行う。リシェスにて「至福の食体験」連載中。

※この記事は2026年3月4日時点のものです。

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