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「モダンベーカリー」って? コペンハーゲンの新世代パン屋が後継者不足を救う!

  • 2026.3.3

初めてコペンハーゲンを訪れる人を感動させる、パンのおいしさ。ただ、これまでと異なるのが、外国人による通称「モダンベーカリー」の出現。デニッシュペストリーやサワードゥブレッドなど、伝統的なデンマークのパンを再解釈し新たな旋風を巻き起こした。

現地のベーカリーシーンを牽引する3店舗と、その裏でコペンハーゲンの伝統的パン屋が抱えてきた問題へのアプローチについて紹介する。

世界一のレストランからやってきたカルダモンの先駆者。

「ジュノといえば、カルダモン•バン」とコペンっ子が一押しするペストリー。36DKK(約886円)。photography: Courtesy of Juno the bakery

たとえば、住宅街の一角にある、「ジュノ・ザべーカリー(Juno The Bakery)」は、世界一のレストラン「ノーマ(noma)」で6年間キャリアを磨いたスウェーデン人シェフ、エミール・グレイザーとパートナーが、2017年にオープンした。デンマークではなじみのなかった、「カルダモン・パン」や「セムラ」を紹介した立役者。

デンマークの国民的パンであるロブロ(日本でいうライブレッド)や、朝食用のバンズも評判を呼び、いまやローカルにすっかりなじむ存在に。市内のデパートでもクッキー缶を購入することはできるが、パンを手に入れられるのはこの店舗のみだ。地元の人はもちろん、郊外からも足を運ぶデンマーク人が後を絶たない。なかでも1月〜2月のセムラシーズンには、長い行列ができるほどの人気を誇る。

ジュノ・ザべーカリーJuno the bakery@juno_the_bakery

11店舗に急成長、ローカルにも愛されるベーカリー。

気泡がほどよく入って食欲をそそる、ハートのシティローフ。59DKK(約1,450円)。

また、元サンフランシスコの「タルティーン」のシェフで、イギリス人のリチャード・ハートが率いる「ハート・ベアリ(Hart Bageri)」。

ノーマのオーナー、レネ・レゼピから招かれ、店で出すパンを焼いていたが2018年に独立。自身の店をオープンすると、ここでもノーマのパンが味わえると評判になり、現在では市内に11店舗を構える人気店に成長した。

市内中心部の観光スポット、マーブル教会前の店舗。メトロのそばという好立地で、いつも観光客で賑わっている。

ハート・ベアリHart Bageri@hartbageri

イタリアの風が流れる、新世代ベーカリー。

酸味が効いた卵サンド75DKK(約1,660円)、シナモンロール35DKK(約860円)、デニッシュの定番「スパンダワー」をクレーム•ブリュレ風味にアレンジ。40DKK(約990円)。

プレッツェルを形どった、伝統的なパン屋のシンボルを前オーナーから引き継いだ、リヴィエラの入り口。

そして、2024年オープンの「リヴィエラ(Riviera)」。デザインスタジオ「フラマ(Frama)」内の人気カフェ、「アポテック57 (Apotek 57)」のイタリア人シェフ兼パン職人のキアラ・バルラが手掛ける。オリーブオイル、レモンなど、キアラの故郷のイタリアのリヴィエラを思い出させる食材をサワードゥブレッドやケーキに組み合わせている。

リヴィエラRiviera@riviera_cph

このようにコペンハーゲンに国際的な才能が集まる反面、伝統的なパン屋は後継者不足に悩んできた。「朝は早いし、労働時間が長いわりには、利益が少ない」という働き方を見て、パン職人の子どもたちはほかの職業を選ぶ傾向にあるからだ。

地域住民になじんでいるパン屋なら、店舗をそのまま引き継げば外国人でも参入しやすい。これまで地元で愛されていた場所であれば顧客開拓に苦労しないという面もある。

そして、こうした外国勢の活躍が刺激となったのか、最近は若手デンマーク人が運営する店も復活。コペンハーゲンのパン屋巡りがますます盛り上がりそうだ。

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