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「夜逃げとは亡命」父親からのDVで5回の骨折!DV被害を乗り越えたカウンセラーの言葉が胸に刺さる【作者に聞く】

  • 2026.2.27
各家庭ごとに価値観が違う状況を「国家」に例え、そこから逃げることは「亡命」のようなものだと言うカウンセラー。 画像提供:宮野シンイチさん
各家庭ごとに価値観が違う状況を「国家」に例え、そこから逃げることは「亡命」のようなものだと言うカウンセラー。 画像提供:宮野シンイチさん

宮野シンイチ(@Chameleon_0219)さんが描く「夜逃げ屋日記」は、DV被害などに苦しむ依頼者を夜逃げで救ってきた実話をもとにした人気シリーズである。今回はTwitterで公開されている第18話を紹介するとともに、作者本人に“夜逃げ”という存在について話を聞いた。

別世界だと思っていた現実と向き合った

01 画像提供:宮野シンイチさん
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02 画像提供:宮野シンイチさん
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03 画像提供:宮野シンイチさん
03 画像提供:宮野シンイチさん

公園でコーヒーを飲みながら語り合う宮野とカウンセラーのジョーさん。漫画家という仕事に敬意を示すジョーさんから「夜逃げ屋で何か感じたことはありますか?」と問われ、宮野は言葉に詰まる。DVとは無縁の家庭で育った彼にとって、虐待のニュースはどこか遠い世界の出来事だった。

しかし夜逃げ屋の現場では、別世界にいる悪魔のような人間によって傷ついた人たちと実際に向き合うことになったという。「ちょっと取材しただけのワシが、これをちゃんと漫画にできるのか…考え出したら不安で眠れなくなることもあるんです」と、戸惑いと葛藤をにじませた。

「夜逃げとは亡命」衝撃的だったカウンセラーの言葉

宮野が「夜逃げって一体なんなんですかね…」とこぼすと、ジョーさんは自身の過去を語り始める。「私、生まれつき病気で左膝が悪いんですよ」。幼いころ、父親に何度も膝を蹴られ、人生で5回も骨折した経験があるという。父から逃げ出すまでの数十年、折れた足よりも父の機嫌を優先することが“当たり前”だったと語る姿は重い現実を突きつける。

そして「家って国みたいだなって思うんです」と続け、「家を国と考えるなら、夜逃げとは亡命。私はそう考えます」と言い切った。その言葉は宮野にとって、まさに目から鱗の発想だった。

宗教、家族、そして複雑な感情に触れる物語

今回の依頼者・井上さんの話題では、宗教を優先する母親への葛藤が描かれる。「宗教って複雑ですね。話聞いてると、子供のことより宗教が優先って感じじゃないですか」と語り、宮野は井上さんに同情を寄せる。

ジョーさんは、かつて似た境遇の男性をカウンセリングした経験を明かし、思春期に抱いた複雑な感情について語り始める。「もしかしたらあなたの漫画に役立つかもしれません」——。その言葉が、読者に次の展開を予感させる。

言葉にできなかった“夜逃げ”という存在

インタビューでは「夜逃げとは亡命」という表現についても触れられた。宮野は「当時は『夜逃げとは何か?』と問われても、うまく答えられない状態でした。うまく説明できない何かを感じてはいるけれど、それを言語化できないと言う感じです」と振り返る。取材と出会いを重ねる中で、夜逃げが単なる逃避ではなく、生き延びるための選択であることを実感していったようだ。

現実の体験をもとに描かれる「夜逃げ屋日記」は、過酷な背景を持ちながらも人の再出発を見つめる物語である。次回、ジョーさんが語る男性の過去がどのように描かれるのか、続きにも注目したい。

取材協力:宮野シンイチ(@Chameleon_0219)

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