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「親ガチャ」でハズレを引いた私が、毒親から自分の人生を取り戻すために踏み出したきっかけ【漫画の作者に聞く】

  • 2026.2.26
(C)みちか、リアコミ、kanata
(C)みちか、リアコミ、kanata

子どもの人生を支配し、過干渉や暴言などで心身に害を与える親は「毒親」と呼ばれている。ヒステリックな母親と、その様子を見て見ぬふりをする父親の元で育ったみちかさんの子ども時代は、まさに壮絶なものだった。そんな彼女の半生を描いたコミックエッセイ『さよなら大嫌いなお母さん 毒親からの解放』は、毒親の支配から抜け出し、自分らしい人生を取り戻すまでの物語だ。

子どもは親を選べない。ヒステリックな母に虐げられ支配される日々

みちかさんは、幼いころからヒステリックな母親の機嫌を伺いながら生活してきた。成績優秀な兄と比べられ、交友関係から進路、着る服にいたるまで管理され、母親の意に沿わない行動をすれば暴言を浴びせられる日々。一方、単身赴任が多かった父親は家庭の問題に関わることはなく、助けを求めても応じてくれることはなかった。それでも母親に愛されたい一心で、みちかさんは母親の期待に応え続けてきた。

やがて高校生になった彼女は、兄が大学進学で上京することを機に、母親との暮らしに限界を感じ始め、自身も家を出る決意をする――。

(C)みちか、リアコミ、kanata
(C)みちか、リアコミ、kanata

作者インタビュー

幼いころから母親との関係に苦しんできたみちかさん。どうやって親からの呪縛を解き放ち、自分自身の人生を歩み始めることができたのか、当時を振り返りながら話してもらった。当事者だからこそ語る内容には、親子関係に悩む人々にとって貴重なヒントやアドバイスが詰まっている。

――まず、ご両親を「毒親」だと認識されたきっかけを教えてください。

一番大きなきっかけは、中学時代に友達の家に遊びに行った時の出来事です。自分の母親に軽口を叩いたり、友達のように会話をしたりする姿に衝撃と違和感を覚え、その後自分の家庭の歪さに気づき始めました。それまでは、母が怒るのは「私が悪いから」だと本気で信じ込んでいましたが、家が「世界のすべて」だった私にとって、外の世界の「普通の親子」の光景が、洗脳を解く最初の一歩になりました。

――自由がない家庭環境や、お母様との壮絶なエピソードに胸が痛みました。そのようなつらい時期をどのように乗り越えられたのか、具体的な方法や考え方をお聞かせください。

当時は「乗り越える」というより、ただ「やり過ごす」ことに必死でした。 具体的な方法といえるものはほとんどなくて、とにかく自分の心を殺して、母の期待する「いい子」を演じることで、その場を保っていました。そんな中で、私を支えてくれていた存在は、間違いなく愛犬のミルクです。家の中で唯一、私に寄り添ってくれていました。もうひとつは、学校にいる時間です。家を離れている間は「親と過ごす空間だけが自分の世界じゃない」と思える、数少ない時間だったように思います。

――家を出るという行動に踏み切れた原動力やきっかけについて教えてください。

きっかけになったのは、皮肉にも母が放った「兄が家を出たのはみちかのせいだ」という理不尽な言葉でした。その瞬間、プツンと何かが切れたんです。「あ、私は何をしても、どれだけ頑張っても、この人に一生責められ続けるんだ」と。それと同時に「嫌ならこの家を出ればいいのか」という当たり前のことにようやく気づけたんです。家を出ること、逃げることは「裏切り」ではなく、自分の命を守るための「正当防衛」なんだと自分に言い聞かせ、トイレで必死に父へメールを打ちました。

――「毒親」から自分の人生を取り戻すために最も重要なことは何だとお考えですか?

「物理的にも精神的にも距離を置くこと」、そして「それを決めた自分を許してあげること」だと思います。毒親育ちは離れたあとも、お母さんやお父さんを「1人にして可哀想だったかな」という罪悪感に襲われがちです。でも、その罪悪感こそが、親が植え付けた呪いなんです。それができて、ようやく自分の人生を取り戻せるんだと思います。

――最後に、親子関係に悩んでいる方々へメッセージをお願いします。

今、親子の関係に苦しんで暗闇の中にいるあなたへ。あなたは決して「出来損ない」でも「親不孝」でもありません。そして、親の機嫌を取るために、生まれてきた存在ではありません。たとえ、親との関係に恵まれなかったとしても、これからの人生をどう生きるかは、あなたが決めていいんです。外の世界には、ありのままのあなたを受け入れてくれる人や、安心できる居場所が、きっとあります。今すぐ状況を変えられなくても、「いつかここを出る」「自分の人生を生きる」という希望だけは捨てないでください。あなたが少しずつでも、穏やかな気持ちで過ごせる日が来ることを、心から願っています。

(C)みちか、リアコミ、kanata
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取材協力:リアコミ

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