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満たされないから、音楽を作り続ける。活動20周年を迎えた作曲家・澤野弘之がエッセイを初執筆

  • 2026.2.23
澤野弘之

本を出すときに一番考えたのは、夢に向かおうとしている若い人たちが、少しでも前向きに考えてくれたらいいなということ。20年を振り返って、一つ一つに対して、良い結果みたいなものはあるんですけど、まだまだだっていう思いでずっとやってきました。

人生の山場だとか、それこそサビに来たぞ、なんて思ったことは一度もない。サビがないまま人生終わりそうです(笑)。結局、悔しいからずっと続けてこられた。少し満足するとやめてしまうタイプの僕が続けられているのは、まだ行きたい場所に辿り着けていないからです。

大した作曲家ではないですが、音楽に興味を持ってくれた人が勇気づけられるような本になればと思っています。ただ、僕もアマチュアの頃、プロになった人の考えは成功者の言葉のように見えてしまって、あまり響かなかった。

でも、自分自身はまだ成功しているとは思っていないし、葛藤していることも、弱いところもある。昔悩んでいた頃の自分に読んでほしいという気持ちも込めたので、これを読んで、こいつにもこういうところがあるなら、自分たちが悩んでいるのも、人生の断片なのかもしれないなって思ってくれたらいいです。

Information

『錯覚の音』

『錯覚の音』

作曲家活動20周年を迎えた作曲家・澤野弘之による初のエッセイ。ピアノを始めた幼少期から、プロになるまでの第1章~第2章、プロになってからの第3章以降はインタビュー形式で記録する2部構成。扶桑社/1,870円。

profile

澤野弘之(作曲家)

さわの・ひろゆき/1980年東京都生まれ。ドラマ、アニメ、映画など、映像の音楽活動や、アーティストへの楽曲提供・編曲、ボーカル楽曲に重点を置いたプロジェクトなど、幅広く活動している。

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