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かけおち・青木マッチョのエッセイ連載「青木マッチョの三十年史」【第8回】「パンクロックに救われすぎた」

  • 2026.2.22

>>「中学時代①」はこちら

高校に上がったばかりの自分は、特にロードオブメジャーと9mm Parabellum Bullet(このバンド名を言う時しか使わない英単語ですが、やはり覚えてるもんですね)にハマっていました。

ロードオブメジャーは、自分の家庭がめちゃくちゃ野球一家(自分以外)で、家族集まったらアニメの「メジャー」を必ずと言っていいほどテレビで見ていたり、漫画も全巻家にあったり、時にはお父さんが「俺のことはおとさん(メジャー内で主人公がお父さんを呼ぶ時の呼び方)と呼べ」と言い出すぐらい家族でハマっていました。今でも最後のはどうかと思います。

そんなアニメ「メジャー」が家で常に流れているということは、主題歌が聞こえてくるんですよ。

その中でもロードオブメジャーの曲は特に印象に残っていて、家族はみんな主題歌であった「心絵」「PLAY THE GAME」「さらば碧き面影」だけ聴いていたんですが、自分はYouTubeで他の曲も聴いてみようと思い聴くとそれがどれもよくて。

「大切なもの」も聴いたことがあったけどロードオブメジャー(以下、ROMとします)では、特に「君がため」「雑走」「偶然という名の必然」が好きでした。

しかも調べていくと、バンドがテレビ番組の企画(ハマラジャ)で結成されたと聞いて、DVDを借りて見てみたりもしました。もちろんROMの曲もたくさんドラムで叩きましたし、「大切なもの」を叩くためにカウベルを買ったりもしました。

最近出させてもらった番組の担当をしていたディレクターの方が「ハマラジャ」もやっていたと聞いて、ここ最近で一番興奮しました。

その次に大好きになったバンドは9mm Parabellum Bulletです。

この出会いもYouTubeだったんですけど、急に「Black Market Blues」が出てきたんですよ。

曲もめちゃくちゃカッコよかったんですが、当時ドラムをやっていたかみじょうさんのドラムの叩き方が見たことないようなパワフルな叩き方で、生まれて初めて「この人のドラムの叩き方カッコいい!」と思ったんです。YouTubeとかで見てみてください、本当カッコよくてドラム始めちゃいますからみんな。

もちろん9mmの曲もたくさんドラムやって、9mmは唯一PVとかライブの映像を見て、かみじょうさんの叩き方も頑張って真似して練習していましたし、ツーバス(両足でバスドラムを叩くこと。むずい)を練習するきっかけでもありました。

ちなみにかみじょうさんの叩き方を真似しましたが、どうしても本人のようにいかず、自分の中の結論は「自分は腕が長すぎる」ということになりました。でっかいドラムを作ればかみじょうさんみたいなドラミングができるかもしれません。できません。

高校の授業中によく、いや本当に毎授業のように教科書にかみじょうさんのドラムセットを書いたりしていました。好きすぎるし暇すぎるだろ。

しかし、ライブに行くことができずにかみじょうさんが脱退してしまったのが一生の後悔なので、皆さんも推しは推せるうちに推してください。

そして、高校時代に自分の音楽の趣味を大きく変えた人物がいます。

「ジョージ」です。

この連載の第6回に出てくる高校時代の友達(自分が思ってただけかもしれませんが)のジョージが、自分に今まで出会ったことのないジャンルの音楽を教えてくれました。

今じゃベタとも取られそうな銀杏BOYZ、ガガガSPなどのパンクロックから、エレファントカシマシ、岡崎体育、サカナクションまでを教えてもらって、特に「パンクロック」と呼ばれるジャンルのものに心酔していきました。

今までは曲のメロディとか、メンバーを好きになる傾向にあったのですが、完全に歌詞でハマりました。もちろんメロディも大好きなのですが。

この連載を読んでくれている方はわかると思うのですが、学生時代に青春を何もできず、まるでモテてこなかったので、そういった非モテ男子に刺さるような歌詞で歌うバンドがいることすら知らなくて、かなり衝撃でした。

衝撃でしたし、その非モテを正当化してくれたり、むしろカッコよく歌ってくれるもんだから、自分は非モテのままで何も努力せず全て諦めていた部分もあるのかもしれません(こういう他責の精神が非モテにつながっているのかもしれませんね)。

他に教えてもらったり、自分で調べてたどり着いたもので主に高校時代聞いていたのは、モーモールルギャバン、女王蜂、忘れらんねえよ、セックスマシーン‼、四星球、打首獄門同好会、嘘つきバービー、空きっ腹に酒、GOING STEADY、ゆらゆら帝国、「水中、それは苦しい」、THE 抱きしめるズ、ザ50回転ズ、ザ・マスミサイル、くるり、フジファブリック、andymori、ヤバイTシャツ屋さん、八十八ヶ所巡礼、毛皮のマリーズ、フラワーカンパニーズ、ザ・リーサル・ウェポンズ、鶴などなど……(最近までFLOWばかり聴いていたとは思えなさすぎる)。

その中でもセックスマシーン‼と四星球と打首はライブにもよく行ってました。

今になって、その時大好きだったバンドの方からSNSでフォローを返されたり、お会いする機会があったりするとめちゃくちゃ嬉しくて興奮します。

ただ、それらのバンドも余裕で解散していくので(知った時にはすでに解散してることもある)、やはり推しは推せるうちに推したほうがいいし、好きならちゃんとライブ行ったりグッズ買ったりやれることやっていきましょう。沈黙の加害者だけにはなりたくない。嘘ついてもいい、悪口を言ってもいい。でも沈黙の加害者だけにはなるな!

こんなこと言いたくないけど自分に対してもかもです!

他にも自分で見つけ出して知り、めちゃくちゃハマったバンドたちは「いかすバンド天国」という昔の番組に出ていたバンドたちです。

ダラダラYouTubeを眺めていると、急に「たま」というバンドを見つけました。

聴いた瞬間鳥肌立つぐらい衝撃を受けて、バンドを調べたらその番組で見つかった元アマチュアで、そのまま紅白も出たと記載されていたので、めちゃくちゃ気になって番組を調べました。

なかなか出てこず、なんせ自分が生まれる前に放送していた番組ですから、かなり難航したのですがなんとか見つけ出して見たんですけど、めちゃくちゃかっこいいんですよ。

いかすバンド天国という番組は、基本オーディション番組です。

バンドが出てきて曲を披露して、それを有名な音楽家の方たちが評価するみたいな番組で、1回で何組かのバンドが出て1位を決める。1位になれば次の週も出られるというシンプルな構成です。

そこでたまが登場するんですけど、ちょっと他のバンドとは空気が違ってみんなおどおどしてるんですよ。それで司会者も審査員もみんながちょっと舐めてる雰囲気があったんです。

それで演奏が始まった瞬間にみんな絶句しちゃって。圧巻の演奏とメロディで。

そして演奏が終わったらみんな気持ちいいぐらいの手のひら返しで、ベタ褒め。もちろんその回は優勝して、なんと5週連続で優勝し「イカ天キング」という殿堂入りを果たすんですけど……。

めちゃくちゃカッコよくないですか!?!?!?

もう漫画じゃん、自分は「たま」以上にかっこいいデビューをしたバンドを知りませんし、曲も歌詞もサイコーに好きです。

その後芸人になって、先輩の安藤なつさんの紹介でたまのメンバー石川さんと一緒にたこ焼きを食べたり、知久さん、石川さん、滝本さんの演奏に混ぜてもらったりと本当に人生何があるかわかりませんね。

本当に関係ないですけどそれで言うと、先日番組で藤崎マーケットさんの前で自作のラララライ体操をする機会があったのですが、小学生の頃にラララライ体操めちゃくちゃ見てたので感慨深いものがありました(0点をつけられました)。

イカ天で見ていて他に好きになり今でも聴いているバンドでいうと、人間椅子とFLYING KIDSです。

ラヴィットの「水中息止め選手権」という企画で、水中で息を止めている間に脳内でFLYING KIDSの「幸せであるように」が流れていました。そこは「水中、それは苦しい」の曲を聴けよ。

社会人でいうとどこで知ったか忘れましたが、B-DASHもめちゃくちゃハマって聴いていましたし、その中でも大好きな「愛するPOW」のPVが撮影されていた場所に聖地巡礼しに行ったぐらい好きです(深夜に行ったら地元のヤンキーしかいなくて泣いた)。

それで思い出しましたが、自分はその時の気分や状況で、それに合った曲を聴いて自分を慰めたりする癖があります。

一日何もできなかった日は、セクマシの「ドキュメンタリズム」、童貞という現実が急に押し寄せてきたら「童貞ソー・ヤング」、風俗嬢に恋しそうになった時は忘れらんねえよの「ばかばっか」、好きな人と少し話せた日はセクマシの「昨日のつづき」、本当に自分の存在意義がわからなくなってきた時はフラワーカンパニーズの「吐きたくなるほど愛されたい」、めっちゃ疲れて仕事もこの先どうなるかわからない29歳の時に銀杏(クリープハイプ)の「二十九、三十」、急に学生時代のこと思い出してうわああってなった時はゴイステの「青春時代」、マジで普通に鬱っぽい時にホルモンの「鬱くしき人々のうた」、対決企画で負けてマジで悔しすぎる時はガガガの「つなひき帝国」、彼女と別れて未練あるみたいな時は銀杏の「夢で逢えたら」「メス豚」、東北地方に向かう時は銀杏の「東北新幹線はチヒロちゃんを乗せて」を聴くなど。

そんないろんなバンドに助けられながらも青春を過ごし、社会人時代も同じような曲を延々と聴いていたのですが、消防士をやめて上京する際に、聴く音楽がガラッと変わりました。

めっちゃ恥ずかしいんですけど、上京するにあたって「シティポップ」をちゃんと聴くようになりました。シティに行くしと思って。

パンクロックしか聴かない時期は、逆にバンド音楽以外は聴かないという聴かず嫌いみたいなことをしていたので、いい機会だったかもしれません。

何を聴いていたとかはしっかり覚えていませんが、とにかく「シティポップ」で検索して出てきた曲を聴いていました。

覚えているのだとAwesome City Club、YOGEE NEW WAVESあたりをよく聴いていました。あ、藤井風とか星野源にハマって聴いてたのもこの頃だったと思います。実際めちゃカッコよかったですし。

この時は、今まで重視してきた歌詞やキャッチーなメロディというよりは、とにかくローテンションの「エモさ」(エモいという字面を見るのも嫌な人はすみません)、たくさんの音が入り混じりながらも綺麗にまとまっているという「スゴさ」(感覚的すぎてすみません)を重視して聴いていました。

ちなみに上京して一人暮らしがスタートして、知り合いも誰もおらず未来も見えず絶望している時は、部屋を薄暗くして延々とキリンジを聴いていました。

そして今現在は、新たにTOMOOを聴いたり、日によって聴きたい曲が変わるので「これ!」という決まったものはないですが、かなり曲の引き出しが増えたので気分によって聴く音楽は変えています。

音楽を聴くとその曲を聴いていた当時の情景とか思い出がめちゃくちゃ鮮明に思い出されるのってなんなんですかね。下手したら写真を見るよりも記憶が蘇りますので、いい思い出はまだいいですけど、悪い思い出も吐きそうになるぐらい鮮明に思い出すので、嫌なことがあったら音楽聴かない方がいいかもしれませんね。

そんなことになったのも、全部ジョージのせいかもしれません。

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