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井口資仁×播戸竜二×登坂絵莉が明かしたキャリアチェンジへの思い「視野を広げ、能力に気づくことが大切」

  • 2026.2.18

転職サービス「doda」等を運用するパーソルキャリア(株)、同グループの新規事業を担うパーソルイノベーション(株)、そしてスポーツメディア「SPORTS BULL」を運営する(株)運動通信社の3社が、スポーツと人材領域を組み合わせた共同事業の『SPORTS×HUMAN ENGINE』を開始。その第一弾となるスポーツ求人事業の始動が発表された会見には、井口資仁氏、播戸竜二氏、登坂絵莉氏の元アスリート3名が登場し、キャリアに対する思いを語った。

画像: 会見に臨む(左から)若村祐介氏(株式会社運動通信社CEO)、 瀬野尾裕氏(パーソルキャリア株式会社 代表取締役社長 )、大浦征也氏(パーソルイノベーション株式会社代表取締役社長)主催者提供
会見に臨む(左から)若村祐介氏(株式会社運動通信社CEO)、 瀬野尾裕氏(パーソルキャリア株式会社 代表取締役社長 )、大浦征也氏(パーソルイノベーション株式会社代表取締役社長)主催者提供

この度、転職サービス「doda」等を運用するパーソルキャリア(株)、同グループの新規事業を担うパーソルイノベーション(株)、そしてスポーツメディア「SPORTS BULL」を運用する(株)運動通信社の3社が、スポーツと人材領域を組み合わせた共同事業の『SPORTS×HUMAN ENGINE』を開始。新たな人材の流入に伴うスポーツ業界の活性化に期待が寄せられている。

2026年は間も無く幕を開けるミラノ・コルティナ五輪や、6月の北中米W杯を控え、各所で盛り上がりを見せている。それに比例するかのようにスポーツ業界の市場規模も成長の一途を辿り、2021年には約13.7兆円に到達。4年後の2030年には、15兆円にまでその規模が拡大すると予測されている
そう。

参考:日本政策投資銀行(DBJ)調査(日本版SSA)、経済産業省「第二期スポーツ未来開拓会議」

画像: プロジェクトの概要をプレゼンする瀬野尾裕氏 主催者提供
プロジェクトの概要をプレゼンする瀬野尾裕氏 主催者提供

スポーツで得た経験がビジネスの現場で生きる瞬間

画像: (左から)登坂絵莉氏、播戸竜二氏、井口資仁氏は、大浦征也氏とのパネルディスカッションに登壇し、「はたらく」をテーマにさまざまな思いを明かした。主催者提供
(左から)登坂絵莉氏、播戸竜二氏、井口資仁氏は、大浦征也氏とのパネルディスカッションに登壇し、「はたらく」をテーマにさまざまな思いを明かした。主催者提供

『SPORTS×HUMAN ENGINE』プロジェクトの第一弾として、スポーツ求人事業の「dodaSPORTS Powered by SPORTS BULL」の始動が発表された会見には、井口資仁氏(元メジャーリーガー・元千葉ロッテ監督)、播戸竜二氏(元サッカー日本代表)、登坂絵莉氏(リオ五輪・レスリング女子48キロ級金メダリスト)の元アスリート3名が登場し、セカンドキャリアに対する私見を語った。

スポーツで得た経験をどう活かすか?

画像1: 主催者提供
主催者提供

3名を招いてのトークは、3つのテーマで話題が進行。最初は「スポーツで得た経験が、働くことにどう生かされているのか?」についてのエピソードが明かされた。

「野球はチームスポーツですが、個人としても結果を出さなければなりませんから、自身の目標を設定し、個人の成績を伸ばすにはどうすればいいかを考えた経験は、ビジネスにも繋がっているように思います。そして、ロッテで監督をやらせていただいた経験や、この時に中長期的なビジョンを立てながら、100人を超える選手を1つにまとめて、チームを優勝に導くために試行錯誤した日々は、起業することになった現在の生活に、役立っていると思います」(井口)

「僕はサッカーを計7クラブで、21年間に渡りプレーさせていただいて、FWとして得点を奪うために頑張ってきました。僕がFC琉球で契約満了を言い渡され、『サッカーの給料がなくなるから、ここからどうしよう?」と悩んでいる2018年のオフに、大浦さんと知り合いまして。『僕がスポーツで得た経験を何か活かせませんか?』と相談させていただいたところ、現在のエバンジェリストとしての活動をさせていただくようになり、今に至ります。得点を奪うことと、セールスに出向いて仕事を獲得することは、どこか似ている部分があるなと感じていて、『今日も得点を決めたいな』と思いながら、ビジネスに取り組む日々を過ごしています」(播戸)

「野球はチームスポーツですが、個人としても結果を出さなければなりませんから、自身の目標を設定し、個人の成績を伸ばすにはどうすればいいかを考えた経験は、ビジネスにも繋がっているように思います。そして、ロッテで監督をやらせていただいた経験や、この時に中長期的なビジョンを立てながら、100人を超える選手を1つにまとめて、チームを優勝に導くために試行錯誤した日々は、起業することになった現在の生活に、役立っていると思います」(井口)

画像2: 主催者提供
主催者提供

「私は小学校3年生から27歳まで、18年間レスリング選手として歩み続けて、色々な経験を味わいましたし、子育てをしながら競技を続けてきました。子供の頃から、目標に向けて取り組むことを大切にしてきたので、(ビジネスに携わる)立場になっても、日頃から少しでも前に進むようにと心がけられるのは、スポーツを通じてさまざまなことを学べたからなのかなと思っています。私は何をするにも自信がなくて、ネガティブに捉えてしまうところもありますが、常に危機感を持ちながら貪欲に物事に対して取り組めるという点では、悪くないのかなと思いますし、やり切ることにも繋がるのかなと思っています」(登坂)

そして引退試合に本塁打を放った井口氏は、「僕はどちらかというとポジティブに考える方なので、ベンチにいる時から『チャンスで打席が回ってこないかな?』というマインドで打席に立っています。プレーヤーとしては緊張したことはありませんが、監督は自分でプレーできないからこそドキドキする場面の連続で、常に危機感を持ちながら準備を進めていました」と、体験談を明かした。

キャリアの転換機に行っていたことは?

画像3: 主催者提供
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続けて、自身のキャリアの転換期をどのように過ごしていたのかについて話題が及んだ。

「僕は2017年に大宮アルディージャでプレーをしていて、その年にチームがJ2に降格してしまったので、『キャリアを終えようかな』と思っていたところ、FC琉球からオファーをいただいて。最初は、カテゴリが2つ下がる(当時J3)ので、オファーを受けるか悩みましたが、僕がガンバ大阪に入団した時(1998年)、最初は練習生の契約で、給与も少ないところからレギュラーを掴み、日本代表に選ばれるような選手になれたことを思い出して、『最後にチャレンジしよう』という思いで、チームに加わることを決めたんです。沖縄で過ごした1年は、『自分が今後に向けてどうしたいのか』を毎日考えながら過ごしました。色々考えた結果、ゆくゆくはクラブの社長や、チェアマンのような職を任せてもらえるようになりたいなと思うようになり、シーズン終了後に引退を決めました」(播戸)

「私は43歳(2017年)まで現役を続けましたが、最後の年は開幕前に引退することを決めてシーズンに臨みました。この年はチームの成績も非常に悪かった(6位/54勝87敗2分/勝率.383)ので、夏が訪れる前に引退を発表して、若い世代にチャンスを譲るようにしたんです。

自分自身としては、『いずれユニフォームを着て、監督になりたい』と思っていて、一度は海外に勉強に出ようと思っていましたが、引退するタイミングで監督のオファーをいただいて、引退後にいきなり監督を任されることになりました。本当に想像外の状況ではありましたし、全く勝てていないチームを一から作り上げていかなければならない重圧も感じましたが、球団と共に長期にビジョンを立てながら、チームを指揮させてもらいました」(井口)

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「4年に一度行われる五輪が終わったタイミングで、多くの選手が今後のキャリアについて考えると思います。私も同様に、メダルを獲得したリオ五輪(2016年)を終え、東京五輪の代表選考に敗れた際に、真剣にキャリアについて考えるようになりました。当時は、まだ20代だったこともあり、やろうと思えば次の五輪も目指せたのですが、私の場合は結婚して子供が欲しい想いがとても強かったので、まずは女性としてのキャリアを優先し、その後にレスリング選手としてのキャリアを決めようと決断しました。

結果として、現役には復帰しませんでしたが、話し方の学校にも通いながらレスリングを伝える側のお仕事をさせていただいたり、岩渕真奈さん(元女子サッカー日本代表)と一緒に、一般社団法人スマイルコンパスを立ち上げて、スポーツをする機会の少ない特別支援学校や児童養護施設の子どもたちに向けて、スポーツ交流の活動を行っており、こうした取り組みを進める中で、、児童発達支援士の資格を取得して、活動を続けています。そういった意味では、競技が人生の中心にありつつ、児童発達支援士を取得し、、引退後のキャリアが充実するような取り組みも積極的に行ってきたのかなと思います」(登坂)

元アスリートが感じるスポーツ界の課題と可能性

画像: マイクを握る播戸氏は、現役時代に会社を設立してビジネスに触れた経験が、現在の活動に役立っているという。主催者提供
マイクを握る播戸氏は、現役時代に会社を設立してビジネスに触れた経験が、現在の活動に役立っているという。主催者提供

そして、最後は「スポーツ界の課題と可能性」についてもそれぞれの想いが語られた。

「現役のうちから、次の人生に向けての目標を考えていた方が、引退後の再スタートを切りやすいような印象を感じています。女性の場合はライフステージによって環境も変わりますし、選択肢が限られてしまう時期もありますが、スポーツへのさまざまな関わり方があるはずなので、選手として活動しているうちから視野を広げて、『今後の自分自身について考える機会を持てたら良いのかな?』と感じています」(登坂)

「僕は、Jリーグの選手OB会で副会長をやらせていただいているのですが、約6000人のOBの中には、サッカーとは関係のない場所で活躍されている方も多くいらっしゃいます。現役としてプレーしているうちから、引退後のキャリアについて考え、自身の能力を気付かせてあげることが必要かなと思っています」(播戸)

「プロ野球が今後も長く存続していくために、競技の裾野を広げるような活動に携わらせていただいていて、プロ野球選手を育てるために、高校生への指導が大切だと思っています。(現在はプロアマ協定により交流が制限されているが)プロを経験した方々が、若い学生の皆さんに的確な指導ができるようになると、大谷翔平選手に近いような世界を驚かせるような才能を持つ選手が、もっと生まれてくるんじゃないかなと思いますし、独立リーグで夢を追う選手や地域の創生にも繋がるのではないかと感じています」(井口)

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本田圭佑氏との新たな取り組みも

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また昨年12月には、元プロサッカー選手、本田圭佑氏が代表を務めるNow Do(株)、(株)運動通信社、パーソルイノベーション(株)の3社が共同で「SPORTS × HUMAN ENGINE」におけるスポーツウェルネス事業に位置付けられる「CORPORATE LEAGUE(コーポレートリーグ)」の構想を発表。その競技第一弾として、本田圭佑氏が考案した4人制サッカー「4v4」の大会、「CORPORATE LEAGUE 4v4」の始動を発表した。

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本田氏は「AIが想像を超えるスピードで発展していき、人間の余暇が増える可能性がある中で、時代に先駆けて企業の将来あるべき姿を示し、(大会を通じて)ネットワーキングや採用にも繋がることになるだろう」と、大会の意義を熱く語った。

画像: 主催者
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2026年はミラノ・コルティナ五輪やWBC、そして6月に開催を控える北中米W杯など、スポーツが多くの熱狂を巻き起こす1年になるだろう。

これらの盛り上がりは、2021年には約13.7兆円だった市場規模が「2030年には15兆円にまで拡大するだろう」と言われているスポーツ業界の発展にも、大きく寄与することとなるはずだ。

今回、3社によって始められた『SPORTS×HUMAN ENGINE』の取り組みが、上昇気流を描くスポーツ業界にどのようなプラス作用をもたらすのか。その可能性に注目していきたい。

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