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史上最も「泣ける?」新作と噂の体験型展示「いい人すぎるよ展2026&微わかる展」に行ってきた

  • 2026.2.17

会場を歩いていて、何度も思った。「まさお、いい人すぎるだろ」って。誰かの人生を眺めているはずなのに、気づくと自分のことを考えてしまう体験型展示「いい人すぎるよ展2026&微わかる展」に行ってきた。笑いながら見ていたはずが、途中でふっと足が止まり、少しだけ胸の奥が熱くなる。そんな瞬間が、会場のあちこちに用意されていた。

「いい人すぎるよ展」ってどんな展示?

「いい人すぎるよ展」は、日常のなかでつい見過ごされがちな、ささやかな優しさに目を向ける体験型展示として2023年にスタートしたシリーズ。誰かのために取った行動や、空気を読んで選んだ一歩。大きな出来事ではないけれど、「あ、こういう人いるよね」と思わず頷いてしまう瞬間が、展示の中にそっと置かれている。

いい人すぎるよ展2026は、「まさお」という人物を通して「いい人」とは何なのかを考える展示
いい人すぎるよ展2026は、「まさお」という人物を通して「いい人」とは何なのかを考える展示

この展示を手がけているのは、クリエイティブディレクターの明円卓さんが率いる体験クリエイティブチーム「entaku(えんたく)」。日常のなかに転がっている感情や違和感を拾い上げて、気づけば誰かと話したくなる形に仕上げてきたチームだ。これまで同シリーズは計5回開催され、累計来場者数は90万人超え。基本となるのは「写真(イラスト)+ひとこと」というシンプルな構成で、身近な「いい人」のエピソードを軽やかに差し出してきた。

まさおのいい人すぎる人生が壁いっぱいに広がる
まさおのいい人すぎる人生が壁いっぱいに広がる

また、entakuは「そういうことじゃないんだよ展」や、友達がやっているような距離感のカフェ、名前に思わず引っかかるJANAIシリーズなど、ジャンルの違う体験型企画も数多く手がけている。どれも共通しているのは、日常の些細な感情をすくい上げて、楽しめる形に変えているところだ。

 入り口には、これまでのあゆみを紹介するパネルも展示されている
入り口には、これまでのあゆみを紹介するパネルも展示されている

今回の2026年版は、そんなこれまでの積み重ねの先に生まれた展示。「まさお」という1人の人生を軸に据えることで、共感の仕方はそのままに、物語としての厚みが加わっている。

まさおのいい人すぎる人生に、誰もがほっこり「いい人すぎるよ展2026」

「いい人すぎるよ展2026」の中心にいるのは、架空の人物まさお。幼少期から学生時代、社会人、そしておじいちゃんになるまで。その一生が、一つの展示空間のなかで静かにつながっていく。白いカーテンをひらりとめくって中に入ると、空間は1部屋だけ。ギャラリーさながらに、まさおの「いい人すぎる」人生が、誕生から老後までストーリー仕立てでパネル展示されている。1人で訪れれば、ページをめくるように、まさおの人生をじっくり追いかける時間になる。一方で、誰かと一緒なら、「まさお、めっちゃいい人すぎる」と言いながら、気になったところで足を止めては感想で盛り上がる。見方が決められていないからこそ、その日の気分や一緒に来た相手によって、展示の受け取り方も変わっていく。

柱にもパネルが展示されている。ぐるっと時計回りで巡ろう
柱にもパネルが展示されている。ぐるっと時計回りで巡ろう

はじまりは、まだ言葉も十分に話せないころのまさお。本人にとっては特別な意識があるわけではなく、ただ自然に動いているだけ。それでも、その様子は周囲から見ると、母親や身近な人を思っての行動に映っている。少し歩くごとに、学生時代、社会人へと時間が進み、友人や家族、職場の人たちとの関わり方も変わっていくが、結果として誰かを支える行動につながっている点は変わらない。一方で、その積み重ねが評価として描かれる場面はほとんどない。

まさおは、子どものころからいい人
まさおは、子どものころからいい人
幼少期からはじまり、中高生、大学生、社会人と成長しても、まさおは、いい人であり続ける
幼少期からはじまり、中高生、大学生、社会人と成長しても、まさおは、いい人であり続ける

壁沿いを進むにつれて、「いい人でいること」は、特別な決意というより、日々のなかで自然と重なっていくものだと伝わってくる。気遣いはさりげなく、目立つものではないけれど、その一つひとつが、まわりの空気を少しずつ整えている。まさおは、そうした行動を意識せずに積み重ねていく。結婚して子どもが生まれても、年を重ねても、その流れは変わらない。イラストと短い言葉で構成されたパネルは、説明しすぎない。その分、「まさお、なんていいヤツなんだ」と思ったり、「あ、こんな人いる」と頷いたり、「今度、自分もやってみようかな」と気持ちが動いたりする。見る側の反応が、そのまま展示の一部になっていく。

パネルだけでなく、フィギュアも展示されている
パネルだけでなく、フィギュアも展示されている

部屋をぐるっと一周し、気づけば出発点の近くまで戻ってくる。物語の終盤で待っているのが、撮影禁止となるパネルだ。そこで描かれる、まさおの人生の締めくくりは、会場でしか出合えないもの。言葉は多くないのに、ひと通り見終えたあとも、しばらく足が止まる人が多い。最初から最後まで見て、もう一度ここに戻ってきたとき、まさおの人生が一つにつながったように感じられる。

同じチケットで上のフロアの「微わかる展」も楽しめる
同じチケットで上のフロアの「微わかる展」も楽しめる

つい「そうそう」と反応してしまう「微わかる展」

同時開催の「微わかる展」は、「いい人すぎるよ展2026」と同じチケットで楽しめる完全新作の展示。いい人すぎるよ展でまさおの人生を追ったあと、少し視点を変えて、自分自身の感覚に目を向ける時間が用意されている。

「微わかる展」も同時開催!
「微わかる展」も同時開催!

ここに並んでいるのは、「わかる」と言い切るほどでもないし、「わからない」と切り捨てるほどでもない、なんとも言えない感情。誰にも言わなかったような、小さな小さな心の声が、言葉やイラストになって並んでいる。共感できるものもあれば、「それは全然わからない」と首をかしげたくなるものも混ざっていて、その揺れ幅ごと楽しめる構成だ。

壁や柱のあらゆるところに、微妙に共感できることがびっしり書かれている
壁や柱のあらゆるところに、微妙に共感できることがびっしり書かれている

このエリアには決まった順路がなく、気になる展示から自由に見て回るスタイル。壁一面に並ぶ「写真(イラスト)+ひとこと」を眺めながら、「え?そういえば、そうかも」「なんか、わかるわ〜」と、自分の感覚を確かめるように歩いていく。新しい充電器の規格が、ようやく浸透したと思ったら、また別のものが出てくるあの感じ。ウーロン茶なのに、見た目や泡立ちがちょっとお酒っぽく見える瞬間。大げさではないのに、なぜか引っかかる感覚が次々と現れる。

「微わかる?」それとも「微わからない?」どちらかを挙げてみよう
「微わかる?」それとも「微わからない?」どちらかを挙げてみよう
パネルだけでなく、造形物での展示も
パネルだけでなく、造形物での展示も

会場のあちこちに、参加型のコーナーも用意されている。一つは、「微わかる」「微わからない」と書かれた郵便受けにボールを入れて投票する投票所。同じ展示でも、人によって判断が分かれ、その結果がその場で見えるのがおもしろい。自分の感覚が多数派なのか、少数派なのかを知るだけで、つい周りを見渡してしまう。

「微わかる?」か「微わからない?」を投票して、企画に参加しよう
「微わかる?」か「微わからない?」を投票して、企画に参加しよう

さらに、「わかる」「わからない」を札やボタンでその場でジャッジする体験エリアや、自分が思いついた「微あるある」を書いてポストに投函できる投稿スポット(会場の外)もある。何気なく書いた一言が、もしかしたらどこかで使われるかもと思うと、つい手が止まってしまう。

パネルを見て、「微わかる?」「微わからない?」のボタンを押すと…。会場で試してみて
パネルを見て、「微わかる?」「微わからない?」のボタンを押すと…。会場で試してみて
身近にある微わかるを投稿してみよう。自分の微わかるが採用されるかも!?
身近にある微わかるを投稿してみよう。自分の微わかるが採用されるかも!?

1人で見ていると、「あ、これ自分かも」とか、「なんで毎回ここで悩んでるんだろう」と、ちょっとした発見がぽつぽつ出てくる。一方で、誰かと一緒なら、「それはめっちゃわかる」「いや、それはわからん」とツッコミ合いながら見るのも楽しいし、横にいる人と目が合って、フッと笑ってしまう瞬間があるのも、この展示ならでは。その日の気分で考え込んでもいいし、軽く流してもいい。まさおの人生で感動したあとに、気持ちを少しゆるめて楽しめるパートになっている。

ガチャガチャで、まさおの一生を手のひらサイズで楽しもう!

展示の最後にはグッズコーナーが待っている。なかでも目を引くのが、まさおのキーチャームが当たるガチャガチャ。幼少期からおじいちゃんまで、展示で見てきたまさおの姿がそのまま形になっている。おすすめは、クリアファイルやミニタイプの展示パネル。スタッフさんによると日めくりカレンダーも人気なのだそう。

オリジナルグッズは「微わかる展」の入り口で販売されている
オリジナルグッズは「微わかる展」の入り口で販売されている
いい人すぎるよカレンダー(1000円・右)、いい人すぎるよ展パネル(各500円/セット2000円・左)
いい人すぎるよカレンダー(1000円・右)、いい人すぎるよ展パネル(各500円/セット2000円・左)
ガチャガチャ・まさおと一緒キーホルダー(1回500円)
ガチャガチャ・まさおと一緒キーホルダー(1回500円)

「いい人すぎるよ展2026&微わかる展」、近くの会場で体験してみて

展示を見終えて外に出ると、さっき見たまさおの姿が頭のどこかに残っていて、人の動きや何気ないやり取りに、いつもより少し目がいく。誰かのちょっとした行動が、なんだかやさしく見えてくる。「いい人すぎるよ展2026&微わかる展」は、こうしなきゃいけないと教えてくる展示じゃない。見終わったあとに、少しだけ気分がゆるんで、「自分も誰かに優しくしよっかな」と思えたら、それで十分。

今回は西武渋谷店の会場を紹介したが、大阪、名古屋、横浜、埼玉(3月4日〜)でも開催中。近くに会場があったら、ふらっと足を運んでみて!

開催会場・スケジュール

【東京】

期間:2026年1月7日〜3月31日(火)

会場:西武渋谷店 B館3階・4階特設会場

時間:10時〜20時(最終入場19時30分)、最終日のみ〜18時(最終入場 17時30分)

【大阪】

期間:2026年1月10日〜5月30日(土)

会場:谷口悦第二ビル

時間:10時〜20時(最終入場19時30分)、最終日のみ〜18時(最終入場 17時30分)

【名古屋】

期間:2026年1月17日〜3月29日(日)※2月18日は休館

会場:名古屋PARCO 南館10階

時間:10時〜20時(最終入場19時30分)、最終日のみ〜18時(最終入場 17時30分)

【横浜】

期間:2026年1月21日〜4月14日(火)

会場:横浜ワールドポーターズ 6階 特設会場

時間:10時30分〜21時(最終入場20時30分)、最終日のみ〜18時(最終入場 17時30分)

【埼玉】

期間:2026年3月4日(水)〜3月25日(水)

会場:さいたまスーパーアリーナ CA101区画

時間:10時〜20時(最終入場19時30分)、最終日のみ〜18時(最終入場 17時30分)

入場料:平日1800円、土・日・祝日2100円、※12歳以下無料/障害者割引あり

※本展は、1枚の鑑賞券で「いい人すぎるよ展2026」と「微わかる展」の両方を楽しめる。

※会場内(当日券・物販含む)の支払いは完全キャッシュレス制。現金は使用不可。

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取材・文・撮影=北村康行

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