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「いつまでも綺麗でいたいの!」と若作りする母。だが、娘の一言に表情が凍りついた【短編小説】

  • 2026.2.17

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

「おばあちゃん」は絶対NG!美魔女を気取る母

私の母は、還暦を過ぎてもなお「美」への執着が異常なほど強い人です。

クローゼットには20代が着るようなパステルカラーのワンピースが並び、休日の外出時にはつけまつげと明るい茶髪の巻き髪が欠かせません。

一緒に買い物へ行くと、店員さんからの「姉妹みたいですね」というお世辞を真に受けては、上機嫌で散財を繰り返す始末。

そんな母にとって最大の試練となったのが、私の出産。

初孫の誕生を喜ぶ一方で、彼女は一つの絶対的なルールを我が家に敷きました。

「私のことは絶対に『おばあちゃん』と呼ばせないで!名前で呼ばせるのよ!」

年齢を認めたくない一心で、幼い私の娘にも「私は〇〇ちゃんよ」とすり込み教育を続ける母。

私としては「そんな無理をしなくても……」と呆れ気味。

しかし、母の並々ならぬ気迫に押され、そのルールを渋々受け入れていました。

しかし、子供の素直な観察眼を、大人の建前でごまかし続けることは不可能だったのです。

ショッピングモールに響き渡った「真実」

娘が3歳になったある日、三人で大型ショッピングモールへ出かけた時のこと。

子供服売り場で、いつものように母が店員さんに話しかけられていました。

「お母様と……こちらは素敵なお姉様ですね!」

お決まりのお世辞に、顔をほころばせる母。

「いやだわ、私なんてただの付き添いよ」

と謙遜しつつも、まんざらではない様子で得意げに笑っています。

その時、少し離れたおもちゃコーナーで遊んでいた娘が、こちらに向かって勢いよく走ってきました。

そして、店員さんと話す母の足元にピタリと止まり、満面の笑みで叫んだのです。

「ばぁば!!これ買って!ばぁば!!」

静かな店内に響き渡る、無邪気でクリアな「ばぁば」の連呼。

瞬間、母の顔からスッと笑顔が消え去り、見事なまでに表情が凍りつきました。

「お姉様」とおだてていた店員さんも、気まずそうに視線を泳がせ、不自然な沈黙が流れる空間。

私のお母さんのことを「ばぁば」と呼ぶのだと、自然に学習していたのです。

いくら見た目を若く取り繕っても、孫の純粋な一言には敵いません。

その日を境に、母は派手な巻き髪をやめ、少し落ち着いた服装を選ぶようになりました。

今ではすっかり「年相応の綺麗なおばあちゃん」として、笑顔で「ばぁば」という呼び名を受け入れています。

 

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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