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「スト6」SFL日本一はREJECT!ふ~ど&LeSharのED全勝、ウメハラ「ゲームしかない人生、肯定された」

  • 2026.2.15

パシフィコ横浜にて2026年1月31日に開催されたストリートファイターリーグ:Pro-JP(SFL)のグランドファイナル。

グランドファイナルは各Divisionの本節の上位3チームが出場するプレイオフで勝ち抜いたチームによる決戦で、勝利したチームがSFLの日本一のチームとなる。DivisionSからはCrazy Raccoon(CR)が、DivisionFからはREJECT(RC)がグランドファイナルに進出。結果はRCが100-20で勝利し、日本一の座に輝いた。

優勝したREJECT
優勝したREJECT

延長戦なし・90ポイント先取の特別ルール

グランドファイナルはプレイオフと同様に本節とは違うルールが適用され、先に90ポイント獲得したチームが勝利となる。本節と同様に先鋒、中堅、大将の3人のチーム戦を行い、先鋒、中堅で勝利したチームに10ポイント、大将で勝利したチームに20ポイントが加算される。本節ではここで20-20のイーブンになった場合、延長戦へ突入するが、グランドファイナルでは次の巡目に移動し、また先鋒、中堅、大将の3戦を行う。

グランドファイナルは90ポイント先取制。ホーム&アウェイを1回ずつ行う2巡目までにすべてのメンバーが出場する必要がある
グランドファイナルは90ポイント先取制。ホーム&アウェイを1回ずつ行う2巡目までにすべてのメンバーが出場する必要がある

巡目が変わるごとにホームとアウェイが入れ替わり、アウェイのチームは先に出場する3選手のオーダーを発表し、ホームのチームは対戦前に出場する選手を1人ずつ発表する。グランドファイナルでは、本節の獲得ポイント数が多いRCがホームスタートとなり、以降奇数巡目にRCがホームに、偶数巡目にCRがホームになる。また、2巡目をひと括りとし、ひと括りごとにすべての選手が出場しなくてはならない。2巡目までは6人の出場機会があるが、チームメンバー4人がそのいずれかに出場しなくてはならない。今シーズンは延長戦に出場する選手は、先鋒、中堅、大将で出ていない控えの選手と決まっていたので、延長戦のないグランドファイナルでの特別ルールである。

プレイオフでは本節3位から下剋上したCRと本節1位のまま優勝したRCがグランドファイナルに進出
プレイオフでは本節3位から下剋上したCRと本節1位のまま優勝したRCがグランドファイナルに進出

REJECTが見せた盤石の試合運び

1巡目のCRのオーダー
1巡目のCRのオーダー

1巡目はCRがアウェイスタートで、オーダーは、先鋒かずのこC.ヴァイパー(C)、中堅ボンちゃんサガット(C)、大将Shutoリュウ(C)の布陣だ。これに対して、先鋒はふ~どED(C)、中堅はウメハラ豪鬼(C)、大将はLeShar ED(C)を当ててきた。RCは、ふ~ど選手とLeShar選手の2枚のEDが機能し、30-10でホームの利を活かしてリードした。特に大将戦はフルセットまで持ち込まれる激戦で、先にリーチをかけたのはShuto選手のほうであった。

1巡目中堅戦ではボンちゃん選手対ウメハラ選手のベテラン対決が実現
1巡目中堅戦ではボンちゃん選手対ウメハラ選手のベテラン対決が実現
大将戦はShuto選手対LeShar選
大将戦はShuto選手対LeShar選

2巡目はRCがアウェイ。先鋒LeShar ED(C)、中堅ときどJP(C)、大将ふ~どED(C)の布陣だ。ここまでのSFLの戦いでずっと出す機会を待っていたときど選手のJPがグランドファイナルにて満を持して登場する。CRは先鋒にかずのこC.ヴァイパー(C)、中堅にどぐらエレナ(C)、大将にShutoリュウ(C)を当てる。このオーダーを見る限りでは、CRはかずのこ選手とShuto選手がED担当で、選手担当ではなく、Shuto選手の大将固定の戦略だと言える。対戦相手が入れ替わりとなった2枚のED戦だったが、2巡目も勝ちを拾えず、中堅のどぐらエレナ(C)の勝利のみとなった。ここでポイントはRCが60-20と大きくリードを取っている。次の巡目で30ポイント獲得すれば勝利となる王手一歩手前と言ったところだ。

2巡目のRCのオーダー
2巡目のRCのオーダー
【画像】ときど選手のJPの登場に会場は大盛り上がり
【画像】ときど選手のJPの登場に会場は大盛り上がり

3巡目は再びCRがアウェイである。先鋒はボンちゃんサガット(C)、中堅かずのこC.ヴァイパー(C)、大将Shutoリュウ(C)のオーダーだ。先鋒と中堅の順番を入れ替えてきたが、1巡目と同じ構成と言える。これに対してRCは、先鋒ウメハラ豪鬼(C)、中堅ふ~どED(C)、大将LeShar ED(C)。ポイントをリードしているRCに取ってみれば、対戦相手を変える必要がないため、これまた1巡目と同じ組み合わせとなった。RCの先鋒ウメハラ選手は、1巡目ではフルセットフルラウンドの末、惜敗してしまったが、今回はその雪辱を果たし見事逆転勝利した。かずのこ選手対ふ~ど選手、Shuto選手対LeShar選手の2戦はどちらもストレートで勝負が決し、もはや勢いの差が出てしまったと言える。

3巡目のCRのオーダー
3巡目のCRのオーダー
1巡目と同じくかずのこ選手とふ~ど選手が対決
1巡目と同じくかずのこ選手とふ~ど選手が対決
最後までCRの大将の座についたShuto選手。LeShar選手がShuto選手を倒し、グランドファイナルを制した
最後までCRの大将の座についたShuto選手。LeShar選手がShuto選手を倒し、グランドファイナルを制した
結果は100-20でREJECTが勝利した
結果は100-20でREJECTが勝利した

EDの圧倒的強さが勝敗を分ける

結果を見ると、RCのEDは全勝し、プレイヤー以上にキャラクターの強さが際立った感があった。CRはDivisionSのプレイオフ決勝戦では、DivisionS屈指のED使いであるさはら選手を完全攻略しており、グランドファイナルへの対策としても、攻略キャラクターが1キャラ少なく、EDに集中できる状況からEDへの対策がより出てくるかと思われたが、それらの環境を跳ね返すEDの強さを見せつけられたと言える。

次なる舞台は世界戦・SFLワールドチャンピオンシップへ

これでRCはCAPCOM CUP 12と同時に開催されるSFLワールドチャンピオンシップ(SFLWC)へ進出する。北米版ストリートファイターリーグ(SFLUS)と欧州版ストリートファイターリーグ(SFLEU)の代表チームと世界一を争う。日本と世界ではキャラクターの強さのティアや攻略などが違っているので、EDがそのまま通用するかは未知数だが、これからSFLWCまでの期間で対策を練り、対応して世界一を狙ってほしいところである。

参加年齢引き下げ、アジアリーグ新設など今後のロードマップ発表

表彰式と閉会セレモニーでは、カプコンの辻本春弘代表取締役社長が登壇し、『スト6』のeスポーツシーンの今後のロードマップが発表された。

SFL2026は12チーム、2Division制で今年と同じ構成
SFL2026は12チーム、2Division制で今年と同じ構成

まずは、ストリートファイターリーグ: Pro-JP(SFLJP)の2026年シーズンについて。2026年シーズンは2025年とチームの入れ替わりもなく、2Division制12チームで行われる。唯一の変更点としてはこれまで18歳以上だったSFLJPの参加資格が、15歳以上に引き下げられる。すでにSFLUSでは15歳のBlaz選手が参戦しており、グローバルな基準に変更される模様だ。2025年11月に中国・成都で開催された「Kuaishou FightClub Championship VI」で優勝したひなお選手(当時14歳)が参加できる可能性があるわけである。『スト6』のeスポーツシーンはひなお選手以外にも若手の台頭が著しいので、活躍の場が増えることは喜ばしいことと言えるだろう。

参加資格が15歳以上に引き下げられた
参加資格が15歳以上に引き下げられた

2027年からはSFLに新たなリージョンとして、ストリートファイターリーグ Pro-ASIAが発足予定。日本を含むアジア諸国のチームが参加できる新たなリーグである。SFLJPの参加チームが固まりつつある現状では、日本チームもそれ以外のアジア諸国のチームも参加できる枠が増えることでより活性化すると思われる。

2027年にはSFLの新しいリージョンであるASIAが発足
2027年にはSFLの新しいリージョンであるASIAが発足

さらに女性プレイヤーの活躍の場も用意される。女性限定の公式大会を実施し、女性リーグの立ち上げも企画しているとのことだ。eスポーツは老若男女障害の有無を問わず対戦ができるところが魅力のひとつだが、それでも老と女はプレイ人口や活動環境から男性プレイヤーと同じ活躍は見込めていなかった。活動の場が増えることで、プレイ人口も増加し、本格的に男女差のないプレイヤーが出現する可能性はあると言える。

優勝チームREJECTインタビュー

勝利チームインタビューに答えるREJECTの面々
勝利チームインタビューに答えるREJECTの面々

最後に優勝したREJECTの囲み取材によるインタビューを掲載する。

――本日の試合では、2人のEDがShuto選手に当てて倒すという作戦だったと思いますが、いかがでしょうか?

【ふ~ど選手】私とLeShar選手はどちらも同じEDというキャラクターを使っているんですけど、動きや戦い方はかなり違っていて、どちらかが勝てたらいいかなって感じでした。リスクを分散する感じですね。結果としてはいい方向に行ったため、どちらも勝てたんですが、もともとはどちらか勝てればって感じでした。

――ホーム側のときはマンツーマンでの対策と言っていましたが、どのような意図で担当が決まったのでしょうか?

【ときど選手】基本的にふ~ど選手がどのキャラクター、選手にも行けると言っていたので、そのほかの選手が嫌がっていたかずのこ選手にふ~ど選手が行くことになりました。あとは、個人個人で行けそうな組み合わせを選んだ感じですね。どぐら選手は私が担当し、LeShar選手とウメハラ選手はShuto選手とボンちゃん選手という形です。

――ウメハラ選手はShuto選手に行く可能性もあったわけですね。そのうえでボンちゃん選手に被せていったのはボンちゃん選手のほうが相性がいいということでしょうか?

【ウメハラ選手】そういうわけではなくて、私は大将でないほうに行くという感じですね。やはり大将にはLeShar選手に行ってもらって、大将じゃないほうに私が行くという予定でした。LeShar選手が大将戦でダメだった場合は、私が大将戦に行くつもりではありました。

――2巡目のアウェイ側でCRのオーダーはときど選手のJPにどぐら選手のエレナが被せられるなど予想外だったようですが、いかがでしょうか?

【ふ~ど選手】かずのこ選手のオーダーもびっくりしました。1巡目で私がかずのこ選手にわりといい勝ち方をしたなと思っていたので、LeShar選手に行くとは思っていませんでした。私とLeShar選手は当然、情報を共有していますし、避けてくると思ったので、そこは意外でした。

【LeShar選手】どぐら選手がときど選手に入ったのは驚きました。エレナは、JP戦が難しいと思っていたんで、どぐら選手があれだけ準備してきて、ときど選手に勝てたのは、驚きましたし、考えてもいなかったです。

――昨年グランドファイナルで敗退して、この1年間でさまざまな準備をして臨んだと思いますが、その中でも練習においての環境作りでどのような点に力を入れたのでしょうか?

【ときど選手】練習に付き合ってくれた人が大きな財産ですね。いろんな人が練習部屋に来てもらえるようにするにはどうすればいいか、というのを自分なりに考えていました。今回チームメイトとなったふ~ど選手、ウメハラ選手は長年格ゲーコミュニティで活動していた2人なので、そこらへんの空気感はすでにできあがっていて、スムーズな環境作りができました。

――長年格ゲーの競技シーンに参加したウメハラ選手にとって、今回の大舞台を始め、盛り上がりについてどう感じていますでしょうか?

【ウメハラ選手】これまではあまりそういったことは感じていなかったんですけど、昨日の夜にきました。あんなにいろんな人から相手にされてなかったコミュニティなのに、(これだけの盛り上がりを見せていることに)夜中にしみじみ思いました。焼け野原みたいなところから少しずつ盛り返していって、徐々にきているというのは理解しています。ただ、なので感覚的には麻痺してしまっている部分はあるんですけど、子どものときのことから考えれば、とんでもない景色の変わり方だなって思います。

こんな人生でよかったのかな?って思うことはけっこうあるんです。ゲームしかない人生でよかったのかなって、1週間に1、2回思うんです。でも、これだけ盛り上がっている様子をみるとちょっと肯定された気になりますね。

――プレイオフが終了したときには、ときど選手はJPを、LeShar選手はテリーを使う可能性を示唆していましたが、結果としては、ときど選手はJPを出し、LeShar選手はテリーを出しませんでした。この結果の差はなんだったのでしょうか?

【ときど選手】JPもケンも両方練習していて、CRに対して行けそうなのがJPだと言う判断でした。長い間JPの練習期間を設けさせていただき、チームメイトには迷惑かけたと思うんですけど、今回こそは満を持して出せるという状態まで持って行けました。チームメイトも納得してくれたのでJPを選びました。

【LeShar選手】テリーも練習していました。まずEDを使ってみて、内容が悪かったらテリーを出すことも考えていました。EDというキャラクターは、大会で緊張するとプレイが悪くなってしまうこともあるので、そういう状況になったらテリーを使おうと考えていました。試合はかずのこ選手に1セット目を取られてしまったんですけど、自分でもそんなに悪い内容ではなかったので、そのままEDを使いました。

著者プロフィール・岡安学

ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。イベント取材をはじめ、法律問題、マーケットなど、多角的な切り口でeスポーツを取り上げる。さまざまなゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆もおこない、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『ゲームビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)、『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム)などがある。

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