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春旅の目的にしたい、青森・群馬・東京の展覧会。

  • 2026.2.15

01. 絵画の「余白」に向かう、画家の並外れた空間意識。

『杉戸洋展:えりとへり / flyleaf and liner』

現代⽇本を代表する画家のひとりで、並外れて繊細な空間意識を持つ杉⼾洋。⼩さな家や船、果物、⽊々や⾬粒など⾝近なモチーフと線や図形をリズミカルに構成し、みずみずしい⾊彩で描き続ける。本展では服の裏地や本のあそび紙のような絵画の「余白」に着目。同館のVIを⼿がけ、かつて雑誌「流行通信」の鮮烈なADで杉⼾を魅了したグラフィックデザイナー服部⼀成とのコラボレーションにより、杉⼾作品に触発された壁紙と作品が共鳴するコンセプチュアルな空間を展開する。

『杉戸洋展:えりとへり / flyleaf and liner』開催中~5/17弘前れんが倉庫美術館0172-32-8950開)9:30~16:30最終入場(~2/28)、9:00~16:30最終入場(3/1~)休)火、5/7※4/14、21、28、5/5は開館料)⼀般¥1,500https://www.hirosaki-moca.jp/

02. 記憶を呼び覚ます、イメージの回廊。

『向井山朋子 Act of Fire』

1963年和歌山県に⽣まれ、アムステルダムを拠点とする向井山朋子は、音楽家としての立ち位置を超え、多領域をまたぐ表現者だ。その活動はアート表現の拡張とタブーへの挑戦であり、体験者に深い内省や感情の揺らぎをもたらしてきた。本展では6つのギャラリーを地下劇場に見立てる。回廊に次々と映し出される家族の肖像、男たちの火祭り、凝固した経血、津波の泥、燃え尽きるピアノなどのイメージが観る者の記憶を呼び覚まし、〈私〉と〈世界〉の関係性を問う。

『向井山朋子 Act of Fire』開催中~3/22アーツ前橋 ギャラリー027-230-1144開)10:00~17:30最終入場休)水料)⼀般¥1,000https://artsmaebashi.jp/

03. 英国美術の抵抗の軌跡に正面から向き合う。

『テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート』

1980年代後半、サッチャー政権の新自由主義政策により、経済格差と社会不安が蔓延する英国社会に現れたのがダミアン・ハーストやサラ・ルーカスなど、ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBAs)と呼ばれる作家たち。斬新な視点と革新的な⼿法で澱んだ空気を打破しようとした彼らの活躍は世界的に論争を呼んだ。テートが編纂し、YBAsらの作家の創作の軌跡を検証する本展は、現代もなお解決されない問題意識とアートの抵抗の力に正面から向き合う機会となるはずだ。

『テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート』開催中~5/11国立新美術館050-5541-8600(ハローダイヤル)開)10:00~17:30最終入場(⽇、月、水、⽊)、10:00~19:30最終入場(金、土)休)火※5/5は開館料)⼀般¥2,300https://ybabeyond.jp/

04. 身体的体験をともなう、詩的な表現と呼びかけ。

『アルフレド・ジャーあなたと私、そして世界のすべての人たち』

1956年チリのサンティアゴに⽣まれ、ニューヨークを拠点に国際的に活躍するアルフレド・ジャー。社会の不均衡や世界各地の地政学的な出来事への視点と、真摯で周到なリサーチをもとにしたインスタレーションは深い⾝体的体験をともなう。70年代の初期作品から新作までを展示する本展では、誰かを糾弾するのでなく、詩的な表現を通して世界を検証するジャーの姿勢に注目する。世界と個人の諸問題に苦悩する人々の意識に、静かに強く呼びかける展示となる。

『アルフレド・ジャーあなたと私、そして世界のすべての人たち』開催中~3/29東京オペラシティ アートギャラリー050-5541-8600(ハローダイヤル)開)11:00~18:30最終入場休)月、2/24※2/23は開館料)⼀般¥1,600https://www.operacity.jp/ag/

*「フィガロジャポン」2026年3月号より抜粋

 

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