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映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』はどこで撮影された? イギリスのロケ地ガイド

  • 2026.2.13
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(2023)
WONKA - Timothee Chalamet, 2023. 『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(2023)

ロアルド・ダール原作の小説『チョコレート工場の秘密』は、これまで何度も映像化され、奇妙な運命を辿ってきた。ジーン・ワイルダーが主演した1971年の映画は、当時のサイケデリックなグルーヴ感をやや過剰に表現しすぎ)し、ティム・バートンが2005年に発表した『チャーリーとチョコレート工場』は、ダールの暗さが強すぎて、無邪気さが足りなかった。

2023年に公開された『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』の主役、ウィリー・ウォンカの運命を握ったのは、『パディントン』シリーズの監督ポール・キングだ。共同脚本家のサイモン・ファーナビーと『ハリー・ポッター』シリーズのプロデューサーでもあるデイビッド・ヘイマンとともに、魔法のような不思議なショコラティエのオリジナルストーリーを紡ぎ出した。

キングは、本作を1971年のワイルダー主演作の「姉妹編」と呼び(バートン版は無視されたようだ)、ウォンカ役には『君の名前で僕を呼んで』(2017)や『デューン』シリーズのティモシー・シャラメを起用。『Rolling Stone』のインタビューで、キングは「彼こそが私の頭の中で唯一、成し遂げられる人物だった」と語り、シャラメをオーディションなしでキャスティングしたことを明かしている。

WONKA - Timothee Chalamet, Hugh Grant, 2023.

英国人俳優がキャストの多数を占める本作で脇を固めるのは、大物スターと実力派コメディ俳優たちだ。サリー・ホーキンスはウォンカの母親、オリヴィア・コールマンは冷酷なミセス・スクラビット、ローワン・アトキンソンは牧師、そしてヒュー・グラントは高慢なウンパルンパを演じる。さらにマット・ルーカス、マシュー・ベイントン、パターソン・ジョセフが、それぞれプロドノーズ役、フィクルグルーバー役、スラグワースとして役、ダール作品らしいヴィランぶりを存分に披露。また、ウォンカの魔法を信じる相棒のヌードル役として、ケイラ・レーンも加わる。

映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』を彩るのは、1930年代のロンドンをベースにした幻想的な街並みだ。そのほとんどは、英国ハートフォードシャー州リーブスデンにあるワーナー・ブラザース・スタジオの撮影セットに制作されたが、バースやオックスフォード、ロンドンなど、イギリス各地の実在の場所も登場する。

バースで撮影中のティモシー・シャラメ。
Wonka Filmset in Bathバースで撮影中のティモシー・シャラメ。

バース

当時の英国らしさを表現するため、制作陣はNetflixドラマ『ブリジャートン家』の撮影地でもあるバースへ向かった。街の中心部にそびえる壮麗なゴシック建築、バース大聖堂の柱廊やパレード・ガーデンズ、オレンジ・グローブでの撮影は、多くのロケ地と同様に人工雪が敷かれた。エイボン川に架かるプルトニー橋は、『レ・ミゼラブル』(2012)でも使われているが、本作ではさらに雰囲気を出すために霧が加えられた。

撮影前に人工雪を降らせて、幻想的な冬景色を作り出した。
Wonka Filmset in Bath撮影前に人工雪を降らせて、幻想的な冬景色を作り出した。

オックスフォード

壮大な建造物を渇望していた制作陣は、『ハリー・ポッター』シリーズのロケ地としても知られるオックスフォードにも足を運んだ。再び人工雪で一帯を覆い、ボドリアン図書館やシェルドニアン・シアター、ラドクリフ・カメラ、さらにハートフォード・カレッジで撮影が行われた。

Timothée Chalamet filming Wonka on The Cobb in Lyme Regis

ライム・レジス

ドーセット州のライム・レジスは、著名な化石採集家の古生物学者メアリー・アニングの故郷として知られ、ケイト・ウィンスレット主演の伝記映画『アンモナイトの目覚め』のロケ地にもなった。ほかにも、ジェーン・オースティン原作の『説得』(2022年公開のダコタ・ジョンソン主演作を含む全映像化作品)、メリル・ストリープジェレミー・アイアンズ共演の『フランス軍中尉の女』(1982)などの撮影も行なわれている。

これらと同様、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』の撮影は名所の防波堤、コブに集中した。港を曲線を描くように囲むこの防波堤は、蒸気船で世界一周の旅を終えて帰還するウィリー・ウォンカにとって、これ以上ない玄関口を提供している。このシーンで重要な役割を担ったのが、1930年代の蒸気漂流船、リディア・エヴァ号だ。元漁船で海軍にも所属した経歴を持つこの船は、撮影のためにイングランド東部のノーフォーク州にあるグレート・ヤーマスから係留地を離れて運ばれてきた。ただ、ライム・レジス周辺の海域は浅いため、実際には現地で全速航行できず、シーンの一部は母港で撮影された。

The roof and Tower of St Albans Cathedral viewed over the ornamental lake and trees in Verulamium Park

セント・オールバンズ

ウォンカとヌードルがキリンのミルクを入手するシーンの撮影のため、制作陣はロンドン北部のセント・オールバンズにあるヴェルラミウム公園を占拠した。この広大な公園は、かつてヴェルラム伯爵の領地の一部であったが、雪と明るい照明、CGIによって劇中で変貌を遂げる。撮影は、大聖堂にほど近い風情ある通りのアビー・ミル・レーン、イングランド最古のパブと称されるイェ・オールド・ファイティング・コックスでも行われた。

WONKA - Calah Lane, Timothee Chalamet, 2023.

ベッドフォードシャー

ウォンカとヌードルの飛行シーンは、ベッドフォードシャー州にある旧イギリス空軍基地のカーディントン飛行場の航空機格納庫で撮影された。ここは、クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』(2008)や『インセプション』(2010)、ティム・バートン監督の『ダンボ』(2019)など、数々の作品が壮大なスタントやアクションシーンの撮影に利用してきた。

ロンドン南東部のグリニッジ王立区内にあるエルサム宮殿。
Entrance hall of Eltham Palace, London, 2003ロンドン南東部のグリニッジ王立区内にあるエルサム宮殿。

ロンドン

制作陣はロンドン市内でのロケ撮影をできるだけ避けたものの、セント・ポール大聖堂などの例外もあった。その一つがエルサム宮殿だ。1930年代のアールデコ様式の邸宅で、近年では『彼女たちの革命前夜』(2020)や『僕たちのラストステージ』(2018)、Netflixドラマ『ザ・クラウン』にも登場している。2000年代の時代劇ドラマ『情愛と友情』(2008)や『Bright Young Things(原題)』などでもお馴染みのロケ地だ。

リヴォリ・ボールルームは、ロンドンに残る数少ない1950年代スタイルのボールルームの一つ。
The Rivoli Ballroom is the only intact 1950s ballroom remaining in Londonリヴォリ・ボールルームは、ロンドンに残る数少ない1950年代スタイルのボールルームの一つ。

もう一つは、同じく南部のブロックリーにあるリヴォリ・ボールルームだ。もとは映画館だったが、1950年代にダンスホールに改装され、赤いベルベットとシャンデリアが当時の雰囲気をそのまま残している。この会場は、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)や『レジェンド 狂気の美学』(2015)、ドラマ『キリング・イヴ/Killing Eve』で登場したほか、エルトン・ジョンやティナ・ターナー、ラナ・デル・レイのミュージックビデオの撮影にも使用されている。ウォンカとチョコレート工場のはじまり』では、歌って踊って大騒ぎする賑やかなシーンにぴったりの舞台だ。

Text: James Medd

From Condé Nast Traveller

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