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世話焼きなカッパ、英国紳士風のぬらりひょん!? pixivで人気の物の怪とのゆるい暮らしを描いた日常系コミック【書評】

  • 2026.2.11

【漫画】本編を読む

夜中に妖怪たちが徘徊する様子を指す“百鬼夜行”という言葉、あなたはどんなイメージを抱くだろうか? 古い絵巻にあるようなおどろおどろしい姿を思い浮かべる人も多いだろうが、『ウチの百鬼夜行』(河口けい/主婦の友社)に登場する物の怪たちを見ると、不思議と心温まる。

陰陽師の兄の家でスタートする、物の怪たちとの共同生活

物語の舞台は陰陽師・吉良晴明(きら はるあき)の屋敷。彼に従う化け狐の式神や、拾われた物の怪たちが暮らしている。そこへ一緒に住むことになったのが、晴明の生き別れの弟・吉良綺羅々(きら きらら)。小学4年生の彼は怖がりで、はじめて見る物の怪たちに戸惑いながらも、風変りな新生活が幕を開ける。

吉良家での生活は、ツッコミどころがとにかく多い。自動車の代わりに物の怪・朧車(おぼろぐるま)で学校へ送ろうとしたり、学校から帰ってくるたび大げさに喜ばれたり、序盤は綺羅々のツッコミが止まらない。そして家主である晴明も晴明で、怖がりな弟のために、物の怪に対するひどい言動が見え隠れする。陰陽師のお札でためらいもせずジュッと焼くことがあるのだ。物の怪に容赦がない晴明の言動に、綺羅々が「人間の方が怖い」と思ってしまうのも納得だ。

従来のイメージが吹っ飛ぶ? 個性あふれる吉良家の物の怪たち

本作には個性的な物の怪たちが登場する。なかには時代を経て、少しずつ姿やあり方が変化しているものも。雪女の家業を継いだ美形の雪男・英国紳士風のぬらりひょんなど、従来のイメージが吹っ飛んでしまうかもしれない。

作中でとくに存在感が強いのは、40匹以上いるカッパたちだ。ゆるい顔とフォルムだが、吉良家の家事を担うお母さん的存在でもある。晴明と綺羅々にも惜しみなく世話を焼く彼らだが、たびたび見せる予想外の行動は笑いを誘う。とくに印象的だったのは粉薬が苦手な晴明のために、甘いカフェオレを作る要領で、牛乳と砂糖を入れようとするひとこま。善意100%だろうけど、どこか空振っている、笑えるカッパたちの行動にも注目してみてほしい。

相手を知ることで縮まる、少年と物の怪の距離

吉良家に来た段階では物の怪たちを怖がっていた綺羅々だが、徐々に彼らと仲良くなろうと成長していく。何を考えているかわかりにくいから、物の怪が怖いと言っていた綺羅々だが、怖いという感情で終えるのではなく物の怪たちを知ろうと行動し、次第に心を開いていく。

また、描きおろしではSNSでも特に人気の高かったカッパと龍の子のその後の物語も収録されている。不思議でにぎやかな物の怪たちとの日常を描く本作。個性豊かな物の怪たちとの日々に笑って泣いて、いつの間にかあなたの心を温かくしてくれることだろう。

文=ネゴト / なつきみかさ

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