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NHKドラマから“突然のお知らせ”に→「寂しい」「びっくりした」悲痛の声も…「みんな観てくれ」熱狂を生む至高作

  • 2026.2.23

ドラマの中には、毎週追いかけているほど「次が来ない日」に、逆に熱が上がってしまう作品があります。ドラマ『浮浪雲』はまさにそれ。気ままに見えて、人生の芯を突いてくる――笑えて、うるっとして、気づけば余韻が残る“時代劇ホームドラマ”です。今回は、オリンピックによる放送休止に驚くSNSの声も交えながら、NHKならではの完成度と、倉科カナさんの快演を中心にドラマ『浮浪雲』の魅力を振り返ります。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに制作された内容です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“熱い支持を得ている”ドラマ『浮浪雲』

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ジョー マローン ロンドン「Ohanami Celebration」オープニングイベント 倉科カナ (C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『浮浪雲』(NHK BS/BSプレミアム4K)
  • 放送期間:2026年1月4日〜3月15日(見込み)
  • 出演:浮浪雲(佐々木蔵之介)/かめ(倉科カナ)/欲次郎(イッセー尾形)ほか

あらすじ

原作は故・ジョージ秋山さんの同名漫画。幕末の品川宿を舞台に、ひょうひょうと自由に生きる風変わりな男・「浮浪雲」が、家族や周囲の人々を巻き込みながら日々を過ごしていきます。雲が関わるのは、問屋場「夢屋」の個性豊かな面々や、町の人たち。笑いがあり、涙があり、ときに生と死にも向き合いながら、「自由に生きる」とは何かを静かに問いかけてきます。

さらに清水次郎長、坂本龍馬、沖田総司ら、時代のうねりを生きる人物たちとの出会いも描かれていきます。浮浪雲佐々木蔵之介さん妻・かめを倉科カナさん、「夢屋」の番頭・欲次郎イッセー尾形さんが演じます。派手な事件で引っ張るのではなく、湯気の立つ食卓や叱り声のあとに残る沈黙が、じわっと効いてくる。見終わってから「なんか、沁みたな」と思わせる物語になっています。

そして、どこにも縛られないはずの雲が、ふと“帰る場所”を見せる瞬間がある。次回は、そのひょうひょうとした背中が、誰の心をほどいていくのでしょうか。

NHKならではの完成度が、“騒がしさ”を品よくまとめる

ドラマ『浮浪雲』はオリンピックによる放送休止のため、次の放送は3月1日(日)を予定されています。SNSでも、その突然のお知らせに「寂しい」「びっくりした」という声が。それでも「待ってでも見たい」「それまで見直しておこう」と思わせるのは、時代劇の伝統と現代的な表現をバランスよく融合させ、作品の空気感を丁寧に作り上げているからです。

そのやり方は、制作陣の説明からも読み取れます。取材会では「一歩前に進んだ時代劇」として、劇中に英語の歌を入れたことが紹介されています。しかも、英語の歌にするための工程では、生成AIも使われていたそうです。つまり新しさは“目立つ仕掛け”としてではなく、作品の空気に馴染む形で音楽面から持ち込まれているのです。

また演出側も、時代劇の伝統を踏まえつつ、「表現や思いを今の感覚にアップデートして、うまく混ぜたい」という考え方を示しています。こうした伝統と新しさを融合させる制作姿勢があるからこそ、にぎやかな出来事が続いても画面と音が“散らからず”、人の気持ちや場の空気が見えたまま、最後はすっと落ち着きます。

見終わったあとに残るのが派手なオチではなく、ふっと残る後味の良さ。この「伝統を土台に、音や表現を今の見やすさへ整えて混ぜる」という制作方針が、にぎやかさを“品よく”まとめる――それが“NHKならではの完成度”につながっています。SNSでも「みんな観てくれ」「最高だな」と熱狂を生んでいます。

倉科カナさんの快演が光る「かめ」――にぎやかさを“品”に変える存在感

ドラマ『浮浪雲』の見どころのひとつが、倉科カナさん(かめ役)の演技です。かめは、つかみどころのない雲(佐々木蔵之介)をまっすぐ愛しながら、喜怒哀楽を隠さない“人間味”で物語を引っぱる存在。子どもと対等に言い合う場面も含めて、にぎやかなはずのやり取りが不思議と「うるささ」にならないのは、倉科カナさんが感情の振れ幅を大きく見せつつ、最後は生活の温度へ戻してくれるからです。

笑って、ドキドキして、うるっとして――その切り替えを軽やかに受け止める姿が、作品全体の“見やすさ”を支えています。倉科カナさんは映像だけでなく舞台でも評価が高く、2022年に第29回読売演劇大賞の「女優賞」を受賞しています。だからこそ本作でも、感情の振れ幅が大きい「かめ」を“騒がしさ”にせず、笑いと切なさの間をスッと行き来できる。倉科カナさんの快演が、作品の見やすさを底で支えています。

にぎやかなのに、最後はすっと落ち着く。次回のドラマ『浮浪雲』では、かめの喜怒哀楽がどこに着地するのか。それだけでも続きを見たくなるはずです。


※記事は執筆時点の情報です