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「また会いたい」と思われる人は、ツッコミが優しい。30代映画プロデューサーがバイブルにする『ツッコミのお作法』【イケメンの本棚】

  • 2026.2.5

笑いを取りたい――日常のコミュニケーションの中で、そう感じたことがあるという人も多いのではないだろうか。学生時代のクラスメイトやサークル仲間との交流、仕事終わりのチームメイトたちとの飲み会……。ちょっぴり気の利いたことを言える誰かが、コミュニティの笑いを誘うシーン。

「自分もこんなふうに話せたらいいのに」とは思いつつ、頭の回転が遅い自分には無理かも……なんて、諦めてはいませんか?それに、笑いを取る人の中には、時々ちょっとハラハラするような強いイジリ言葉を使う人も。年齢を追うほどに“笑いを取ろうとすることはリスクだ”と感じている人もいるかもしれない。

「面白いことが言える人はコミュニティで目立つけれど、笑いで人を傷つけては元も子もない」と話すのは、映画配給会社でプロデューサーに上り詰めた30代のKさん。世の中の人の笑顔のために日々コンテンツを作り続けているKさんは、コミュニケーション面でも「人を笑顔にすること」を大切にしているそう。

「イケメンの本棚」をのぞき見していく本連載で今回紹介したいのは、鋭くも丁寧なツッコミを武器に、バラエティからビジネス番組まで幅広く幅広く活躍するお笑い芸人のトンツカタン・森本晋太郎さんの著書『ツッコミのお作法』(森本晋太郎著・KADOKAWA)だ。

トンツカタン・森本晋太郎ツッコミのお作法』の読みどころ

  • 「優しいツッコミ」でMC力の高さが注目されているトンツカタン・森本晋太郎が考えるツッコミとは何なのか
  • ツッコミで誰かを笑顔にする50の方法が分かる
  • コンプラ社会で人と関わっていくスキルの身に着け方

自分のために笑いを取るのか、誰かのために笑いを取るのか

関西出身で、幼い頃から笑いを取ること、ボケることやツッコむことは身近だったというKさん。しかし、学生時代は特に目立つほうではなかった、とも話す。

「学生時代、男は面白いことを言えたほうがモテるだろうという感覚があったじゃないですか。そんな中で、僕は人と比べて運動神経がいいわけでもなかったし、モテていたわけでもなかったから、生存戦略として笑いを取りたいっていう気持ちがもともとあったのかなと思います。だけど僕は、ボケることには恥ずかしさもあったんですね。だから、どちらかというツッコミを意識して人と会話していたかなと思います」

ボケにしろツッコミにしろ、周囲を笑顔にできる人は、当然注目される。Kさんも少しでもモテるに越したことはないだろうと、人とのコミュニケーションを重視しながら成長していく。しかし社会人以降、Kさんは「笑いを取ろうと強い言葉を使うだけではダメなのだ」ということにも気づいていったという。

「社会人になってからは、より一層コミュニケーションだったり、気の利いた面白い一言を言える必要があると思うようになりました。学生時代と比べると初対面の人と話す機会が圧倒的に増えますから、相手に自分を覚えてもらうためにも、少しだけ面白いことが言えたらいいですよね。

僕は最初に入った会社が体育会系気質だったこともあって、自分もその中でどう戦っていくかを考えなくてはいけないと考えていました。自分のために笑いを取ろうとして誰かをイジったり、傷つけたりすることもあって……年齢的にも、自分が目立つため、モテるためにというよりは、周囲を笑顔にするために笑わせたい、と強く感じるようにもなっていきました。でもそう思えたのも、元はといえばこの本に出会うことができたからなのかもしれません」

いつもは言えない一言を「野暮にならず」「印象的に」伝えるツッコミ

人生を通して「面白くあること」や「笑い」を重視してきたKさん。そんな「笑い力」の一つの教科書として手に取ったのが『ツッコミのお作法』だった。

著者であるトンツカタン・森本氏は、人力舎所属のお笑いトリオ「トンツカタン」のツッコミ担当。幼稚園から高校までインターナショナルスクールで過ごし、国際基督教大学を卒業した高学歴芸人としても知られている。単に面白いフレーズを言うだけでなく、現場の空気を整えながら出演者の魅力を引き出す「潤滑油としてのツッコミ」に長けており、その卓越した進行能力から、芸人の枠を超えた「司会者」としての認知も急速に広がっている。

「もともとトンツカタンが好きだったこともありますが、特に森本さんはビジネス番組や恋愛リアリティーショーにも呼ばれていて、強い言葉で人を傷つけない、優しくも面白いコミュニケーションができる人として注目していました」

ツッコミのお作法』によれば、トンツカタン・森本氏が考えるツッコミが、単純にコミュニケーション手法の一つであるということが分かる。ツッコミの役割は「ボケの面白さを汲み取り、観ている人に伝えること」である。だからこそ、ボケの人が伝えたい“おもしろ”が何なのかを、ツッコミが考える必要があるのだ、とも。

この考え方は、そのまま日常にも活かすことができる。ボケの面白さを汲み取って伝えるということは、相手が本当に伝えたかったであろうことをうまく拾い、伝える手助けをすることだからだ。何かを誰かに伝えるとき、誰しも「どんなふうに伝えるか」を考えるだろう。そんなときにツッコミ力があれば、野暮にならない範囲で相手の心に残る伝え方・言葉を選ぶことができる。

「この本はとにかく実用的なんです。森本さんが実践している、他者の魅力を引きあげるためのツッコミ手法が、シチュエーションも込みで掲載されているので、日常生活で必ず『これ、進研ゼミ……じゃなくてツッコミのお作法でやったヤツだ!』とはっとする瞬間があるはずです(笑)。

この本を読めば、なんでもない会話の中のちょっとした一言が、いかに会話に彩りを生むかが分かると思います。ツッコミというと、お笑い番組で見るような強い言葉や挙動での“なんでやねん”的イメージを持つ人が多いと思います。だけど森本さんが紹介してくれているのは、そういった高カロリーな手法ではありません」

誰かが身につけているものや髪型の変化がいいなと思ったときに、照れを隠すために「素敵なお召し物ねぇ」とマダム風に言ってみたり。はたまた「とってもキュートね!」と海外ドラマの翻訳風に言ってみたり。本書は、一言でいえば人間関係の教科書のような書籍でもある。ちょっと言いづらいこと、普通に言ったらスッと流れてしまうような言葉を、ツッコミというオブラートで包み込むことで、その場をよい空気に変えることができるのだ。

「ツッコミ力」は人と調和しながら生きていく必要スキル

本書を読んでから、ツッコミに対する考え方が変化したというKさん。彼自身、現在は日常生活でも「優しいツッコミ」を活かす機会が多いという。

「例えば社内のWEB会議に入室した瞬間、ピリッと固い空気が流れていたときに、おばんです〜と言って入室してみたり(笑)。他部署のよく知らない人がいるときにも、後々“おばんですの人”として思い出してもらいやすいかな、と思っています。

僕自身、今も社内外のたくさんの人と仕事をすることが多いし、業界的にも人の出入りが激しい。仕事相手も一期一会になってしまうことも多いけれど、プロデューサーの○○さんとしてより、おばんですの人として覚えてもらったほうが、プライベートでも誘われやすいでしょうし、縁も繋がりやすいのかなと思います」

ビジネスの場では、保身のためにも「仕事上の肩書き」というミノをむしろ被るべきだ、という考え方の人も多いかもしれない。もちろん、どのくらいのおもしろさを表現するかは、時と場所、話している相手によっても変えるべきだろう。

トンツカタン・森本氏も、仕事や絡む相手などのTPOで、ツッコミとしての言葉選びを変えているのは、本を読めばひしひしと伝わる部分でもある。その力加減をコントロールできることこそがツッコミ力であり、コミュニケーション能力そのものにもなる。

「今、仕事でもプライベートでもコンプライアンスを求められる瞬間が増えていると思います。もちろん規律を守ることも大切だけど、コミュニケーションに置いてはあれもこれもと言葉を控えていくと、どんどん人間関係が希薄になっていくと思います

テレビに出る芸人でもあるトンツカタン・森本氏の使いこなすツッコミは、このコンプラ社会でも伝えること、言葉にすることを諦めず、周囲と円滑に、そして楽しくコミュニケーションするために必要なスキルなのではないでしょうか。職場によくいるいるかいないか分からないおじさんにも、勘違いしたセクハラおじさんにもなりたくない人にこそ、この本を勧めたいですね」

相談の相手としても生成AIが選ばれるような社会で、人と人との関係を残しながら歳を重ねていきたいのなら、ツッコミ力とはなんたるかを学んでみるのもいいのではないだろうか。

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