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売上は増えても心は限界。「私、上客でしょ?」店員を独占し、他の客を追い返すマダム。店員が下した決断は

  • 2026.2.1

これは、知人のA子さんに聞いたお話です。お店の売上には貢献してくれるけれど、対応に苦慮し、心が疲弊してしまう……。そんな「距離感の近すぎるお客様」に悩んだことはありませんか? 大切なお客様との関係に限界を感じたA子さんが、自分を守るために選んだ「環境を変えるという決断」についてご紹介します。

画像: 売上は増えても心は限界。「私、上客でしょ?」店員を独占し、他の客を追い返すマダム。店員が下した決断は

優雅なマダムの来店……しかしその実態は

セレクトショップで働くA子さんの店に、ある日、70代とは思えない若々しいマダムが来店しました。最初は気さくでセンスも良く、素敵なお客様だと思っていたのです。
しかし、マダムは次第に毎週末の忙しい時間帯を狙ったように現れるようになりました。一度来店すると滞在時間は2~3時間。「数着買うからいいでしょ」という態度でA子さんを独占し、延々と世間話を続けるのです。大切なお客様を無下にはできないものの、他のお客様への対応もままならず、A子さんの心には次第に焦りと疲れが溜まっていきました。

「私の方が上客でしょ?」他の常連客を追い返すマダムの暴走

ある週末、他の常連客とマダムの来店が重なってしまいました。A子さんが申し訳なさそうに他の客の対応へ向かおうとすると、マダムは露骨に不機嫌な顔をして、そのお客様をジロジロと睨みつけたのです! たまらず常連客は帰ってしまい、店には重苦しい空気が……。
するとマダムは「私の方が上客でしょ? 私が来るようになって成績上がったじゃない?」と、自分の貢献度を主張してきました。確かに売上には貢献しているものの、お客様同士のトラブルを招きかねない状況に、A子さんはプロとしての限界を感じ、精神的に追い詰められていったのです。

「もう限界!」夫に泣きついて選んだ手段は

「他のお客様と話せない」「週末が来るのが怖い」。マダムの行動は数年続き、A子さんにとって売上への貢献よりも精神的な苦痛と、他のお客様との信頼関係を築けない機会損失の方が大きくなっていました。
帰宅後、夫に「これ以上あの人と関わるなら仕事を辞めたい」と涙ながらに吐露。話し合いの末、A子さんは会社に「県外への異動」という、物理的な距離を取る手段を申請することにしたのです。それは、仕事への情熱を失わないための、苦渋の、そして前向きな決断でした。

皮肉な結末に複雑な心境。「自分を守る勇気」を悟った日

無事に異動が決まり、マダムに挨拶をすると、彼女は事情も知らずに「寂しくなるわね」と立派な餞別をくれました。自分がA子さんを追い詰めた原因だとは、夢にも思っていない様子です。そんなマダムに対し、A子さんは申し訳なさを覚えつつも、それ以上に「やっと自分を大切にできる」という安堵感で胸がいっぱいになりました。
いただいた餞別を手に、A子さんは心から実感したのです。「時には環境をリセットすることも必要」なのだと──。どうしても解決できない対人関係に直面したとき、場所を変える、距離を置くといった「全力の回避」が、自分自身の心とキャリアを守る一番の解決策になるのかもしれません。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年12月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:日向みなみ
出産を機に、子どもとの時間を最優先できる働き方を模索し、未経験からWebライターの世界へ。ライター歴10年の現在は、オンライン秘書としても活動の幅を広げている。自身の経験を元に、子育てや仕事に奮闘する中で生まれる日々の「あるある」や「モヤモヤ」をテーマに、読者のみなさんと一緒に笑って乗り越えるよう、前向きな気持ちになれるコラムを執筆中。

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