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メキシコで1400年前の「サポテカ文明の墓」を発見

  • 2026.1.27
※ 画像はイメージです/ Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部

メキシコ南部オアハカ州で、時間がほとんど止まったかのような墓が姿を現しました。

約1400年前、西暦600年ごろに築かれたとみられるサポテカ文明の墓が発見されたのです。

保存状態は極めて良好で、巨大なフクロウ像や鮮やかな壁画まで残されていました。

メキシコ政府は、この発見を「この10年で最も重要な考古学的成果」と位置づけています。

いったい、この墓は何を物語っているのでしょうか。

目次

  • 略奪通報から始まった大発見
  • 壁画と彫刻が語るサポテカの死生観

略奪通報から始まった大発見

今回の墓が見つかったのは、メキシコ南部オアハカ州サン・パブロ・ウイツォの「セロ・デ・ラ・カンテーラ」と呼ばれる丘です。

きっかけは、遺跡で略奪が行われているという匿名の通報でした。

現地を調査したメキシコ国立人類学歴史学研究所(INAH)の考古学チームは、地中に隠されていたサポテカ文明の墓を突き止めます。

年代測定などから、この墓は西暦600年ごろのものと判明しました。

【発見されたサポテカ文明の墓の画像がこちら

サポテカ文明は紀元前700年ごろに成立し、オアハカ盆地を中心に高度な都市文化を築いた先スペイン期の文明です。

今回の墓は、その繁栄期にあたる時代のものと考えられています。

墓の入口でまず目を引くのが、巨大なフクロウの彫刻です。

フクロウは大きく目を見開き、くちばしの中には人の顔が描かれていました。

サポテカの世界観では、フクロウは夜や死、そして権力と結びつく象徴的な存在です。

くちばしに表された人物は、この墓に葬られた支配者、あるいは祖先の肖像である可能性が高いとされています。

壁画と彫刻が語るサポテカの死生観

墓の内部も、驚くほど豊かな装飾に満ちていました。

二つの部屋を隔てる出入口には、石板を組み合わせた梁が設けられ、そこには「暦名」と呼ばれる刻印が施されています。

これは誕生日と結びついた象徴によって人物を表す命名体系で、神々や重要人物に用いられていました。

出入口の両脇には、頭飾りを付け、手に道具を持つ男女の像が彫られており、墓の守護者や祖先を表していると考えられています。

【発見されたサポテカ文明の墓の画像がこちら

埋葬室の壁には、白、緑、赤、青などで描かれた壁画が、当時の位置のまま残されていました。

そこに描かれているのは、コパルと呼ばれる樹脂の袋を担ぎ、行列をなして進む人々の姿です。

コパルは先スペイン期のメソアメリカで香として焚かれ、葬送儀礼や祭祀に欠かせないものでした。

この壁画は、死者を祖先として敬い、神々とのつながりを保とうとしたサポテカの葬送観を、具体的な情景として伝えています。

現在、INAHオアハカ・センターのチームが、墓の保存と調査を進めています。

壁画は根の侵入や昆虫、環境変化の影響を受けやすく、安定化作業が急がれています。

同時に、土器、図像、刻文、人骨といった資料の分析も進められ、墓に込められた意味が少しずつ明らかになりつつあります。

参考文献

1,400-year-old Zapotec tomb discovered in Mexico features enormous owl sculpture symbolizing death
https://www.livescience.com/archaeology/1-400-year-old-zapotec-tomb-discovered-in-mexico-features-enormous-owl-sculpture-symbolizing-death

El Gobierno de México anuncia el descubrimiento de una milenaria tumba zapoteca
https://www.inah.gob.mx/boletines/el-gobierno-de-mexico-anuncia-el-descubrimiento-de-una-milenaria-tumba-zapoteca

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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