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「私はむしろ『使うこと』に着目しています」40代・おづまりこさんが実践している“自分らしい節約術”とは?

  • 2026.1.24

漫画家・おづまりこさんの新刊『ごきげんな40歳になりたい』は「40歳」がテーマ。念願の猫を飼い始めたり、旅に出たり、「40歳の身だしなみ」を考えたり、「40歳のお金の見直し」をしたり……前向きに変化を楽しむおづさんの40代ライフについてお聞きしました。


40歳になった途端、晴れやかな気持ちに

おづまりこ『ごきげんな40歳になりたい』

――40歳になる前は悩みがちだったそうですが、今振り返るとその理由はどういったものだったのでしょう。

38歳くらいまでは結構気楽に生きていたのですが、39歳になった途端、「あれ、もうすぐ人生の中間地点!?」と焦りが出てきたんです。仕事は頑張ってきたけれども、ほかにもいろんなことができたんじゃないかなって……。それで39歳の1年間は、何をしたらいいのかわからなくなって、立ち止まってしまいました。

自分より年上の方のエッセイを読んだり、ラジオを聞いたりするのが好きなので、40代に対してネガティブなイメージはなかったのですが、40歳という年齢をひとつの区切りのように捉えていたのでしょうね。本にも描きましたが、関西に戻ったり、猫を飼ったりするのも40歳前後にしたいと前々から考えていましたし、それくらいいろんな変化が起きる、重要な年齢なのだと思っていた気がします。

おづまりこ『ごきげんな40歳になりたい』

――その焦りはどうやって解消して、「ごきげんな40歳になりたい」というテーマにたどり着いたのですか。

40歳になったら、それまで立ち止まっていたのが不思議なくらい、晴れやかな気持ちに切り替わりました。別に今からだって何でもできるし、悩んでいるのがもったいないな、と。それで、どういう40歳になりたいのか改めて考えて、自分のきげんを自分で取れるようになるのが、大人としてのひとつの目標だなって思ったんです。

おづまりこ『ごきげんな40歳になりたい』

――すてきな考え方ですね。本には、そのごきげんの取り方が多岐にわたって描かれていますが、題材選びで大事にしたことは?

興味のあることはもちろんですが、今どうしたいのか、40歳という年齢を重視しました。衣食住を大事にすることと、自分を大事にすることのほかに、ラクをしたいという気持ちもあって(笑)。30代は意外と体当たりをしていたというか、多少の無理は平気かなと思って、結果、体調を崩してしまうことも多かったので。そんなに強くないことを自覚して、もう少し自分をラクさせてあげようというか。無理をせずに楽しくなれるのが一番なので、そういう気持ちで身の回りのものを選んだり、生活を変えたりしていることを伝えたいと思いました。

おづまりこ『ごきげんな40歳になりたい』

引っ越しは、気持ちとモノの棚卸し

おづまりこ『ごきげんな40歳になりたい』

――ライフスタイルの大きな変化として、関西へのUターンについて描かれていますが、引っ越しは生活全般を見直すきっかけになりますよね。

そうですね。引っ越しは、気持ちとモノの棚卸しができるんです。場所が変わると、仕事への向き合い方とか、生活のリズムにも客観的になれるので。東京で長く暮らしたぶん、当たり前になっていたことも多く、そのひとつが「とにかく働かないといけない」という意識でした。引っ越しを機に、仕事のしかたを見直したかったし、関西に住んでいたのは学生までだったので、自分で働いて、お金や生活の管理をできる状態で住んだらどうなるんだろう、という興味もありました。

ごきげんに暮らすという点で効果的だったのは、余裕を持って物事に向き合えるようになったこと。地元であることも関係していると思うのですが、多少気持ちがほぐれたような気がしています。働くことは基本的に好きなのですが、それと同等に、遊ぶことや休むことも大事に思えるようになりました。

――余裕を持てたほうが、仕事にもいい影響が生まれたりしますよね。

本当にそう思います。特にこういうエッセイは、自分がそのまま出てしまうので。関西に移住すると決めてから、本のしあがりというか、描くものも変わってきた気がします。自分にしかわからないくらい、些細な部分ではあると思うのですが。

――ダイニングテーブルや食器、調理道具など、あこがれを生活に取り入れる楽しさも伝わってきました。

おづまりこ『ごきげんな40歳になりたい』

好きなものやあこがれるものは、20代からあまり変わっていないのですが、「まだ早い」と思い続けて、ずっと買っていませんでした。もう40歳だし、「いつか」を実践していいんじゃないかなと思って。長く愛されているようなものって、見た目も使い勝手も格段に違うし、ほしかったものを自分で選んで、家にあるっていうことでもごきげんになれるんです。

――ファッションや美容など身だしなみについても、無理をしない楽しみ方、遊び心が印象的でした。

おづまりこ『ごきげんな40歳になりたい』

このふたつは好きなのだけど、自分にとってのちょうどよさがわからず、失敗しがちな分野としてずっと苦手意識がありました。それこそ昔は、自分が変われるかもっていう期待も込めて、セールのときにたくさん服を買ったものの、ワンシーズンしか着なかったりとか……。だけど今は失敗が少なくて、金額もお手頃な小物などを少しずつ取り入れてみようと思い始めて。選び方で変わったと思うのは、肌触り、デザイン、動きやすさなど、身につけて心地よさを感じるものにお金を使うようになったこと。流行っている色やデザインでも、似合わないと思ったら買わないとか、そういう判断力も昔はなかったので。

30代の頃は、エッセイに「ファッションや美容のトピックを入れましょう」と編集さんに提案されても、「私が描けることは何もないです!」と逃げていたんです(笑)。でも最近は、ちょっとずつですけど前向きに楽しめているので、こうやって描くことができて、いい変化だなって思っています。

家計簿の振り返りが、理想の暮らしへ近づく一歩に

おづまりこ『ごきげんな40歳になりたい』

――お金の見直しについても実践的で、真似したくなるようなポイントがたくさんありました。20代、30代と違って、経済的に少し余裕が出てくるからこその失敗や、見直すべき点もあると思うのですが、「自分らしい節約」で意識していることを教えてください。

私はむしろ「使うこと」に着目しています。20代半ばにゆる節約を始めた頃から、何に使ったのか把握しているかどうかが、ポイントだと思っていて。たとえば引っ越しは出費の額が大きいので、金銭感覚がマヒしてしまって、無駄な使い方をいっぱいしていたんですよね。反省して、家計簿の振り返りをまたやるようになって、お金のよい使い方ができているかどうか、その都度考えるようにしています。そうすると、何に使ったら自分は楽しいのか見えてくるし、もし失敗しても納得できるような、挑戦枠みたいな使い方もできるようになるので、やっぱり把握することは大事だと思います。

――家計簿をつけたことに満足して、見返さないのはありがちですよね。

つけないよりは全然いいと思うのですが、私の場合、お金を使っているという実感だけがたまってもやもやして、金銭感覚が緩みがちなんですよね。関西に引っ越して、家の周りのお店がガラッと変わったことも、緩みまくった一因でした。それであるとき、こんな予定じゃなかったのに……と気がついて。やりたいこと、変えたいことがいっぱいあったはずなのに、全然違うことをやってるなって。最初にお話ししたように、40歳になる直前に立ち止まってしまった時期でもあるんですけど。思い描いていた生活とかけ離れていることが、家計簿を振り返っても、手に取るようにわかりました。この人、ほとんど外に出てないなって(笑)。そこに気づけたのでよかったです。

おづまりこ

兵庫県生まれ。20代、30代は東京で暮らし、現在は関西在住。著書に『ゆるり より道ひとり暮らし』『ゆるり より道ひとり旅』『ゆるり愛しのひとり旅』『金曜日のほろよい1000円ふたりメシ』(文藝春秋)、『おひとりさまのあったか1ヶ月食費2万円生活』『おひとりさまのゆたかな年収200万生活』『わたしの1ヶ月1000円ごほうび』(KADOKAWA)がある。
X:@mariskosan
Instagram:@odumariko

文=兵藤育子

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