1. トップ
  2. 朝ドラから大河まで“快進撃”をみせる若手俳優「演技最高」「配役が大正解」“汚れのない愛情”を見事に表現した【水曜ドラマ】

朝ドラから大河まで“快進撃”をみせる若手俳優「演技最高」「配役が大正解」“汚れのない愛情”を見事に表現した【水曜ドラマ】

  • 2026.2.28
undefined
『冬のなんかさ、春のなんかね』第3話(C)日本テレビ

主人公・土田文菜(杉咲花)の多種多様な男性との恋愛遍歴を描く『冬のなんかさ、春のなんかね』。第3話には、文菜が高校生の頃に付き合っていた元彼・柴咲秀として倉悠貴が登場した。杉咲と倉の針の穴に糸を通すかのような繊細な芝居が呼応しあい、柔らかくも緊張感のあるシーンが出来上がっていた。

※以下本文には放送内容が含まれます。

高校生の頃とは違う恋愛観

undefined
『冬のなんかさ、春のなんかね』第3話(C)日本テレビ

高校卒業以来、プチ同窓会で再会した文菜と柴咲。友人の言葉をきっかけに2人は別れた頃の感情を振り返る。高校卒業後、東京の大学に進学することが決まっていた文菜は、「遠距離は無理かも」と逃げ腰になっていた柴咲に振られていた。当時18歳だった2人は距離に勝てなかったのだ。過去の恋愛として吹っ切れている文菜だったが、共通の友人である正雄(三河悠冴)が明かした別れた直後の柴咲の誠実すぎる感情を知ることに。しかし、そのまっすぐな愛情は、すでに別の女性に注がれていた。

二次会のカラオケの帰り道。文菜と柴咲はとぼとぼと歩きながら話をする。柴咲は仕事で東京に行くことが決まっているという。それは、柴咲が現在の彼女と遠距離になることを示唆していた。今度は遠距離恋愛ができそうだと告げる柴咲。第3話のタイトルになっている「その距離とタイミング」のとおり、2人は遠距離恋愛ができそうだと思うタイミングが揃わなかった。その後、柴咲が現在の彼女から「遠距離は無理かも」「東京に行くなら別れたい」と言われたことに関して、文菜は相談に乗ることに。文菜は、過去に柴咲にできなかった説得を柴咲が彼女に対してできるように手助けする。なんという皮肉だろうか。

文菜は真摯に相談に乗りながら、本心では柴咲に寄り添いきっていなかったようだ。現在の彼女を実直に想っている柴咲。それは真剣に人を愛することに恐れがない証拠だろう。現在の文菜はそれができていない。文菜は、柴咲の言動に触れるなかで、自分自身の恋愛観が変わってしまったことを痛感したのではないだろうか。

そして、たまに関係を持っている山田線(内堀太郎)との電話の内容を踏まえれば、柴咲の生き方に対して、どこかつまらないと思っている節もありそうだ。あの頃とは変わらない真面目でカッコいい柴咲は、現在の文菜のスタンスとの違いを強調する存在になっていた。

汚れのない愛情を表現した倉

undefined
『冬のなんかさ、春のなんかね』第3話(C)日本テレビ

印象に残ったのは、倉が表現した柴咲の愛情の雪のような清らかさだ。二次会のカラオケで、文菜と別れた理由を振り返っているとき、文菜との帰り道で現在の恋愛について話すときの表情、現在の彼女・咲を思いやる声色など、文菜と向き合ったときの揺らぎの全てが柴咲の性格を表現していた。そして、一つひとつの表現が柴咲がまとう空気自体を作り上げていた。

2025年に凄まじい活躍を見せた倉。NHK連続テレビ小説『あんぱん』をはじめ、映画『リライト』『隣のステラ』『平場の月』など、多種多様なジャンルの6作品で役を演じた。2026年に入ってからは、映画『恋愛裁判』『教場 Requiem』に出演。映画『ブルーロック』『マッチング TRUE LOVE』にもキャスティングされている。現在は、大河ドラマ『豊臣兄弟!』で黒田官兵衛役で出演中だ。

なぜここまでバリエーション豊かな作品に出演できるかといえば、倉自身が極めてナチュラルな存在感を持っているからではないだろうか。『冬のなんかさ、春のなんかね』での柴咲役がそうであるように、作品世界と役柄を映し出すような雰囲気をまといながらも、印象を残す存在感を発揮できる俳優だ。

SNSでは「倉くんの演技最高」「配役が大正解」と、出演に喜びつつ、柴咲のまっすぐな愛情が印象に残った人が多い様子。

2025年に朝ドラ、2026年には大河ドラマと、俳優としてのキャリアの階段を一段登った倉。今後も、映画にドラマにさらに引っ張りだこの俳優になることだろう。さらなる飛躍が楽しみだ。


日本テレビ系 水曜ドラマ『冬のなんかさ、春のなんかね』毎週水曜よる10時~

ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、インタビュー、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。
X(旧Twitter):@k_ar0202