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【50代からの生き方】「開墾」した庭とともに年齢を重ねる喜び

  • 2026.1.13

子育てや、がむしゃらに仕事をしてきた時期を過ぎ、自分の時間がもてるようになる大人世代。
趣味や仕事など、新たな生きがいを見つける人が増えています。

「何かしたい」と思っている人に、ヒントになるのは、今を生き生きと過ごす人のストーリー。
そんな大人の女性の生き方、楽しみ方を知っている、素敵な方々にインタビューしました。

はじめにご紹介するのは、国際政治学者で作家の三浦瑠麗さんです。

 

手をかけることで得た「ゆとり」

軽井沢の北部、標高1000メートル超の「山の上」に、第二の拠点を構えて12年目になる国際政治学者の三浦瑠麗さん。
この土地の雄大な自然と調和するような庭を、自らの手で育ててきました。
「ここも以前は、密林のような雑木林だったんですよ」
 
斜面ごしに遠方の山々をのぞむ抜けのいい敷地には、もともと100本近いカラマツが群生。それを一から開墾したと言います。
 
「造園業者に依頼して整った庭をつくり込むより、野趣を残しながらも、自分が手をかけたことの成果が返ってくるような土地にしたかったんです」
 
チェーンソーを駆使して木々を間引き、砂利の混じった土をふるい、広い敷地のあちこちに花の株や球根を植え……とくれば、相当な重労働。
しかし意外にも、その時間が東京では得られなかった「ゆとり」を運んできました。
 
「都会で丁寧に暮らそうとすると、何かを買い足すことでそれを満たそうとして、かえってあくせくしてしまう。でも、ここでは買い物ひとつするのも大仕事なので、ひとつのものにたくさん手をかけます。すると忙しいのに不思議と心の余裕が生まれるんです」

時間のうつろいそのものを味わう

ご本人も「やりすぎたかも」と笑うほど、がむしゃらに取り組んだ庭づくり。その10年越しの成果を今は存分に楽しんでいるとか。
 
塀に沿って植えた10本のアナベルは大株に育ち、大輪の花を咲かせるようになりました。
 
「体力まかせの重労働から卒業して、庭との向き合い方も変わりました。最近は、娘が一目ぼれしたマルバノキや、枝ぶりに惹かれて購入したモミジなど、表情ゆたかな木々を植えてささやかな風景の変化を見るのが楽しみなんです」
 
朝の光、夕暮れの色、夜空の星……この庭では一瞬一瞬の美しさを切り取るのではなく、時間の移ろいそのものを味わっていると話す三浦さん。庭とともに年を重ねていく営みが、豊かな「自分時間」をもたらしているようです。

旬の食材とともにある暮らし

小さな青いタイルのグラデーションが可愛らしい三浦家のキッチン。
旬のリンゴは香りを楽しむためにカウンターに並べて。

キッチンの窓は「野鳥の森」を望み、鳥たちのさえずりを運んでくる。

自然の趣の中に少しだけ手を加える

カゴの中には「今日、このあと植える予定なんです」というムスカリの球根が200個ほど。春先にブドウのような形状の青い花を咲かせる。

梅雨の時期には、塀沿いに植えたアナベル(アジサイ科)が競うように白い花を開花させる。

冬場の主役は薪ストーブ

軽井沢の四季の中では「冬がいちばん好き」と言う三浦さん。
庭の斜面に雪が積もると、そり遊びが楽しめる。

家の中の主役は薪ストーブ。
ログハウスの壁が熱を貯め込むので、換気で窓を開けてもほんわりと暖か。

お話を伺ったのは……

国際政治学者・作家

三浦瑠麗さん

神奈川県生まれ。国際政治学者・作家。山猫総合研究所代表。東京と長野県軽井沢町との二拠点生活を10年以上続けている。その暮らしぶりを綴ったエッセイ『心を整える時間 軽井沢のくらし12 ヶ月』(あさま社)を上梓したばかり。

エッセイ『心を整える時間 軽井沢のくらし12 ヶ月』(あさま社)

写真/白井祐介 文/藤田美菜子
 
大人のおしゃれ手帖2026年1月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
 

この記事を書いた人

大人のおしゃれ手帖編集部

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