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企業型DCだけで安心している人は要チェック。企業型確定拠出年金のメリット/デメリット

  • 2026.1.12

今回のお悩み「企業型DCだけで大丈夫? 他に投資もした方がいい?」

会社の企業型DCに加入していますが、これだけで大丈夫なのか、そもそもこの先も会社はあるのか等々、心配なことが多くあります。企業型DCについて改めてメリット、デメリットを教えてください。(30代/サービス)

■年金制度には「公的年金」と「私的年金」がある

年金制度には、国が定めた国民年金や厚生年金といった「公的年金」と任意に設立・加入する「私的年金」に分けることができます。私的年金には、確定給付企業年金(DB)や厚生年金基金、企業型確定拠出年金(企業型DC)に大業される企業型の年金と、個人型年金のiDeCo(個人型確定拠出年金)や国民年金基金、民間の年金保険に分けられます。

これら私的年金は、公的年金に上乗せして受け取る年金のことで、年金額を増やして老後の生活を安定させることができます。

■企業型の年金制度には確定給付型と確定拠出型がある

企業型の私的年金制度としては、受け取る年金額があらかじめ決まっている確定給付企業年金(DB)や厚生年金基金があり、企業が毎月一定金額の掛金を拠出してその掛金を、加入者(従業員)自身が選んだ金融商品で運用する企業型確定拠出年金(以下企業型DC)があります。注意点としてはそれらの制度を導入していない企業もあることです。

企業型DCの仕組みは、毎月企業が掛金を従業員の年金口座に積み立て、従業員はその掛金を運営管理機関が提示する運用商品(投資信託、保険、預貯金など)の中から選んで、資産運用をする、というものです。

■選択制DCが導入されていれば、掛金を拠出か給与に選択することができる

企業によっては、選択制DC(給与減額型選択制企業年金)を採用していることがあり、その場合は、従業員が給与の一部をDCの掛金として拠出するか、そのまま現金で受け取るかを選ぶことができます。

拠出する場合、その分だけ給与(手取り)は減りますが、掛金は非課税(所得控除)となり、税金が安くなります。一方、社会保険の等級が下がることで、「老齢厚生年金」や「出産手当金」、「傷病手当金」などさまざまな保険給付額に影響を及ぼす可能性があります。

拠出しない場合は、その分給与に上乗せされるので給料が増え、その分の社会保険料が増えますが、将来の公的年金額などのさまざまな保険給付額が増えることになります。

■よく聞くマッチング拠出とは?

企業型確定拠出年金(企業型DC)で、会社が拠出する掛金に加えて、従業員が自身の給与から上乗せして掛金を拠出できる制度を「マッチング拠出」と言います。従業員が拠出した掛金は全額所得控除の対象となり、所得税・住民税が軽減されるため、税制優遇を受けながら効率的に老後の資産形成ができるメリットがあります。

注意点としては、マッチング拠出とiDeCoを併用することができないため、どちらかを選ぶことになります。

■iDeCoと企業型DCを併用する場合は?

企業型DCとiDeCoを併用する場合は、事業主掛金とiDeCoの掛金(個人拠出)の合計額が月額5.5万円を超えない範囲で拠出します。

■企業型DCの運用方法

自身の年齢やリスク許容度、目標とするリターンなど総合的に考えながら、ポートフォリオ(資産配分)を決めます。リスクをとって、リターンを狙うなら、株式型の投資信託をメインにして運用して、年齢が上がるごとに債券型の投資信託にシフトするなど、定期的に調整(リバランス)を行い、ご自身で将来の年金を育てていくイメージです。

運用時のポイントは、元本が増えるリスクも減るリスクも高めな「株式型」や元本が増えるリスクも減るリスクも控えめな「債券型」にするのか、という点。株式型や債券型でも、国内か海外かによってもそれぞれリスクが異なります。ご自身のリスク許容度を考えながら、「分散投資」をして、ポートフォリオを作っていきます。

また、企業型DCは「長期運用」を目的としているため、一時的な相場に一喜一憂することなく、毎月コツコツと運用を続けつつ、年齢やライフイベント発生時などに適宜、資産配分を見直す「リバランス」を行い、調整をしながら運用します。

■企業型DCの受け取り方は主に3つ

受け取りは原則60歳以降、規約で定められた期間(60~75歳)までに受け取り開始時期を決めることができます。

主な受け取り方法は、一度に資産を受け取る「一時金」(一括受取)、5~20年などの期間で分割して受け取る「年金」(分割受取)、一部を一時金、残りは年金で受け取る「併用」(一時金と年金の併用)があります。

■企業型DCのメリット/デメリットとは?

企業型DCのメリットは、税制面でのメリットが複数あること。拠出する掛金が全額所得控除となって所得税・住民税が軽減されますし、運用益は非課税で再投資されます。そして、受取時に一時金で受け取る場合は、「退職所得控除」が適用され、年金で受け取る場合は、「公的年金等控除」が適用されます。

また、運用次第では大きなリターンを得る可能性もあり、株式型などで運用した場合は将来のインフレリスクにも備えることができる点もメリットと言えるでしょう。他にも、口座管理手数料が無料または、安価であることがほとんどなため、効率的に資産運用をすることができます。

転職・退職時には、企業型DCを転職先の企業型DCまたはiDeCoに移管して運用を継続することができる「ポータビリティ制度」があるので、転職や退職を考えている人はこちらもチェックしておきましょう。

一方で、企業型DCのデメリットは、リスク性のある金融商品で運用している場合は、プラスになる可能性もあれば、反対に元本割れになる可能性もあり、必ずしも運用益が出るとは限らない点です。

そういった意味でも、運用は全て自己責任の下で行います。そして運用の際の金融商品が一般的な証券口座と比べて少ないため、選択肢が限られてしまう場合があります。

そして、原則60歳までは引き出しができないため、急にまとまったお金が必要になっても、引き出すことができません。他にも年金として分割受取をした場合、他の所得との合算となり、税金が高くなる場合があるので、受取方法に注意が必要です。

まずは、企業型DCの運用状況を確認して、リスク許容度を再確認して、ポートフォリオを組み替えるリバランスを行いましょう。さらに年金に上乗せさせたい場合は、マッチング拠出がある場合は上乗せしたり、ない場合はiDeCoで上乗せする方法があります。

ただし、原則60歳までは引き出しができないため、ライフイベントの柔軟性に欠ける面があります。その場合はNISA口座を利用した資産運用をおすすめします。

令和のマネーハック138

年末調整で必要な書類は人によって異なるので、自分が用意しておくべき書類はどれか事前に要チェック。特に今年転職した人は前職の源泉徴収票が手元にあるか確認しましょう。

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(文:丸山晴美、イラスト:itabamoe)

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