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バッド・バニーがマヤ文明のお宝にタッチ。セレブのやらかし心理を探る【ピーチズのOM(F)G!】

  • 2026.1.11
Michael Buckner / Getty Images

成功が公に数字として可視化されるインフルエンサーやコンテンツクリエイターにとって、人々の注意を惹くことは、良くも悪くも“勝ち”を意味する。しかし、バズりを目的とした過激な行為が後を絶たない。こうした問題が浮上するなかで、アーティスト、バッド・バニーの奇行が波紋を呼んだ。バッド・マナーが目立つセレブたちを人気長寿連載セレブウォッチャーPeachesが探る。

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古代の至宝に触れる

12月17日にメキシコ公演を終えたラッパーのバッド・バニーは、メキシコシティにある国立人類学歴史研究所(INAH)を観光。プエルトリコ出身の彼は南米文化に興味があったのだろう、管理職員がガイドを務める個人ツアーに申し込んでいた。ツアーを終えたバニーは、博物館内のマヤ文明の石板と思われるものに手を置いている写真をインスタグラムのストーリーにアップ。そもそも博物館や美術館で展示物に触れるのはNG行為で、赤ん坊や幼児ならいざ知らず、34歳のバニーも当然ルールを守るべき。ファンの間でも「常識がない」「歴史的遺物をリスペクトしていない」「セレブだから何をしても許されると思ったら大間違い」といった批判の声が高まった。

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もちろん被害にあったINAHもインスタ投稿に激怒し、Xを通じて声明を発表。曰く「周知の事実であるように、考古学上の品々への物理的な接触は禁止されています。個人ツアーにはINAH管理職員が常に同席していました。アーティストが石碑に手を置いた際、管理職員は作品に触れてはならないと繰り返し指示し、アーティストは手を引っ込めました」と写真が撮影された直後にバニーが係員から厳しき叱責されたことを明らかにした。INAHはこれまでマヤの石碑の発見はもちろん、その研究・保存において大いに貢献してきた。だからこそバニーが石板に手を触れている写真をSNSにアップしたことで、真似する人が現れる危険性を危惧したに違いない。

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遺跡の立ち入り禁止エリアに侵入する

こうしたやらかし行為は、バッド・バニーだけではない。SNSの発達と共にインフルエンサーと称される人々が昨今、軽率で無謀なスタント行為によって世界各地の遺跡や史跡、文化遺産を破壊しているのだ。

例えば昨年、人気ユーチューバーのミスタービーストは、撮影チームを率いてメキシコ入りし、チチェン・イッツァのエル・カスティージョやカラクムル、バランカンチェなどのマヤ寺院を見学。彼が足を踏み入れた遺跡のいくつかは、考古学者でさえ立ち入りが許可されていない場所だと動画中で豪語。重要な歴史的遺産を損なわせる可能性がある人物になぜメキシコ国立考古学歴史研究所が許可書を発行したのかを問う声が上がり、さらにはミスタービースト自身が許可書を破り捨てるというパフォーマンスを披露した結果、裁判沙汰に発展している。

遺跡に向かって石を投げる

また昨年8月にはランブロスとして知られているインフルエンサーのオーストラリア人兄弟が遺跡を破壊したとして批判を浴びている。彼らは英国がん研究基金(Cancer Research UK)のために募金を集めようとイギリス各地を走り続ける動画をSNSにアップしているのだが、スコットランドのハイランド地方キングッシー近郊のルースベン兵舎で遺跡の石を投げる姿をSNSに投稿。この廃墟となった砦は、1700年代にジャコバイトの拠点だった場所で、スコットランド歴史環境局が管理している。SNSを見た人々から多くの通報が寄せられ、同局が調査をしているが、罰金刑に処せられる可能性もある。

飛行機をわざと墜落させる

文化遺産や史跡に敬意を払わない行為をした結果、実刑を受けるインフルエンサーもいる。元オリンピック選手で、その後はユーチューバーとして活動していたトレバー・ジェイコブは、危険なパラシュート・ジャンプを撮影するためにロス・パドレス国立森林公園に飛行機をわざと墜落させたことがアメリカ航空局の調査で明らかに! 検察との司法取引の結果、懲役6ヶ月の判決を受けている。

Anadolu / Getty Images

「いいね!」で遺跡が危険にさらされる時代

視聴回数アップに走るユーチューバーや「いいね!」欲しさのインフルエンサーによる過激な行為はエスカレートする一方で、エジプトにあるギザのピラミッドやイタリアの古代都市マテーラ、ユネスコ世界遺産に登録されているドーセット州のダードル・ドア、ユネスコ世界遺産シャフレ・ソフテの南に位置するタスキ遺跡といった文化遺産や史跡がインフルエンサーによって次々と荒らされている。憂慮すべき事態なのだ。

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メキシコの法律では、博物館の遺物や考古学的遺物に触れたり、損傷させたり、持ち去ったりした者は、罰金または懲役刑に処せられる可能性がある。バニーは叱責されてすぐに手を離したというから、法的処置は多分、課せられないだろう。バニー側からはまだ謝罪コメントが出ていないので、石板に触ってしまった心理状態は不明だが、子供のような好奇心からだったかもしれない。ただしその姿を撮影させ、SNSにアップしたのは、言い訳ができないほど迂闊な行動。二重の意味でバッド・マナーだった。

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