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私が好きな冒険の本と映像。教育者、作家・鳥羽和久

  • 2026.1.7
石橋瞭 イラスト

“今”に全身で翻弄され変容することこそ冒険

僕の思う冒険は、世界に対して徹底的に受動的になり、外界の刺激を一身に受けて、自分が変化していくものです。そのためには“今”に身を開かなくてはなりません。「今しかないじゃん、時間って」は映画『WE ARE LITTLE ZOMBIES』のセリフ。

主人公は孤児になった4人の13歳ですが、彼らは親が死んでも泣けず、自分たちを感情のないゾンビのような存在だと感じています。そんな彼らが「感情を手に入れるための冒険」に出る。過去にとらわれず、未来に期待せず、今にフォーカスする態度はまさに冒険的です。

映画『WE ARE LITTLE ZOMBIES 』
©2019 “WE ARE LITTLE ZOMBIES” FILM PARTNERS

Information

映画『WE ARE LITTLE ZOMBIES 』 DVD

『WE ARE LITTLE ZOMBIES』

少年少女は心を取り戻すべくバンドを組む。'19日/監督:長久允/出演:二宮慶多ほか/ソニー・ミュージックソリューションズ/4,180円(DVD)。

カヴァフィスは“今”を書き続けたギリシャ詩人。その詩は、香りや視線、肌の触れ合い、空気の湿り気を克明に描きます。過去を言葉の力で今の感覚として蘇らせ、鮮烈な出来事とともに生き続ける。彼がエジプトのアレクサンドリアからほとんど出なかったのは、詩によって冒険ができたからかもしれません。

『カヴァフィス詩集』著:コンスタンティノス・カヴァフィス
著者は19世紀から20世紀にかけて、アレクサンドリアで役人として働いたギリシャ詩人。全154詩に、感覚と官能が横溢する。著:コンスタンティノス・カヴァフィス/訳:池澤夏樹/岩波文庫/1,364円。

profile

石橋瞭 イラスト

鳥羽和久(教育者、作家)

とば・かずひさ/1976年福岡県生まれ。地元で10代と関わりながら世界を旅する。25年夏『光る夏 旅をしても僕はそのまま』(晶文社)を刊行。

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