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分析データから見えてきた最新スイング!プロの左腕は伸び切らない

  • 2025.12.31

近ごろ最先端の解析が、ゴルフスイングの研究と指導に多数の新常識をもたらしているのをご存じだろうか。スイング動作はより“リアル”が明確になって、ゴルフ界で大きな反響を得ている。確実に上達する時間を短縮させるそのロジックを、毎月お届けしよう。

分析データから見えてきた最新スイング①プロの左腕は伸びきっていない

分析データから見えてきた最新スイング!プロの左腕は伸び切らない
腕が伸びているように見えても、実際はゆとりがある状態になっていることが多い

バックスイングからトップ、ダウンスイングからインパクトにおけるすべてのポジションで、左腕を一生懸命伸ばそうとがんばっている人が多いですね。実際に多くのプロの写真を見ても、バックスイングやトップ、ダウンスイングで左腕を「伸ばしきっている」ように見えます。

雑誌などでも、そのように説明されていることが多かったと思います。しかし、左腕は「真っすぐ伸びきってるように見えても、伸びきっていない」人も、たくさんいることをGEARSが明らかにしています。もしかしたら曲がったままのほうが、リキまなくなってよくなるのかもしれません。

「少しゆとりがある状態」でスイングすると、飛距離も正確性もよくなるケースは多いのです。実際、最近のトッププロたちの写真を見ても、左ヒジが曲がっているパターンは案外増えてきています。

インパクトゾーンで「リリース」が重視されていたころは、確かに腕が伸びているプロが多かった。最近主流となったインパクトゾーンでの腕の動きは「ホールド」の感覚が強いこともあり、ヒジが曲がっているプロが多くなってきている

分析データから見えてきた最新スイング②ゆっくりていねいに上げなきゃいけないわけじゃない

分析データから見えてきた最新スイング!プロの左腕は伸び切らない
バックスイングをゆっくり上げると、ダウンスイングのどこかで一気に加速しようという動きが入りやすい傾向がある

バックスイングについて「ゆっくりテークバックしましょう」とよく言われます。日本中、ゆっくりテークバックすることがゴルフスイングでは常識、必須、真理だと思っている人があふれている気がします。GEARSでは、スイングにかかる時間もわかります。

動き始めてからどのくらいでトップに上がるのか。そしてインパクトまでは?さらにフィニッシュまではどのくらいかかっているのか。動き始めてから終わるまで、スイング全体にかかる時間を見ると、人によって大きなバラつきがあります。

でも、トップからインパクトまでの時間は、驚くほど、みなさん、大差ないのです。これは不思議ですよね。もちろん、体格や年齢、性別、そして技術レベルによって違いは出ますが……。大きく違うのはバックスイングにかかる時間です。

そして、その違いが、スイングの安定度と結びついていることがおぼろげながら証明されています。動き始めからトップまでに時間をかけすぎている人は、結果が安定しなくなる傾向があります。インパクトに必要なスピードに達していないことがわかっていますから、どこかで急加速させようとします。

それが動きの乱れを生んでしまうのでしょう。うまい人ほど、動き始めからトップまでにかかる時間は短い。これはデータが証明しています。紙とペンを用意し、横に真っすぐ線を書いてみてください。往復で、返りは行きの線をなぞるように。

行きはゆっくり、返りは速く。行きもゆっくり、返りもゆっくり。行きは速く、返りも速く。どれが一番きれいになぞれていますか。スイングもそのパターンで行うといいと思います。

分析データから見えてきた最新スイング③「時間」で飛距離を伸ばすことができる!

分析データから見えてきた最新スイング!プロの左腕は伸び切らない
左:バックスイング 0.786sec、右:バックスイング 1.229sec左:ダウンスイング 0.218sec、右:ダウンスイング 0.274sec左がプロ、右が一般アマチュアのアイアンショットのスイングデータ。プロはバックスイングからトップまでに0.786 秒、トップからインパクトまでは0.218 秒の時間をかけ、ヘッドスピードは41.5m/ 秒。アマはトップまで1.229 秒、インパクトまでは0.274 秒でヘッドスピードは34.0m/ 秒。体格や筋力以上にヘッドスピードに差が出ているが、その原因のひとつはバックスイングの早さの違い。ていねいにバックスイングを上げてもメリットがないどころか、速く上げたほうがメリットが得られることをこのデータが示している

誰でも1ヤードでも遠くへ飛ばしたいと思っていますよね。そのためにクラブを替えたり、シャフトを替えたりするわけです。それもひとつの方法で、間違いありません。自分に合う道具を使えば、飛距離は伸びます。まさに、お金で飛距離は買えると言っても過言ではないのです。

それについては、フィッティングのできるプロショップやメーカーのラボなどを利用してください。そうではなくて、お金かけずに飛距離を伸ばすなら……。その方法もあるのです。バックスイングからインパクトまでに費やす時間を短くする。バックスイングからトップ、そして切り返してインパクトまで。

そこまでの時間を短くしたほうが、飛距離を出すには有利だということもGEARSのデータで出ているのです。もちろん、例外はここにもあるのですが、大多数はそうです。時間が短い、ということは、それだけスピードが速くなっているということですから、飛距離につながるわけですね(それと比例して失敗も多くなるのがたまにきずではあります。いいことだけではありませんね)。

スピードは時間です。時間の短縮が飛距離アップに。ただし、速く振るということは、その速さに自分の体の反応も合わせなければいけないということでもあります。

いかがでしたか? ぜひ、解説を参考にして練習してみてください。

解説=奥嶋誠昭
●おくしま・ともあき/1980年生まれ。スイング解析システム「GEARS」や弾道測定器「フライトスコープ」など最先端の機器を駆使した指導に定評のあるツアーコーチ。ヒルトップ横浜クラブ内の「ノビテックゴルフスタジオ」でレッスン活動も行う。ノビテック所属。

YouTube チャンネルーーーby 奥嶋誠昭
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