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【発達っ子の中学受験】厳しすぎる現実と向き合うための親の心得──苦手が多い発達っ子の学習厳選アイテム6

  • 2025.12.26

発達特性のある“発達っ子”にとって、中学受験は「努力すれば乗り越えられる壁」ではないことが少なくありません。特性ゆえのつまずきを前に、親はどうサポートしながら中学受験に臨めばよいのでしょうか。発達っ子の学習・教育の専門家であるゴリッキー先生と自閉症スペクトラムとADHDの診断ある境界知能の中1男児(公立中学校・情緒特別支援学級在籍)を育てるモンテッソーリ教師のりっきーさんの対談記事が12月発売のwith class『中学受験準備大全』に掲載されました。本記事では、番外編として、中学受験の厳しい現実と、その中でも親ができるサポートについて伺いました。

ゴリッキー先生✕りっきーさんの対談記事を掲載!

賢い子の先輩ママの体験&知見、専門家のお話をバランスよ...
販売サイトへゴリッキー先生:中学受験の相談を受けていると、「本人が頑張りさえすれば、何とかなるのでは」と期待を寄せる保護者の方は少なくありません。しかし、発達の特性がある子の学習は、本当に大変です。本人の特性を理解してサポートしても、受ける学校によってはどうしても突破できない領域もある、ということを知っておかなければいけません。現実的な話をすれば、一部の私立中を受けた方の中には、発達障害を理由に入学を断られたというケースもあります。これは、学校側に悪意があるわけではなく、点数面では合格点に達していても、その後のサポート体制が整わず、子どもがより苦しむ結果になり得るという判断が背景にあったりします。2024年4月に改正障害者差別解消法が施行され、私立を含むすべての学校で合理的配慮の提供が努力義務から法的義務になり、法的には整いはじめています。でも学校側の理念や教育方針は様々ですし、受け入れる準備や体制が全ての中学校で整っているわけではありません。発達の特性のある子どもの中学受験は、このような過去の事例もあるということを知っておくことで、学校選びの段階から「入学後、配慮はしてもらえるか?」、「理解がある学校か?」など、アンテナを張ることが出来ます。そもそも我が子の特性について、学校側に伝えるor伝えない、という点も、保護者の考え方次第です。学校をリサーチしながら、我が子には何が最善か、考え、見極めることが大切です。りっきーさん:「わが子が、みんなと同じように学習が進まない・勉強できない理由が発達特性かもしれない。頭では理解しても、心が追いつかない」――こういった悩みを抱える保護者の方からの相談を多く受けてきました。これは、子どもの年齢に関わらず、子育てで感じる“違和感”があるなら発達特性がある可能性を視野に入れて、担任の先生や学校カウンセラー、地域の保健センター、発達専門の医療機関など、保護者の方が話しやすいところにまずは相談してみると良いと思います。私は、息子が1歳の頃に“違和感”を覚え始めました。当時「発達障害」という言葉が頭をよぎりながらも、誰かに「違いますよ」と否定してほしい自分がいました。でもやはり「何か違う気がする」という母の勘で、地域の保健センターに相談。ここから息子の発達特性について、さまざまな専門機関に相談・検査を経て……診断がついたのは4歳2カ月でした。長い時間をかけたことで、私の場合はこの間に「息子の発達障害を受け止める」という段階に、いつのまにか進んでいたように思います。この「発達障害・特性がある」という事実を、心の中で少しずつ理解し受け入れていくプロセスのことを「障害受容」と呼びます。【障害受容のプロセス】1:ショック強い精神的な混乱が起こっている状態 2:否認間違いではないかと防御反応が起こり、障害を認めようとしない状態3:悲しみと怒り 悲しみと怒りが押し寄せ、抑うつ状態な気分になる4:適応諦めの気持ちとともに少しずつ現実を受け止めようとしていく5:再起特性を受け止め親としての責任を果たそうとする※乳幼児期の早いうちから違和感を持つなど、少しずつ段階を踏んで診断へ至った場合、上記とは異なる場合もあります。近年では自閉症や知的障害の受容については、最終的に受容していくというよりは、否定と肯定の気持ちが交互に訪れて、心の痛みを経験しては何度も克服を繰り返していく、という考え方もあります。子どもが小学生になり、学習や集団活動が始まったことで“違和感”を感じはじめ、保護者が「発達障害かも……」と感じていたり、「診断はついたけれど受け入れられない!」という障害受容の途中段階なら、子どもとの関わり方に、気をつけておきたい点があります。●なぜ集中できないのか●なぜ同じ失敗を何度も繰り返すのか●なぜテストになるとミスが増えるのか●なぜ周囲の子と同じペースで伸びないのかなど、発達特性によって起こる学習課題だと気づきながらも受け入れられずに、必要以上に叱ってしまったり、感情的になってしまうケースも多いようです。結果、子どもの自信喪失や二次障害、そして親子関係の悪化につながりかねない可能性があります。これは何も中学受験をするご家庭だけに限った話ではありません。自分の子どもが「発達っ子かもしれない⁉」と感じたなら、まずはゆっくり向き合うところから、始めてみるのはいかがでしょうか。そのあとから、特性を考慮した学習方法と学校選びなどを、時間をかけて考えていくことも良いかもしれません。ゴリッキー先生:お子さんが発達障害である事を不運だと感じる親御さんもいるかもしれません。ただ、生涯でみれば3分の2の人が癌になるといわれています。中学・高校・大学……大人になってから、うつ病になる人もたくさんいます。生涯健康で障害と無縁だという方は、そうは多くないと思います。むしろ発達障害ということが子どものうちに分かって、時間をかけて親子で人生の模索ができることは、お子さんの人生にとって、私はいい事だと思います。子どもの進路の先の人生まで想像したとき「どうなるかわからない」というのがすべてだと思います。 ですので、親はありとあらゆる可能性を覚悟した方がいいのかな、と思います。 それは、不登校になるかもしれないし、私立受験を目指しても直前で「受けない」と言い出すかもしれない。私立に受かっても不登校になるかもしれない。通信制・定時制の高校に行くかもしれません。大学を中退することもあります。 大学を中退して専門学校に行きたいとなっても、それも中退することもあります。しかし、理想とした結果ではなくても親子で共に模索しながら歩んできたなら、これまでに到達できた地点、起こったことはすべて最善の結果だと私は思います。それでも子どもの進路が心配なら、発達障害の大人の就労事情について調べてみるのもひとつです。また、ASDとADHDの方が治療的な意味で認知行動療法(※1)を受けるのに一番いい時期は、大学生ぐらいだと私は思います。もちろんそれまでに小さい頃からの療育や学校での配慮、心理カウンセリングなどを重ねていることは、将来にもちろん有効でしょう。ただ、実際にお子さん自身が自分の特性を理解してそれを変化させるために、自分から心理支援を受けるようになるのは、成人前後の時期でしょう。ここまで発達障害の子どもの進路・人生について触れてきましたが、実際に育てていれば“普通”ということがそもそも通用しないわけですよね。でもその普通じゃない道を覚悟すること。お子さんにとってのオンリーワンの進路・人生を、親としてはその時々の状態や結果に一喜一憂せず寛容を身に付けるトレーニングだと思って、共に伴走していくイメージでしょうか。成人するまでは共に生きることを目標に置いて、親子で歩んでもらえると良いのではないかと思います。※1 認知行動療法:考え方(認知)と行動の関係に注目し、偏った受け取り方や行動パターンを見直す心理療法。専門家と共に現実的な考え方を練習し、ストレスや不安、生活上の困りごとの軽減や再発予防を目指す。りっきーさん:私は息子(長男)に診断がついたとき、真っ先に心に浮かんだのは“18歳のタイミングでの自立や成人後のこと”です。いま長男は中1、次男は小3でこれから中学進学について考える時期が迫っていますが、一人ひとりの発達・成長のスピードや取り巻く環境は違います。だからこそ私が意識していることは、「現在地からの目標設定とあわせて、俯瞰して将来の目標から逆算してみる」ということです。目先の課題ばかり見てしまうと、できないことがありすぎて焦りが募ってしまいます。だけど俯瞰することで「今はできなくても、大人になった時にはできるかも」と、トゲトゲした気持ちを和らげることができます。そして、悩みに囚われそうなときは「困っているのは子どもか、保護者(や、周りの大人)か」という視点で一度立ち止まってみることも大事です。もちろん周囲に危険が及ぶようなことは大人が止める必要がありますが、子ども自身が困っていない場合には、あえて深く踏み込まず見守ることが大切な場面も、あるのかもしれません。私たち保護者は、子どもの困りごとに直面するとついつい先回りして手を貸したくなります。ですが子ども自身が自分で気づき、解決しようとするタイミングを待つことが、将来の進路・そして人生の自立につながることもあると思います。発達っ子の学習・教育の専門家のお二人、ゴリッキー先生とりっきーさんが、実際におすすめしている、発達っ子の学習をサポートするアイテムはこちら♪障害児教育の専門家と作った、発達障害のある子ども向けの学習机。落ちついて机に向かうのが苦手な子たちが、落ちついて座れ、しっかり学習に集中できるように設計されています。視界を制限する大きなパーテーションが特徴で、両サイドと正面のパーテーションはワンタッチで開閉可能。パソコンやタブレット端末を利用して、文字・音声・画像を同時に再生するデジタル録音図書。通常の教科書と同じテキスト、画像を使用し、テキストに音声をシンクロ(同期)させて読むことができます。ユーザーは音声を聞きながらハイライトされたテキストを読み、同じ画面上で絵を見ることもできます(使用にあたり申請が必要。教育委員会、学校図書館、本人、保護者、支援者、教員、特別支援教育コーディネーター等が申し込むことができる)。スマホやゲーム機など、やめられないアイテムをケースに入れて鍵をかけることができるアイテム。一定期間ふたをあけられず、使い過ぎを防止できます。どうしても自分でやめられずに困っている子ども向けです(通販サイトなどで購入可)。
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