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「NHKでやるとは予想外…」“待望の地上波放送”にファンが沸いた『至高アニメ』…伝説の漫画家らしさ溢れる“圧巻の完成度”

  • 2026.1.19

NHKのアニメには、不思議な余白があります。派手に泣かせたり笑わせたりしないのに、観終わったあとに少しだけ世界の見方が変わっているのです。今回は、そんな中から“NHKの傑作アニメ”を5本セレクトしました。

本記事ではその第3弾として、アニメ『SAND LAND』(NHK総合)をご紹介します。伝説の漫画家・鳥山明先生による短編漫画を原作としており、2025年に待望の地上波放送が実現した作品です。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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GoogleGeminiにて作成(イメージ)
  • 作品名(放送局):アニメ『SAND LAND』(NHK総合)
  • 放送期間:2025年6月28日~2025年9月27日

魔物も人間も、深刻な水不足にあえぐ砂漠の国・サンドランド。国民は国王が販売する高価な水だけを頼りに生活していました。正義感にあふれる人間の保安官・ラオ(CV:山路和弘)は、“幻の泉”を探す旅に出ることを決意し、魔物たちに協力を依頼します。悪魔の王・サタン(CV:大塚明夫)の息子であるベルゼブブ(CV:田村睦心)は、ラオとお目付け役の魔物・シーフ(CV:チョー)とともに幻の泉を求め、旅へと向かいます。

自分のワルぶりをアピールする子どもっぽさもありながら、襲いくる敵をなぎ払う戦闘力を持つベルゼブブ。村の保安官として人望があり、魔物たちにも紳士的に接する人格者のラオ。そして、じつはベルゼブブとあまり年齢が変わらないにもかかわらず、見た目と話し方で老人扱いされている盗みが得意なシーフ。ベルゼブブたちとの旅を通して、ラオは魔物が“人間の敵”ではないことに気づいていくのでした。

鳥山明先生らしさがあふれる『SAND LAND』

本作は、『ドラゴンボール』『Dr.スランプ』を手がけた故・鳥山先生の作品らしいポップなキャラクターデザインと、乾いた世界観の組み合わせが視聴者を惹きつけます。可愛らしい悪魔の少年であるベルゼブブと、荒廃した砂漠や軍事国家が同時に存在することで、どこかユーモラスでありながら、現実の社会問題にも通じる重さを感じさせるのです。

アニメ版では原作のストーリーを土台にしつつ、新たなエピソードやキャラクターが追加され、世界観がより立体的に描かれる点も見どころです。軍と民間人の対立、悪魔と人間の関係性などがていねいに掘り下げられ、旅の一つひとつが物語全体に意味を持つようにつくられています。

また、メカデザインも鳥山先生らしい魅力にあふれています。砂漠を駆け抜ける戦車やバイクによるアクションが生み出しているのは、アニメならではの爽快感。『SAND LAND』は、世代を問わずに楽しめる冒険ファンタジー作品だと言えるでしょう。

映画化と独占配信を経て、待望の地上波放送へ

鳥山先生による短編漫画を原作とした『SAND LAND』は、2023年8月18日にアニメ映画が公開されました。そして、2024年3月20日よりディズニープラスにて『SAND LAND: THE SERIES』として世界独占配信され、2025年6月28日よりNHK総合にて地上波放送が実現したのです。本作についてSNSでは「鳥山明先生の名作」「待ちに待った地上波放送」「NHKでやるとは予想外…」との声があがりました。

独占配信とは、特定の動画配信サービスだけで視聴が可能で、ほかでは観られない作品のことです。制作クオリティが向上するというメリットがある一方で、視聴層が狭まり、話題になりにくいという一面があります。しかし、本作は劇場公開・独占配信を経て地上波での放送が叶ったことで新規視聴者の獲得に繋がり、さらに広く認知されることとなりました。

『SAND LAND』は、鳥山先生が描き続けてきた“冒険”と“友情”の結晶のような物語です。本作には派手な必殺技も宇宙規模の戦いもありませんが、人間的なあたたかさがあります。笑って、転んで、助け合って前に進む――そのシンプルな楽しさこそが鳥山先生の手がける作品の核心なのだと、あらためて教えてくれる傑作です。


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari