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「地上波でやってたの?」“あまりの過激シーン”に視聴者騒然…『国宝俳優』の名演光る至高ドラマ

  • 2026.1.20

もしも目が覚めたら、自分が密かに憧れていた“他人”になっていたとしたらー。それは救いでしょうか、それとも破滅でしょうか。ドラマ『ぼくは麻理のなか』(フジテレビ系)は、孤独と欲望、そして自己否定を抱えた青年が、決して踏み込んではならない一線を越えてしまった先に始まる、危うくも目が離せない過激なミステリードラマです。社会からこぼれ落ち、誰にも必要とされていないと感じていた小森功が、偶然(あるいは必然)手に入れてしまった“別の人生”。その甘美さと不気味さは、観る者の心にじわじわと侵食してきます。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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エル シネマアワード2025 吉沢亮(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『ぼくは麻理のなか』(フジテレビ系)
  • 放送期間:2017年10月16日〜2017年12月4日
  • 出演者:池田エライザ、吉沢亮、中村ゆりか、西田尚美 ほか

本作は2017年10月16日からの地上波放送に先駆けて、2017年3月31日にFODで全8話一挙ライブストリーミング配信されています。

友達作りに失敗してしまったことが原因で大学に行けなくなり、ゲームと自慰行為に明け暮れる小森功(吉沢亮)。唯一の楽しみはコンビニエンスストアで見かけた名前も知らない女子高生を尾行することでした。いつものように女子高生を尾行している時、小森は突然気を失ってしまいます。

そして朝、目を覚ますと、ある“異変”が起こっていたのです。なんと鏡に映っていたのは、吉崎麻理(池田エライザ)という美少女。麻理は、小森が行きつけのコンビニで度々遭遇し、「コンビニの天使」と密かに呼んでいた女子高生でした。小森は麻理のなかに入ってしまったのです。小森は麻理としてどうにか日常を過ごそうと奮闘しますが、クラスメイトの柿口依(中村ゆりか)にだけは、何かがおかしいと思われバレてしまいます。

麻理のなかの小森と依は、いなくなった麻理を探すため行動を共にするようになるのですが、謎は深まる一方で――

謎が謎を呼び、数々の伏線が見事に回収されていくミステリードラマです。

「入れ替わり」という異常な状況が生む圧倒的な引き込み

ドラマ『ぼくは麻理のなか』は、押見修造さんの原作マンガ『ぼくは麻理のなか』(双葉社)を映像化した作品です。このドラマの最大の見どころは、ごく普通の男子大学生・小森がある朝突然、女子高生・麻理の体で目覚めるという想像を超えた展開。しかも、小森の体には別の“麻理”がいて、本物の麻理の意識はどこにもない、という不可解な状況から物語が始まります。視聴者は「なぜ入れ替わったのか?」「麻理はどこへ?」という謎に引き込まれ、先の読めない展開に引き込まれていきます。

単なるファンタジー入れ替わりものではなく、“他者の体で過ごす”という極限状態の主人公の心理ドラマが中心となっている点が、本作が他とは一味違う部分です。

小森は他人の生活を模倣するだけでなく、麻理の人間関係や家族背景など“麻理の人生”を体験することで、自分自身や他者との関係について深く考えさせられるようになっていきます。観ている側も自己と他者の境界について考えさせられるのが大きな魅力の一つです。

深まる謎とラストに向かう伏線、解きたくなるミステリー

ドラマ全編を通じて提示される数々の謎が、徐々に紐解かれていく過程も見逃せません。「入れ替わりの真相」「麻理の消失」「何が現実で何が錯覚なのか」といったテーマは、単純な答えに落ち着かず、観る者の想像力を刺激します。

原作マンガの複雑さを活かした物語構成と、映像ならではの演出によって、最終話に向かって深まるミステリー性が高い満足感を与えてくれるはずです。

SNSの声を見てみると、特に過激シーンについて「地上波でやってたの?」「生々しすぎる」とドラマの攻めた姿勢に驚く声が相次いでいます。制作陣の原作リスペクトのプライドを感じますし、作り手も望んでいた声なのではないでしょうか。

日本を代表する俳優・吉沢亮の技量と池田エライザの影のある演技に魅了される一作

映画『国宝』での大ヒット、そして『国宝』での血の滲むような役者としての努力と、それが開花しまさに代表作を得た吉沢亮さん。これまでにも大河ドラマ『青天を衝け』の主演をつとめ、若き日本のエース、日本を代表する俳優へと成長してきました。

しかし、吉沢亮さんといえば、映画『ババンババンバンバンパイア』や『銀魂』などでコミカルな役柄もこなすカメレオン性も持っている才能豊かな俳優です。そんな吉沢亮さんが本作で魅せた気持ち悪さを内包した難しい役どころは、実写化が困難と言われていた『ぼくは麻里のなか』を見事に際立たせました。

また、本作でヒロイン・麻理を演じたのは池田エライザさんは、どこか影のあるアンニュイな雰囲気やその美少女ぶりを見事に演じきっています。小森が夢中になるのもわかってしまう、見事なハマり役と言えるでしょう。池田エライザさんのミステリアスな雰囲気が、ミステリー要素のある本作にただならぬ妖気ともいえるような空気を漂わせています。その魅力に惹かれてしまったが最後、観る者も麻理のトリコになってしまうくらいの吸引力です。

タイトルの意味を噛みしめる

ドラマ『ぼくは麻理のなか』は、謎解きの快感や入れ替わりの奇抜さだけで終わる作品ではありません。物語が進むにつれて浮かび上がるのは、「自分とは何者なのか」「他人を羨むことの行き着く先はどこなのか」という、誰もが心の奥に抱えている問いです。

吉沢亮さんと池田エライザさん、二人の存在感ある演技が交錯することで、この物語は単なるドラマを超え、観る者自身の内面を映し出す鏡となって迫ってきます。観終えたあと、タイトルの意味をもう一度噛みしめずにはいられないー、そんな強烈な余韻を残す一作です。


※執筆時点の情報です