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寒暖差に注意! 最近よく聞く「冬バテ」って? どんな症状を感じている?【働く女性にアンケート】

  • 2025.12.24

「最近、なぜか胃腸の調子が悪い」「冬がきてから寝起きがすっきりしない」とお悩みの方はいませんか? もしかしたらあなたが最近感じている体の不調は「冬バテ」かもしれません。

「冬バテ」とは冬の寒暖差や日照不足、生活リズムの乱れなどにより、自律神経や神経伝達物質のバランスが崩れることによって起こる心身の不良を指す言葉ですが正式には医療用語ではなく、冬に起こりがちな気分の落ち込みや冷えによる胃腸障害、体温調節障害、睡眠障害、体のだるさなどを総じて言うことが多いようです。

今回は20代~30代の働く女性たちに「冬バテ」に関するアンケートを実施。働く女性の約半数が、冬の不調を感じながら働いているという実情がありました。

■「冬バテ」という言葉を聞いたことはある?

Q1.「冬バテ」という言葉を聞いたことはありますか?

はい:37.4% いいえ:62.6%

Q2. 現在、「冬バテ」を感じていますか?

はい:52.0% いいえ:48.0%

「冬バテ」の認知度は4割以下。ですが、「冬バテ」の症状を説明したうえで「今、冬バテを感じているか」を質問したところ、半数以上の人が「冬バテを感じている」と回答しました。

はっきりとした症状は説明できないけれど、なんだか不調が続く……そんなお悩みを持つ方が「もしかして、冬バテなのかも?」と思っているようです。

■これって冬バテ? 働く女性が今、気になっている不調

「冬バテを感じている」と回答した人に、具体的にどのような不調を感じているのか聞いてみました。

「寒すぎて体が凝り固まり、節々が痛い」(32歳/医療用機器・医療関連/事務・企画・経営関連) 「外は寒いのに屋内に入ると暖房が暑く、体温調節がうまくできない」(35歳/物流・倉庫/営業関連) 「冷えからくる疲労や腰痛に悩んでいる」(29歳/教育/専門サービス関連)

体が冷えることで肩こりや腰痛、疲れを感じている人が多い結果に。屋外と室内の寒暖差は夏も感じていた人が多いと思いますが、冬は夏の真逆で外は寒く中は暑い……着るものに悩まされている人も少なくないようです。

電車やオフィスなど暖房が効いている場所で適切に体温調節ができるように、脱ぎ着しやすいコーディネートにする、着脱が簡単な防寒具を選ぶなどの工夫が必要なのかもしれません。

「起床時、冷えでぐったり。なかなか起きれない」(38歳/その他/販売・サービス関連) 「寒さで寝つきが悪く、夜中に目が覚める」(38歳/レジャーサービス・アミューズメント・アート・芸能関連/事務・企画・経営関連)

他にも、睡眠に関する不調を感じている人も見られました。足元が冷えてなかなか眠れない……という経験は多くの人が経験あるのではないでしょうか。

■冬の不調にどう対処する? お医者さんに聞いてみた

アンケート結果から、働く女性であるマイナビウーマン読者の半数以上が「冬バテ」を感じていることがわかりました。ですが、冬バテを対処していくには、そして予防していくにはどうしたら良いのでしょうか? 今回は中路幸之助医師に、「冬の不調」をテーマに書面取材を実施しました。

――そもそも「冬バテ」と言われている症状は何か教えてください。

冬になると、体がなんとなくだるかったり、いくら寝ても疲れが抜けなかったり、胃腸の調子がいまひとつだったりと、漠然とした不調を訴える人が増えてきます。最近では、こうした状態をまとめて「冬バテ」と呼ぶことがありますが、これは正式な医学用語ではありません。

医学的にみると、寒暖差や日照不足、生活リズムの乱れなどが重なって自律神経の働きが乱れることが、こうした不調の中心にあると考えられます。

冬バテの症状は人によってさまざまですが、特徴的なのは全身のだるさ、冷え、肩こり、胃腸の不快感、そして睡眠の質の低下などがあります。

朝起きて体が重くやる気が出なかったり、肩や腰のこりが取れにくかったり、夜中に目が覚めてしまい、眠りが浅くなったりと、日々の生活にじわじわと影響を及ぼします。また、胃もたれや便秘、食欲不振といった消化器症状が現れることも多くなります。

これらの不調の背景には、寒さによる血流の低下やホルモン分泌の乱れが関与していると考えられます。放っておくと慢性疲労や免疫力の低下にもつながり、感染症にかかりやすくなる恐れがあります。

――「冬バテ」の原因は何か教えてください。

冬バテの原因の正体は、自律神経の疲れにあると考えられています。人間の体は、気温や環境の変化に応じて体温や血流を調整していますが、その中枢を担うのが自律神経です。冬は屋外と屋内の温度差が10℃以上にもなることが多く、体はそのたびに血管を収縮させたり拡張させたりして体温を保とうとします。

この「寒暖差ストレス」が積み重なることで、自律神経は疲弊し、体温調節や消化、睡眠といった機能にも次第に乱れが生じます。さらに、冬は日照時間が短くなるため、心の安定に関わる神経伝達物質であるセロトニンの分泌が減少しやすくなります。

その結果、気分が沈みがちになったり、朝すっきりと目が覚めなかったりといった精神的な不調も重なり、「なんとなく調子が悪い」という状態へとつながっていくと考えられます。

――「冬バテ」を感じたらどう対処すればよいか教えてください。

冬バテを感じたときには、どのように対処すればよいのでしょうか。まず大切なのは、体をしっかり温める習慣を持つことです。入浴はシャワーだけで済ませず、38〜40℃ほどのお湯に10分ほどゆっくり浸かると、全身の血流が改善し、副交感神経が優位になってリラックスできます。

体の芯まで温まることで、眠りの質も上がります。仕事の合間や就寝前に温かい飲み物を少しずつ飲むのも、内側から血流を促す効果があります。

もう一つのポイントは、朝の光を意識的に浴びて体内時計をリセットすることです。朝起きてから30分以内にカーテンを開けて太陽光を取り入れると、セロトニンの分泌が活性化し、心身のリズムが整いやすくなります。

セロトニンは夜になるとメラトニンに変わり、自然な眠りを誘うため、昼夜のリズムが乱れがちな冬ほど意識して行いたい習慣です。たとえ寒くても、日中に短時間でも外に出て自然光を浴びるだけで、体調管理に良い影響をもたらします。

適度に体を動かすことも、自律神経を整えるうえで重要です。寒さが厳しいと外出をためらい、運動不足になりがちですが、筋肉を動かさないでいると血流が滞り、体温維持も難しくなります。

ウォーキングや軽いストレッチといった無理のない運動を日常生活に取り入れるだけでも十分と考えられます。たとえば通勤の一駅分を歩くだけで体は温まり、代謝も上がるでしょう。

また、栄養バランスの良い食事も重要です。冬は代謝が落ちやすく、体内でエネルギーを生み出す力が低下しがちです。疲労回復を助けるビタミンB群、日照不足によるビタミンDの欠乏を予防する食品、神経の安定に役立つ鉄やマグネシウムを意識的に取りましょう。魚や豆類、卵、根菜、発酵食品等を取り入れることで、体を内側から整えることができます。

食事を抜いたり、極端な糖質制限を行ったりすると、自律神経に負担をかけ、冬バテを悪化させる原因になると考えられます。

さらに、良質な睡眠も欠かせません。眠る一時間前にはスマートフォンやパソコンの使用を控え、照明を落としてリラックスできる環境を作りましょう。手足の冷えが強い人は、湯たんぽやレッグウォーマーを使うことで寝つきが良くなります。睡眠中は自律神経が最も整いやすい時間帯なので、「しっかり休む」こと自体が治療になります。

――「冬バテ」を予防するにはどうすれば良いか教えてください。

冬バテを未然に防ぐためには、寒暖差と生活リズムを整えることが何より大切です。暖房の効いた屋内と屋外を行き来する際は、体温を素早く調整できるよう重ね着を工夫し、簡単に脱ぎ着できる服装を選びましょう。極端な温度差を減らすことで、自律神経への負担を軽くできます。

また、休日だからといって昼過ぎまで寝るのではなく、なるべく同じ時間に起き、同じ時間に食事を取るなど、生活リズムを安定させる意識を持つことも効果的と考えられます。自律神経は規則正しいリズムを好むため、日々のペースを保つだけでも体のコンディションは大きく変わります。

冬バテは特別な病気ではなく、体からの小さな「疲れのサイン」です。しかし、そのサインを見逃すと、慢性的な疲労や睡眠障害へとつながるおそれがあります。体の冷えや気分の落ち込み、朝のだるさを感じたときこそ、自分の生活環境を見直すチャンスです。

寒さや忙しさに追われる冬こそ、「温める」「動かす」「休む」という3つのバランスを整えることが、心身を健やかに保つ最良の「冬バテ」の予防法と考えられます。

(監修:中路 幸之助、編集:マイナビウーマン編集部)

※マイナビウーマン調べ 調査日時:2025年12月4日~12月14日 調査人数:20代~30代女性(171名) 調査方法:Webアンケート

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