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「入居したサービス付き高齢者向け住宅が倒産!!」こんなとき、どうする? 親の【高齢者施設入居】実例

  • 2025.12.24

「入居したサービス付き高齢者向け住宅が倒産!!」こんなとき、どうする? 親の【高齢者施設入居】実例

老いていく親の「少しでも長く家にいたい」という願いをうち消し、施設に入れることは親不孝なのでしょうか? ここでは、読者の体験談とファイナンシャルプランナー・畠中雅子さんに聞いた施設選びのヒントをご紹介します。

親の施設入居体験、我が家の場合

サ高住→賃貸マンション→サ高住

入居したサ高住がまさかの倒産!! 次の施設が見つからず困惑

すみれさん(63歳・神奈川県)
義母が大腿骨骨折で要介護2に。サ高住に入居したが施設が倒産。ワンルームマンションで9年暮らし、再びサ高住に入るも、肝臓がんで2025年に91歳で逝去。

関西で一人暮らしをしていた義母が転倒により大腿骨を骨折したのは80歳のとき。当時、義母が住んでいたマンションは階段があり、夫も私も「施設に移ったほうがいい」と提案した。義母は入居をかたくなに拒否していたが、骨折したときに救急車を呼んでくれた管理人さんや、病院のソーシャルワーカー、ケアマネさんなどが力強く説明&説得してくれたおかげで、病院からまっすぐサ高住に入居となった。

団体行動が嫌いな義母だが、すっかりサ高住での暮らしになじんだある日、突然サ高住の運営会社が倒産! 入居者は全員退所。結局、市街地にワンルームマンションを借り、週3回ヘルパーさんを呼んで暮らすことに。自由気ままな暮らしに義母も、「私は今がいちばん幸せやねん」と笑っていた。もともと義母に貯金はない。施設費用はすべて私たち夫婦が払っていたので、ワンルームに移って費用負担は少し軽くなった。

昨年、義母は再び大腿骨骨折。一人暮らしがむずかしくなり、2つめのサ高住へ。しかし、治療を続けていた肝臓がんの転移が見つかり、あっけなく亡くなってしまった。ひつぎには、義母の好物であるたこ焼きを入れてあげた。

FP畠中雅子さんの施設選びのヒント!

畠中雅子さん
ファイナンシャル・プランナー(FP)。高齢者施設を多数見学し、施設選びについても詳しい。

施設情報は重要事項説明書で確認を

パンフレットや施設が運営するウェブサイトは、「施設側が発信したい情報」なので、基本的にキラキラしたものばかり。「そこには書かれていないリアルな情報を知ることができるのが重要事項説明書です」(畠中さん)。

各自治体で共通の書式になっており、施設の場所や部屋の広さや設備はもちろん、従業員の人数や配置、その勤続年数、利用者の人数や内訳、利用料の支払方法など、入居する人が知っておくべき情報がびっしりと書かれている。

自治体によっては各施設の重要事項説明書をウェブサイトで公開しているので手軽にチェックできるし、施設に電話すればパンフレットといっしょに送ってもらうこともできる。

情報が専門的なので最初はわかりづらいが、比較して見ていくうちに少しずつ「この施設はなんとなく安心かも」などとわかるようになってくるのでぜひ参考に。

アンケートによる皆さんの声

入居後の親の様子、私の気持ち

●母を施設に入れて5年。私は東京、母は地方在住だが、当初はほぼ毎月のように会いに行っていた。しかしコロナ禍で面会できなくなり、久々に会ったときには認知症が進み、私のことがわからなくなっていた。施設に入らなければ、コロナ禍であっても会いに行けたはず。決断は正しかったのか、もっと何かできたのではないかと、後悔している。
(O次郎さん・59歳)

●入居した母が「家に帰りたい」と言うたびに、施設の方々が「今日はこのあと雨が降るから、明日にしたら?」などと言ってくれる。その姿に「プロだな」と感心。施設での母は幸せそうで、「食事もおいしいし、マッサージもしてもらえて助かる」と笑顔だ。私も自分の生活が落ち着き、健康になった。笑顔で母に会えるし優しくもできる。
(Mさん・59歳)

※この記事は「ゆうゆう」2026年1月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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