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彼は「冷たい」んじゃなくて「台本」が違うだけ!?ココロのモヤモヤを解決する魔法

  • 2025.12.23

もやもやを引き起こす「役割期待のずれ」

みなさん、こんにちは。

今回はまず最初に、A子さんが”もやもや”っとした、よく起こりがちなエピソードを共有します…。

ある金曜日の夜。

「今日は久しぶりにお家でゆっくりデート!」と張り切って、ちょっといいワインとお惣菜を買って帰りました。心のなかの「本日の上映プログラム」には、キャンドルを灯して、今日あったことを楽しく語り合う2人の姿が映っています。

ところが、現れた彼はどうでしょう。

「あー疲れた」といいながら玄関に靴を脱ぎ散らかし、ソファになだれ込むなりスマホゲーム…。買ってきた生ハムには目もくれず「あとで適当に食べるわ」の一言。

…はい、ここでA子さんの心のなかのゴングが鳴ります。

「せっかくいろいろ買って、準備したのにサイアク!」

「この人、本当に思いやりがない!」

怒りが湧くやら、悲しくなるやら…。

でも実はこれ、彼の「人格」の問題ではないかもしれません。

医学の技法から学ぶ、人格を否定しない秘訣

対人関係療法という精神療法では、こうした問題を「役割期待のずれ」と呼びます。「役割期待」とは、文字通り「相手にこうしてほしいな」という期待のこと。

今回のケースで言うと、

・あなたは彼に:「ロマンチックな夜を共にするパートナー」という役割を期待していた。

・彼は自分を:「一週間の戦いを終え、何も考えずにゲームをする野生動物」だと思っている。

そう、2人の台本が、根本からズレていたんですね 。

私たちはつい、相手が自分の期待に応えてくれないと「あの人は冷たい人だ」とか「性格が合わない」とか、相手の“人間性”のせいにしてしまいがちです。

でも実はこれ、ただ単に、持っている台本が違っただけ。大切なのは”誰が悪いか”ではなく、単に”台本(期待)がズレている”ことに気づくこと。これが、心をラクにするための最強のトリセツです。

もし、このズレに気づけたら…

「そっか、彼は今”野生動物モード”なのね。じゃあこのお寿司、わたしが食べちゃおう、ラッキー!」

と、台本を書き換えることができます。あるいは、「私は今日、癒やしの女神役をやりたかったんだけど、10分だけつきあってくれない?」と、台本をそっと手渡すことだってできるかもしれません。

彼も私も悪くない

「なんでわかってくれないの!」と叫びたくなったとき。それはあなたが相手に演じてほしい役を、相手が知らないだけかもしれません。なんてったってみんな、それぞれの台本を持って、それぞれの舞台に立っているから。噛み合わなくて当たり前。たまにズレて、終わってから舞台裏で「えっ、そんな役だったの?」って言い合えたら、それでオッケー。

「私がおかしいわけでも、彼の人格が悪いわけでもなかったんだ」そう思って、今日は自分に一番甘い役を振ってあげてくださいね。あなたの毎日の舞台が、少しでも軽やかになりますように。

島田恭子(しまだきょうこ)

予防医学者・保健学博士。医学や心理学の知見を、女性のウェルビーイングに役立てたいと活動中。(社)ココロバランス研究所代表。最新著書『心が疲れたらセルフケア』が好評発売中。ストレスなく心の疲れを取り、元気を取り戻すための50の方法を紹介。

https://customer-harassment.org/kyokoshimada/

TEXT=島田恭子

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