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「責任取れんのか!?」ケーキの発注ミスに冷や汗。と思いきや、客が小声で謝罪した『予想外の展開』

  • 2025.12.22

ケーキの受け渡しが最も多いクリスマスイブは慌ただしく、少しのミスも許されない緊張感があります。そんな中、思わぬ出来事が起きると、心の余裕は一気に削られてしまうもの。今回は、筆者本人が体験した、ヒヤッとするエピソードを紹介します。

1年で最も気が抜けない日の始まり

私の働くドラッグストアでは、毎年クリスマスイブの日は、予約ケーキの受け渡しで朝からバタつきます。ミスが許されない予約管理はダブルチェックで行い、気を配っていました。

午後になり受け渡しが始まると、ひっきりなしに予約のお客様が訪れます。慌ただしさに追われつつも、順調に夕方まで過ぎていきました。もう外は真っ暗。「あと少しだね」と同僚と話しながら、残りわずかの受け渡しに臨んだ矢先でした。

見つからないケーキ

中年の男性から渡された予約票を確認しながら、私と同僚はケーキを探しました。しかし、どこにもない。何度も何度も探したけれど、やっぱり見つかりません。

「発注ミス……?」頭からスッと血の気が引いていき、心臓が早鐘を打ち始めました。もう他店から譲ってもらえる時間でもありません。焦りで手の震えを感じながら、帰り支度をしていた店長に助けを求めました。

男性の怒り

店長と一緒に謝罪に向かうと、男性はすぐに声を荒げ始めました。「家族が待ってるんだよ! どうしてくれんだ!」「責任取れんのか!?」怒りも当然だと思い、平謝りしていると、男性はスマホを取り出し、電話をかけ始めます。どうやら相手は奥さんのようです。

「予約したケーキがないんだってよ! ふざけた店だよな!」ところが、その声はだんだんと弱まり、「は? いや、〇〇店だけど……え? え?」そして、男性は固まったまま、ゆっくり私の方へスマホを差し出しました。

浮かび上がった真実と思わぬ結末

スマホ越しに出た奥さんは、開口一番こう言いました。「すみません! うちの旦那、予約した店を間違えてます! 受け取りは△△店なんです! さっきその店から『ケーキの受け取りがまだのようですが』って連絡が来て……」

急いで予約票を見直すと、確かに薄く押されたハンコには“△△店”の文字。男性はバツが悪そうにこちらを見て、小さな声で「……すまなかった」とだけ言って帰っていきました。怒りの勢いはすっかり消えていて、その姿に私たちもホッと胸をなでおろしました。

忙しい時ほど落とし穴がある

今回は店側に非はありませんでしたが、忙しさで視野が狭くなると、人は確認の順番を飛ばしてしまうということを改めて感じた出来事でした。それ以来、私たちはケーキ番号や予約名だけでなく、店舗名のチェックも必ずするようになりました。

【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:hiroko.S
4人を育てるママライター。20年以上、接客業に従事。離婚→シングルマザーからの再婚を経験し、ステップファミリーを築く。その経験を生かして、女性の人生の力になりたいと、ライター活動を開始。現在は、同業者や同世代の女性などにインタビューし、リアルな声を日々収集。接客業にまつわる話・結婚離婚、恋愛、スピリチュアルをテーマにコラムを執筆中。

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