1. トップ
  2. 恋愛
  3. 夫に怯える異常な日常「うれしい…」24時間ずっと気が抜けない…否定されないために辿り着いた正解とは<私は夫の所有物>

夫に怯える異常な日常「うれしい…」24時間ずっと気が抜けない…否定されないために辿り着いた正解とは<私は夫の所有物>

  • 2025.12.24

10歳年上のマサトと結婚したマミ。職場の人間関係に悩み、仕事を辞めたマミに、マサトは「俺がちゃんとした奥さんにしてあげる」とプロポーズ。しかしマミの両親は結婚に猛反対。必死に説得するも許しを得られず、2人は反対を押し切って強引に結婚。
娘・アミが誕生すると、マサトは独断で名前を決め、娘に「ママみたいになるな」と間接的にマミを見下すように。さらには、マミの実家を嫌い、マミの両親の施しに対して「迷惑。お前の親は他人」と切り捨て、マミを孤立させていきます。
その後、マサトは外で働くことにトラウマがあるマミに「パートに出て月15万円稼げ」と命令。在宅でライターの仕事をしながら、ワンオペで育児をしているマミの大変さを考えもせず、マサトは「俺に逆らうな」とマミを精神的に追い詰めていきます。
ある日、夕食に総菜を使ったことを隠そうと嘘をついてしまったマミ。それがバレてしまい、「母親失格」と罵倒され、深く傷ついたマミは、マサトに怒られないための「正解」を探すようになり……。

消えていく『私』

私は、マサトが理想とする妻、理想とする母でいるために、細心の注意を払って生活するようになりました。

マサトが家にいないときも、24時間ずっとマサトの顔色をうかがって過ごすように……。

「お茶」と、ひと言だけ発したマサトさんに、スッとお茶を出したマミさん。

そんなマミさんを見て、マサトさんは「最近やっと『普通の妻』らしくなってきたな。最初からこうやってればよかったんだよ」と、満足げに言いました。

その言葉を、マミさんは褒め言葉として受け取ってしまいます。

「母親失格」と言われて以来、マミさんの生活は一変しました。早朝から音を立てずに掃除をし、リモコンの位置をきっちり整え、「サボっている」と思われないようキッチンで立ったまま朝食をとり、食べたパンの袋は小さく結んでゴミ箱の底に隠す日々。

娘のアミちゃんが積み木を崩して遊ぶ音にさえ、「パパに怒られちゃう! ちゃんとしてないと!」と過剰に怯え、マサトさんがいないときも、常にビクビクしてしまいます。

怒鳴られなかった。否定されなかった。うれしい……。

マサトさんの顔色をうかがい、怒られないための選択を繰り返す毎日。「明日も間違えないようにしなきゃ」と、不自然な作り笑いをして鏡を見るマミさんなのでした。

◇ ◇ ◇

夫に怒られないために、ゴミを隠したり、子どもの遊びを制限したり、自分の行動すべてを夫の理想に合わせる生活。マミさんの生活を想像すると、思わず息が詰まってしまいます。さらに恐ろしいのは、マサトさんの「普通の妻らしくなった」というモラハラ発言を、マミさんが「褒められた、自分は間違っていなかった」と安堵してしまっている点です。これは信頼関係ではなく、完全に支配と服従の関係ではないでしょうか。

パートナーと過ごす中で、自分の感情よりも「相手を不機嫌にさせないこと」が最優先になってしまったら、それは「自分」が消えかけている危険信号です。相手の機嫌を取るために我慢するのではなく、自分が心地よく過ごせているか、自分の基準を見失っていないか、常に自分の心に問いかける視点を持ち続けたいですね。

苦しいときは友人や家族など、周囲に助けを求めましょう。頼れる人が思い当たらない場合は、専門機関を頼ることもできます。相談窓口をいくつかご紹介します。

※よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター)
ガイダンスで専門的な対応も選べます(外国語含む)
0120-279-338 つなぐ ささえる(フリーダイヤル・無料)
岩手県・宮城県・福島県から 0120-279-226 つなぐ つつむ(フリーダイヤル・無料)

※こころの健康相談統一ダイヤル
電話をかけた所在地の都道府県・政令指定都市が実施している「こころの健康電話相談」等の公的な相談機関に接続します。
0570-064-556 ※相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります。

※DV相談ナビ
全国共通の電話番号(#8008)に電話をすると、お近くの都道府県配偶者暴力相談支援センターにつながります。
#8008(はれれば)※相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります。


著者:マンガ家・イラストレーター ゆる山まげよ

ベビーカレンダー編集部

元記事で読む
の記事をもっとみる